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【駿河区・久能山東照宮】立ち入り禁止の国宝・御社殿の裏側へ

徳川家康の陵墓がある静岡市駿河区の久能山東照宮。普段は見られない国宝・御社殿の裏側や、博物館に収蔵されている刀剣まで、久能山東照宮の奥深い世界を体験してきました。

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ロープウェーから見える石垣

久能山東照宮は、静岡市南部の丘陵地帯・日本平にあります。行くには海側から1159段の石段を登るか、山頂側まで車かバスで行ってロープウエーに乗るかどちらかです。

今回はロープウェーに乗って久能山東照宮を目指します。

ロープウェーを利用しないと見られない、石垣を眺めることができます。

ロープウェーからのみ見られる石垣

静岡県唯一の国宝建造物・御社殿

ロープウェーを降り、息が切れそうな急な階段を上ると、きらびやかな建物がありました。

久能山東照宮・竹上政崇さん:
目の前にあるこの建物が国宝の久能山東照宮の御社殿です

御社殿まるごとが国宝に指定されています。

御社殿(静岡市駿河区根古屋)

久能山東照宮は、徳川家康を御祭神としてまつっています。

私たちがお参りをする拝殿と、神様をおまつりする本殿という2つの建物があり、御社殿はその2つをつないだ複合建造物。静岡県内で唯一国宝に指定されている建物なのです。

久能山東照宮・竹上政崇さん

権現造りの社殿が全国的に普及する契機となった建築物として、歴史的に意義深いものです。

御社殿が国宝に指定されたのは、2010年。そのときには、関係者の皆さんで喜んだそうです。

国宝に選ばれるというのは特別なことで、数えるほどしかありません。

御社殿

普段は入れない場所から本殿を見学

特別に、普段は入れない御社殿の裏側へ案内してもらいました。

立ち入り禁止区域です。

御社殿を構成する本殿の裏側は漆で真っ黒に塗られています。人が出入りする必要はないため、扉もありません。

御社殿(本殿)の裏側は真っ黒

久能山東照宮・竹上政崇さん:
家康公のご神霊をおまつりするご本殿、その後ろには家康公を埋葬したお墓があります。神様である家康公の通り道になります

本殿の裏から家康公のお墓の間は神様の通り道として、あえて何もない空間にしています。

御社殿(本殿)の後ろ側

竜の彫刻に込められた意味

御社殿は、家康公のお墓に行くときに西側からは見えますが、東側から見ることはほとんどありません。

基本的には左右対称にはなっていますが、彫刻と絵は違うそうです。

獅子の彫刻

拝殿の彫刻は獅子が多い一方で、本殿は、獅子だけでなく竜の彫刻が四隅に施されています。

竜は天下人を象徴するもののため、竜があるということは、権威の象徴でもあります。

竜の彫刻

すべて手作りされている彫刻は、よく見ると表情が一体ずつ異なります。拝観の際には、表情の違いも楽しめますね。

本殿の塀に隠された秘密

本殿を囲む塀にも注目です。一カ所だけ、四角の角を崩すように内側へ塀が入り込んでいます。

鬼門封じ

久能山東照宮・竹上政崇さん:
建物は南向きに作られているので、この方角が鬼門になります

鬼には「ツノ」がついていて、「ツノ」は漢字で書くと「角」。鬼のツノをなくすという「鬼門封じ」の意味で、その角(カド)をなくしているのです。

博物館にあるもう一つの国宝

久能山東照宮には、もう一つ国宝があります。

御社殿をあとにして、同じ敷地内にある久能山東照宮博物館へ。

久能山東照宮博物館(静岡市駿河区根古屋)

ここには徳川家康公の遺品や歴代将軍の甲冑(かっちゅう)、刀剣など約2000点が収蔵されています。

久能山東照宮博物館 学芸員・宮城島由貴さん:
家康公のものもいろいろありますが、刀剣の中に国宝がありまして、時々公開しています

久能山東照宮博物館 学芸員・宮城島由貴さん

国宝の刀剣は「太刀 銘 真恒(さねつね)」。

コンディション維持のために展示資料は定期的に入れ替えているため、国宝を出すタイミングも限られています。残念ながらこのときは展示期間外でした。

国宝に類似! 南北朝時代の刀

そこで、国宝「太刀 銘 真恒」に姿形が一番近い刀を見学することに。

その名は、「太刀 銘 備中國住恒次(びっちゅうこくじゅうつねつぐ)」。

「太刀 銘 備中國住恒次」

久能山東照宮博物館・宮城島由貴さん:
これが南北朝時代のものになります。大体700年ぐらい前の刀です。すごく長いのが特徴です

「備中國住恒次」は、刃の長さを示す刃長(はちょう)が約82cm。一般的な太刀の長さは70cm前後のため、とても長い刀であることがわかります。

南北朝の頃は騒乱が多く、馬上で刀を振り回すような戦い方でした。敵をなぎ払うためにどんどん大きな刀が好まれたため、これだけ寸法が大きいのです。

展示品

奥が深い刀剣の世界。国宝「太刀 銘 真恒」の展示予定は公式サイトなどで告知されるそうです。2026年2月現在は、真恒との二枚看板である家康の愛刀「ソハヤノツルキ」が展示中です。

国宝の御社殿をさまざまな角度から楽しみ、博物館で刀剣の世界に触れる。久能山東照宮には何度訪れても新しい発見があります。寺社仏閣が好きな人も、歴史好きな人も、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

■スポット名 久能山東照宮
■住所 静岡市駿河区根古屋390
■拝観時間 09:00~17:00
■問合せ 054-237-2438
■拝観料 久能山東照宮:大人700円 子供300円
     博物館:高校生以上600円 小・中学生300円
     ※詳しくはHP参照

【詳しく見る】久能山東照宮のホームページ

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