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静岡側の富士登山 6月10日から事前登録を開始へ 登録時に山小屋予約の有無と登山ルールの動画を視聴

静岡県は7月から始まる富士山の夏山シーズンに向けて、6月10日からWeb上で登山客の事前登録を受け付けます。山梨側で登山客の人数制限や通行料を徴収するなど規制が進められる中、静岡側は登録の際にルールを学ぶ動画を見てもらい弾丸登山や混雑を防ぐ狙いです。

弾丸登山で事故の増加懸念

山梨県・吉田口5合目

富士山では、夏山シーズンに山小屋を予約せずに夜通しで山頂を目指す弾丸登山や登山客による登山道の混雑で事故の増加が懸念されています。

このため、山梨県は吉田口五合目にゲートを設け、登山客から2000円の通行料を徴収するほか、1日あたりの上限を4000人とした上で山小屋を予約した人を除き午後4時から翌日午前3時まで通行を規制します。

静岡県沼津市(5月29日)

こうした規制のない静岡県側からの登山客の増加が心配される中、5月29日は安全対策について話し合う会議が開かれ、この中で県は6月10日から登山客にWeb上で事前に登録するシステムを試験的にスタートさせることを明らかにしました。

山小屋関係者から心配の声が…

静岡県・須走口

このシステムでは、登山客が登山ルートや山小屋の予約の有無などを入力し、登山のルールについて学ぶ動画を視聴します。

登録がない登山客については登山口や駐車場でスタッフが登録や動画の視聴を促すほか、午後4時以降は山小屋の予約がない人に登山の自粛を呼びかけます。

山小屋の関係者からは「大人数の外国人登山客に対応できるのか」「開山までにシステムの周知を徹底してほしい」といった意見が出されました。

山小屋経営者

山小屋経営者:
山小屋とのコミュニケーションが絶対に必要。これがない限り絶対にうまくいかないと思う。やっぱり(山梨県側の)吉田口がこういう状態で静岡県が注目されているし、かなり(登山客が)来ると思う。これが、やっぱりそこに問題があってなかなかうまくいかなかったいうわけにはいかない

県 富士山世界遺産課・大石正幸 課長

県 富士山世界遺産課・大石正幸 課長:
様々な事態が想定されるのではないかということもあるので、そこについては時間の許すギリギリまで関係者といろいろなパターンを考えながら、何かできるかということを、そこは本当に登山ギリギリ。もっと言うと開山中もしっかり考えていきたい

県は今後も議論を続け対策の実効性を高めるほか、2024年の状況を踏まえ規制の必要性などを検討していく方針です。

山梨県側と静岡県側の対応の違い

登山客への対応

2024年の富士登山をめぐる山梨県側と静岡県側の対応の違いをまとめました。

まず時間の規制ですが、山梨側は午後4時から午前3時まで山小屋の予約がないと通行できません。静岡側は午後4時以降、山小屋の予約がない人にはスタッフが登山自粛を呼びかけます。

また、人数の規制は山梨側が1日上限4000人ですが、静岡側はありません。

通行料も山梨側は2000円なのに対し、静岡側はありません。

ただ、両県ともに事前に登山計画を登録するシステムがあり、山梨側は通行料の支払いもできます。

一方、静岡側はルールを学ぶ動画を視聴しないと登録できない仕組みとなっています。

いずれにしても山梨側の規制が厳しく、静岡側の登山客の増加が心配されています。

山梨側の規制によって、2024年の登山客数にどのような影響が出るのか注目されます。

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