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【駿河区・超老芸術展】遅咲きのトップランナー大暴走!全国から超老芸術が大集結

高齢になってもなお独自の創作を続ける「超老芸術家」。初めての大規模な展覧会が静岡市駿河区で10月に開催されます。その名も「超老芸術展 遅咲きのトップランナー大暴走!」。どんな展覧会になるのか、超老芸術の仕掛け人に聞きました。

全国22組が大暴走

ある日バッハの曲を聴いて突然絵画に目覚めた焼肉店の店主や、顔を彫った無数の石たちに囲まれて寝起きしている元石材店の男性など、テレしずWasabeeでは個性強めな超老芸術家たちを紹介してきました。

“かわいい”石たちに囲まれる超老芸術家・小八重政弘さん(静岡市清水区)
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「超老芸術」の名付け親はアーツカウンシルしずおかの櫛野展正さんです。櫛野さんは超老芸術家たちが、なぜその表現に至ったのかをつづった著書「超老芸術」を7月に出版しました。

【参考】櫛野展正さんの著書「超老芸術」(外部サイト)

今回展覧会を企画した櫛野さんは、その狙いを「これまで取材発掘してきた静岡県内の高齢芸術家だけでなく、全国各地で人知れず創作を続ける高齢者の芸術表現を世界に向けて発信したい」と話します。

閉店した焼肉店の客席が今は創作スペース 本田照男さん(沼津市)

アーツカウンシルしずおか・櫛野展正さん:
会場に展示されるのは、いずれも専門的に美術を学んでこなかった人たちばかりで、独学でユニークな創作を続けています。有識者による関連イベントやメタバース上での展覧会(12月公開予定)など、高齢者の芸術表現を体感できる内容になっています

櫛野さん(左)と超老芸術家の「セーラちゃん」(右)
櫛野さん(左)と超老芸術家の「セーラちゃん」(右)

10月3日から6日間にわたって開催される「超老芸術展 遅咲きのトップランナー大暴走!」では、全国各地から集まった22組の超老芸術家による、1500点を超える作品が一挙公開されます。

独特な超老芸術ワールドを会場でご堪能いただく前に、作品が展示される超老芸術家のうち3組を、櫛野さんに紹介してもらいました。

折り紙から生き物を生み出す夫婦

石川県に住む超老芸術家・国谷和成さん、みよ子さん夫妻が作るのは、立体的な生き物たち。

パンダもチーターもカニも、なんとなく2人に似て優しい表情をしています。 

左)国谷和成さん 右)国谷みよ子さん

アーツカウンシルしずおか櫛野さん:
国谷和成さんは47歳頃まで漁師として働いたあと、滋賀や富山の会社に転職し定年まで勤務。休日に帰省した際、妻・みよ子さんが折り紙の「ブロック折り」を楽しむ姿を眺めているうちに一念発起し、56歳から小鳥などの制作を始めました。やがて既製品ではなく、オリジナルの作品の制作を志すようになり、魚や漁船など漁師の経験をいかした作品も数多く制作しています

その作り方は「型紙を2枚のダンボール板で制作し交差。木工用ボンドをつけた折り紙を差し込み、その隙間に新聞紙を詰めるという独自の手法」だということです。

これまでにつくった作品は300体以上。みよ子さんが紙を折り、和成さんが設計と組み立てを担当。役割分担をしているそうです。

折り紙や段ボール板で、どうやってなめらかな立体曲線をつくっているのか、ぜひ間近で見たい!

熊本地震をきっかけに芸術に打ち込む女性

田口Bossさん 

熊本県に住む田口Bossさん(アーティスト名)がつくるのは、細胞のような微生物のようなモチーフが繰り返し現れるアート作品です。

色が穏やかで、眺めていると心が落ち着きます。

アーツカウンシルしずおか櫛野さん:
田口さんは夫と共に、幼児教室やヨーロッパの玩具専門店を熊本で経営していましたが、2016年の熊本地震により被災。店の運営を知人に譲ったことを機に、自宅で本格的に絵を描き始めました。専門的に美術を学んだ経験はありませんが、6年間で300点以上の色鉛筆画を描いています

超老芸術家の共通点の一つに、その作品数の多さがあるのではないかと思います。田口さんも平均すると1週間で1作品を描き上げるペースですから、創作活動に猛烈に打ち込んでいるようです。

2022年からは、ニューヨークにあるギャラリー「Cavin-Morris Gallery」で作品の取り扱いを開始しました。高齢になってから世界に進出するエネルギー、ぜひ会場で触れてみたいと思います。

人生を魚たちにささげた海の男

静岡・焼津市に住む超老芸術家・見原英男さんの作品は焼津らしいカツオやマグロです。

長年にわたって港に関わる仕事をし、間近で魚たちを見てきただけに、背びれの輝きまでリアルです。

見原英男さん 
見原英男さん 

見原さんは中学卒業後、父の跡を継いで30歳まで漁師として働いていました。

その後も水産加工会社でカツオやマグロの仕入れや保管に携わり、会社の事業が拡大すると自社工場でカツオのタタキを扱いました。

アーツカウンシルしずおか櫛野さん:
見原さんは70歳まで働き、退職を間近に控えていたとき、職場の人から退職後の過ごし方を問われた際、「漁船ではカツオを釣り、冷蔵業でカツオを預かり、カツオのタタキの商品をつくるまでになったから、カツオの木彫りでもつくるか」と冗談混じりに答えたところ、退職祝いに彫刻刀を贈られたことで一念発起。以後、他界するまで300体を超えるカツオやマグロなどの作品を彫り続けました

2023年に亡くなるまで、彫刻刀を握り続けた海の男の作品をぜひ会場で!

■イベント名 超老芸術展 遅咲きのトップランナー大暴走!
■会場 グランシップ6階 展示ギャラリー
■住所 静岡市駿河区東静岡2丁目3-1
■会期 10月3日(火)~8日(日)
■時間 10:00~17:00(最終日~16:30)
■入場 無料

【画像】関連セミナー詳細や参加アーティスト一覧のチラシはこちらから

※国谷和成さん・みよ子さん、田口Bossさん、見原英男さんおよびポスター画像は全て櫛野展正さんからの提供です。

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