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ちょっと待って!大雨でムリして帰らない 帰宅困難時の賢い選択

「数十年に1度の大雨」や「観測史上最大の降水量」といった情報が珍しくなくなってきました。そんな時に職場や外出先からの無理な移動はニ次災害の恐れも。帰るかどうか迷った時の対策をまとめました。

リアルタイムで情報チェック

ママ防災アドバイザー・ふじのくに防災士 髙良綾乃:
家に帰ろうと移動を開始する前に、まずは現時点の状況と今後の予報を知っておきましょう。

雨雲レーダーや洪水、浸水、土砂災害情報をチェック

お天気アプリやニュースなどで、雨雲レーダーをチェック。時間ごとの予報をもとに移動のシミュレーションをします。

線状降水帯の予報は特に要注意です。既に発生している、または線状降水帯の発生予測が出ている場合は、慣れない土地で無理な移動をせず、自分の今いる場所が安全か確かめます。

tenki.jpの雨雲レーダー
tenki.jpの雨雲レーダー


■雨雲レーダーを見るなら「tenki.jp」
【リンク】日本気象協会が運営する「tenki.jp」(外部サイト)

■危険が迫っているか地図上でチェックするなら「キキクル」
【リンク】気象庁の「キキクル」(外部サイト)

■河川の水位をチェックするなら国土交通省の「川の防災情報」
【リンク】国土交通省の「川の防災情報」(外部サイト)

■天気・災害情報全般をチェックするなら「特務機関NERV防災」 (アプリ)

交通情報をチェック

道路の状況は「日本道路交通情報センター」や、日頃使い慣れているナビなどで、通行止めなどをチェックしましょう。普段なら30分の道のりが、災害時には何時間もかかることもあります。

鉄道の状況は、各鉄道会社の公式サイト・SNSで確認しましょう。目的地まで運行していない場合は、下手に土地勘のない場所で途中下車するよりも、現地にとどまった方がよい場合もあります。

無理に帰宅しない!帰宅困難者の受け入れを頼る

慣れない土地でとどまることになった場合、どこで過ごせばいいでしょうか。候補はいくつかあります。

自治体の緊急避難場所

指定避難所は各市町の公式サイトでチェックします。全ての避難所が開設されるとは限らないのでしっかり確認が必要です。

地域住民ではない場合は、帰宅困難者であることを伝えましょう。

災害時協力寺院

実はコンビニの数よりも多いという全国の寺院ですが、災害時に帰宅困難者支援を行う「災害協力寺院」があります。必ず開設されるとは限らないので事前に確認しましょう。

【全国の災害時協力寺院】「NAVITIME(ナビタイム)」地点検索(外部リンク)

職場に残る

静岡県東部地域局は、出勤している従業員に関しては、無理な帰宅はかえって二次災害につながる恐れがあるとして、いったん職場にとどまるよう促しています。

県東部の企業の経営者や従業員向けに“大規模地震発生時の合言葉は「STOP!一斉帰宅」”の啓発リーフレットを作成し、市町と連携し帰宅困難者対策を進めています。

リーフレットは大規模地震を想定していますが、大雨の際でも基本的には同じ考え方です。

コンビニや外食チェーンは?

「災害時帰宅支援ステーション」として自治体と協定を結んでいるコンビニや外食チェーンもあります。

地震などの大規模災害によって多くの帰宅困難者が発生した場合に、水道・トイレ・テレビやラジオの道路情報の提供などをしてくれます。関西から始まった取り組みですが、現時点ではまだ静岡県内で協定を結んだ地域はありません。

左)「災害時帰宅支援ステーション」のステッカー

大雨の際には、なにがなんでも帰宅するという姿勢ではなく、リアルタイムの情報を精査したうえで、二次被害の恐れがある場合は「とどまる」選択肢が大切です。

文/髙良綾乃

子育て防災アドバイザー/ふじのくに防災士。小学生の子を持つ現役ママの視点で、防災をもっと身近に親しみやすくお伝えします。ほかにも子育て世代にお役立ちの楽しい情報や、キラリと光る地元の魅力的な「ヒト」にフォーカスします。食育指導士。
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