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富士登山 静岡県でも事前登録の受付開始 山梨県側の通行料徴収や人数制限で登山者流入懸念

夏山シーズンを迎える静岡・富士登山の混雑の解消や弾丸登山の防止などを目的に、静岡県は6月10日から登山者の事前登録の受け付けを始めました。

事前登録は静岡県HPから

静岡県「富士登山オフィシャルサイト」

富士登山をめぐっては、山梨県側で通行料の徴収や人数制限などの規制を行うことから、静岡県側の登山者の増加が懸念されています。

このため、静岡県は県内3登山口(富士宮・御殿場・須走)の登山者による弾丸登山を防止し登山のルールやマナーを周知するため、任意の事前登録システムの運用を始めました。

村田彬 記者:
静岡県側の富士登山事前登録が先程スタートしました。こちらのサイトから登山日の入力や動画の視聴などを行っていきます

事前登録は静岡県などが運営する「富士登山オフィシャルサイト」にスマートフォンやパソコンからアクセスし、登山の日時やルート、それに山小屋の予約の有無などを入力していきます。

メールアドレスにQRコード送付

静岡県「富士登山オフィシャルサイト」

また、登山のルールやマナー、服装などに関する約7分間の動画を視聴して手続きを終えるとメールアドレスにQRコードが送られます。

村田彬 記者:
こちらのQRコードを5合目の受け付けでかざすことで、リストバンドが配られて登山を開始することができます

登録ページは急増する外国人の登山者向けに17言語に対応しています。

一方で、登録を行っていない登山者にはスタッフが登山口や駐車場で登録を促すとともにルールやマナーを説明し、午後4時以降は山小屋の予約がない場合登山の自粛を呼びかける予定です。

静岡・山梨の両県知事は協力へ

静岡・鈴木知事(左)と山梨・長崎知事(6月7日)

静岡県の鈴木康友 知事は6月7日に山梨県の長崎知事と会談し、協力していく考えを示しています。

鈴木康友 知事:
富士山の課題につきましては山梨県さんがかなり進んでですね、入山規制など取り組まれておられますので、私どももしっかり状況を拝見させて頂きながら、富士山の場合は保全と活用の両方しっかりやっていかなければなりませんので、オーバーツーリズムの問題に対して両県が力を合わせて取り組んでいかなければいけない

静岡と山梨の違いは?

静岡県と山梨県の富士登山者への対応

2024年の富士登山をめぐる山梨県側と静岡県側の対応の違いをまとめました。

まず時間の規制ですが、山梨側は午後4時から午前3時まで山小屋の予約がないと通行できません。静岡側は午後4時以降山小屋の予約がない人にはスタッフが登山自粛を呼びかけます。

また、人数の規制は山梨側が1日上限4000人ですが静岡側はありません。

通行料も山梨側は2000円なのに対し静岡側はありません。静岡県側は登山口が国有地で、さらに登山道へ入る道が多く、通行料を公平に徴収するのが難しいためです。

ただ、両県ともに事前に登山計画を登録するシステムがあり、山梨側は通行料の支払いもできます。

一方、静岡側はルールを学ぶ動画を視聴しないと登録できない仕組みとなっています。

いずれにしても山梨側の規制が厳しく、静岡側の登山者の増加が心配されています。

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