目次
静岡県の西の端、湖西市にたい焼き店がオープンしました。長く理容店を営んできた80歳の女性が始めたお店です。安くておいしいたい焼きと温かい会話を求めてオープン以来、多くの人が訪れています。
理容店から転身! 80歳の再スタート
JR新所原駅北口から北へ5分ほど歩くと、理容店の赤白青模様をあしらった建物が見えてきます。近づいてみると、「たいやき」ののれんがかかり、お客さんが列を作っています。
こちらは55年間営業してきた理容店をリニューアルし、10月にオープンした「たいやき伴屋」。店主は、伴みさをさん(80)です。 夫の勝さん(82)とともに理容店を営んできましたが、高齢になって細かい手作業が難しくなったため2年前に閉店しました。
元々、人とのおしゃべりが大好きで、お客さんとのコミュニケーションを楽しんでいたという2人。閉店以来、人と話す機会が減ってしまったそうです。2人を見ていた息子夫婦に「理容店は難しくてもほかの商売はできるのでは」とすすめられ、みさをさんが新たな業種でお店を開くことにしました。
たい焼きを選んだのは、近くに売っているところが少なくご近所さん達に喜ばれそうだったから。粉物は食材のロスが少ないため、無理なく営業できるのも魅力でした。開店準備は勝さんや息子夫婦、親族も応援してくれました。
1個120円! おいしくて大人気
たい焼きは、つぶあん・カスタード・あんクリームチーズの3種類で、いずれも1個120円。
物価が上昇する中、ありがたいお手頃価格ですが、お客さんにおいしいものを提供して喜んでもらいたいと生地は粉物の本場、広島から取り寄せています。あんも北海道産を使うなど、素材は厳選しています。
オープン初日には、店先の張り紙やSNSでオープンを知ったお客さんが次々と訪れ、行列ができました。
翌日以降も、安くておいしいと口コミが広がり連日大盛況。材料の調達が追い付かず、やむを得ず臨時休業となった日もあるほどです。
家に持ち帰って食べるなら、トースターで1~2分焼いて食べるのがおすすめだそうです。試してみると、生地がサクサクになり、周りの薄いところはパリパリ! 少し塩味が効いてもちっとした皮があんの甘さを引き立てていて、とてもおいしかったです。
一番人気はやはりつぶあん。子供達にはカスタードが人気だそうです。
お客さんとのおしゃべりを楽しみに
お店には理容店の常連さんや、近所の人たちが代わる代わる訪れます。夕方には「たい焼き、まだある?」と近所の小学生が走って来ます。子供たちの「おいしい~」「クリームうまっ!」の声に、伴さん夫婦も笑顔がこぼれていました。
たい焼きが焼けるまで待つこともありますが、お客さんも「いいよいいよ、急がないから」と和やかです。お店には昔ながらのゆったりとした空気感が生まれていました。
たいやき伴屋・伴 みさを さん:
予想以上にたくさんの人にたい焼きを喜んでもらえていて嬉しいです。落ち着いたら、買いに来てくれた人たちと、ゆっくりおしゃべりを楽しみたいです
昭和のようなのんびりとした時間が流れるお店へ、おいしいたい焼きとおしゃべりを楽しみに行ってみませんか。
■店名 たいやき伴屋
■住所 静岡県湖西市新所原2丁目9-12
■営業時間 10:30~18:00(売り切れ次第終了)
■定休日 日・月
■駐車場 店の向かいに3台
※たい焼きはテイクアウトのみ。店内飲食はできません。
【もっと見る! 湖西市のグルメ記事】