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スマホ教室に通う80代夫婦が作った動画が、2年連続全国コンテストで賞を獲得しました。撮影したのは飼いネコや銭湯。最新のiPhoneとアプリを器用に使って、なんとも味のある作品を生む“おじいちゃんおばあちゃんチューバー”です。
2年連続受賞の快挙
2人を訪ねてやってきたのは、静岡・湖西市。鈴木芳朗さん（88）と弘子さん（83）夫妻です。
３月、2人が作った動画「I love you 銭湯」が、65歳以上限定の動画コンテスト「第2回R65全国どきTuberコンテスト」で「R65 地域応援賞」を受賞しました。
いきなりグランプリの1作目は「愛猫のまどか」
２人は前年の2022年にはグランプリを獲得していて、2年連続の受賞です。
１作目は飼いネコ「まどか」を主役にした「愛しのまどか」でした。
芳朗さん：
スマホ教室の先生に勧められて応募することになったんです。最初は自分が体験した聖火ランナーのことを動画にしたんです。ところが写っている人の許可をとらなくてはならない、ということで難しいとわかり、気付いたらもう締め切りまで１カ月･･･
弘子さん：
じゃあもうネコでどう？ということになって、急いで作ったんです。そうしたらグランプリだというから驚いちゃって
その第一作目「愛しのまどか」は、庭に迷い込んできた初代の飼いネコ「まどか」と、初代が急死した後にやって来た新しい「まどか」の物語です。
夫婦のネコへの優しさが素朴にジワジワ伝わってきます。
「R65どきどきChannel」より（R65全国どきTuberコンテスト事務局）
2作目の舞台は「銭湯」
そんな2人が2作目に選んだのは、子供の頃からお世話になっていた銭湯の「みどり湯」です。
全国で銭湯が次々となくなっていく中、地元で長年続けてくれていることに敬意を表したい、これからも応援したいと、湯とyouをかけて「I love you 銭湯」とタイトルを付けました。
撮影と編集は芳朗さんが担当。最新のiPhone 14 Proで撮影し、編集は動画編集アプリVLLO(ブロ）を使います。
使い方は携帯電話会社が開いているスマホ教室に、2年前から月1回通って覚えました。
インタビューとナレーションは弘子さんの担当です。
弘子さんは農協の有線放送のアナウンサーをしていました。
17年間、朝昼晩のお知らせ番組などを担当し、有線放送のアナウンスの全国大会にも出場したことがあるそうです。
動画撮影で広がる人の輪
今回の動画撮影を通して、弘子さんは古い顔なじみと再会することができました。インタビューしようとした銭湯の常連客が、子育てをしていたころに顔なじみだった女性たちだったのです。
また“半年分料金を前払いしている常連さん”として登場する「もーくん」は、芳朗さんの親類だったこともわかりました。
芳朗さん：
この動画の撮影を通して、出会いが生まれたんです。それが本当に良かった
2人は“良きライバル”にして“良き同士”
ナレーションの収録もスマホのアプリでやります。芳朗さんが原稿を書き、弘子さんがチェックを入れます。
芳朗さん：
なかなか原稿にうるさいんです。「回りくどい」とよく言われます。良きライバル、良き同士です
弘子さん：
芳朗さんも他の人に頼んだでは、自由に要望を言いにくかったと思います。この2人だからこそ良かったんです
そんな2人の作品「I love you 銭湯」を、審査員は「交流の場であった銭湯が全国で減ってくる中で、みどり湯を通じて、土地の人たちの出会い、つながり、生まれる愛情を一コマ一コマに感じられた」と評しました。
まさに2人が伝えたいことが伝わったようです。
芳朗さんと弘子さんはYouTubeやSNSはやっていませんが、2023年のコンテストに向け、また動画を撮影しようと考えています。ネタは思案中。おじいちゃんおばあちゃんチューバーの新作に期待です!
