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高齢者の芸術表現「超老芸術」がついにメタバースの世界に進出しました。年を重ねても作品を作り続ける全国各地の超老芸術を、360度自由に動けるデジタルの展覧会場で味わえます。
2023年の展覧会がメタバース化
まず入口では大きく口を開けた石の彫刻がお出迎え。まるで金剛力士像のように訪問者を見下ろしています。
石の彫刻は小八重政弘さん(静岡市)の作品ですが、実際は手のひらサイズです。この世界ではなぜか巨大に。
実際の作品を見たことがある人でも、メタバースならではの新鮮な感覚が味わえます。
高齢になってから突如アートの才能を爆発させる人、高齢になっても情熱が枯れるどころか、より激しさを増して創作活動に没頭する人を「超老芸術家」と呼びます。
【関連記事】「みんな気持ち悪いと言うけど」石と一緒に眠る男性【超老芸術#4】テレしずWasabeeは超老芸術の名付け親でアーツカウンシルしずおかの櫛野展正さんが発掘した、プロではないが、もっと光があたるべき人たちを紹介してきました。
2023年10月には全国22組の作品が静岡市駿河区のグランシップに集まり「超老芸術展」が開かれました。
この超老芸術展がメタバースの世界に登場、誰でも無料でインターネットやアプリから見ることができます。
メタバース超老芸術展を歩いてみた
メタバース超老芸術展には、メタバース空間「Spatial(スペーシャル)」から、誰でも無料でパソコンやスマートフォンを使って入ることができます。
【もっと詳しくみる】メタバース超老芸術展はこちらから(アーツカウンシルしずおかのサイト)入ってすぐの場所にはフロアマップがあって、どの作品がどのあたりにあるのかわかります。また操作方法の案内もあるので、初めて使う人は一通り読んでからメタバース空間へ出かけましょう。
前述の巨大な石の彫刻の間を通って一階フロアに入ると、広々とした空間に作品が展示されていました。近寄って見ると、実際の展示会場のように作者の説明も貼られています。
もっと詳しく見たければ、拡大することもできます。
庭に出てみると、水の中に見原英男さん(焼津市)の魚の彫刻がありました。
現実世界でやるとしたら難しいけれど、水の上という作品にぴったりの場所に展示できるのは、メタバースならではです。
国谷和成さん・みよ子さん(石川県)のトラの作品もずいぶん巨大化していました。テレポートしてトラの背中に乗ってみると、なんだか爽快な気分に。実物も中型犬ぐらいはありますが、折り紙を束ねてできている作品に乗ることはできません。
トラの上からメタバース空間を見渡すと、2階3階へと展示が続いているのが見えました。
なぜメタバースにしたのか
メタバース超老芸術展があるSpatialは、国内のみならず、世界中の人の目に触れる場所です。超老芸術は「Art of the Aged」と英訳されていました。超老芸術の世界進出です。
アーツカウンシルしずおか・櫛野展正さん:
展覧会へ足を運んでいただくことができなかった方たちを始め、国内外の皆さまにご覧いただくために、メタバースを準備しました。実際の展示に近い感覚で楽しむことができるだけでなく、会員登録していただければ参加者同士で会話をしながら鑑賞をすることも可能です。 高齢者の芸術表現の魅力をぜひ体験してください
1月13日にはメタバース上で、櫛野さんによるギャラリートークも開かれます。より超老芸術への理解が深まるチャンス。参加は無料ですが事前申し込みが必要です。
■イベント名 メタバース超老芸術ギャラリートーク
■日時 1月13日(土) 10:00~11:00 14:00~15:00
■参加 無料 先着20名要予約
【もっと詳しくみる】ギャラリートークの申し込み(外部サイト)
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