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袴田ひで子さん会見 主文が「神々しく聞こえた。涙止まらず」 弟・巖さんに「無罪になったよと言いたい」

会見前に笑顔を見せる袴田ひで子さん(9月26日午後5時半前)

1966年6月に当時の清水市にある味噌製造会社の専務宅で一家4人が殺害された強盗殺人放火事件、いわゆる袴田事件の再審公判をめぐっては9月26日に静岡地裁が袴田巖さん(88)に対して無罪を言い渡すとともに、捜査機関による証拠ねつ造を認定しました。

閉廷後、弁護団とともに会見に出席した袴田さんの姉・ひで子さんは、開口一番、集まった支援者に対して「本当に皆様、長い裁判でありがとうございました。無罪を勝ち取りました」と挨拶。

その上で「裁判長が『主文 被告人は無罪』と言うのが神々しく聞こえました。私はそれを聞いて、感激するやら、うれしいやらで涙が止まらなかった。1時間ばかり涙があふれ出てきていました」と無罪判決を聞いた時の心境を振り返りました。

一方、26日の判決公判では閉廷直前に國井恒志 裁判長が「自由の扉はちゃんと開けました。ただ、無罪は確定しないと意味がありません。もうしばらくお待ちください。ひで子さんが健康でいられることを心から祈っております」と声を震わせましたが、照れ隠しなのか「あまり聞こえませんでしたので、裁判長の仰ることも。時々しか聞こえなかったんです。残念ながら」と笑顔を見せたひで子さん。

袴田さんにどのような声を掛けたいか問われると「(自身が帰宅した際に)起きていれば、きょう(26日)話をするつもりなんですが、巖の状況が安定しませんので、やたら話すというわけにはいきません。ちょっと顔色を見まして、きょうかあすのうちに『無罪になったよ』ということを言いたいと思います」と答えました。

また、袴田さんが逮捕されてからの58年について「知らないうちに過ぎましたしね、再審開始になった時にスカッと忘れちゃったんですよ、昔の苦労をそれくらい再審開始になった時は(うれしい)気持ちがありましてね」と述べた上で、「今回はまたそれにも増して無罪という判決をもらいまして、本当に58年なんか吹っ飛んじゃったみたいな気がするんですよ」と話しています。

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