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親は何のために叱る?子供が伸びる「しつけないしつけ方」【テレビ寺子屋】

親が我が子を叱る理由は何でしょうか。ひとことで言えば「しつけ」のため。しつけはできないことを責めることではないと、伝わるしつけのコツ5つを、子育ての専門家が紹介します。

テレビ静岡で3月26日に放送された「テレビ寺子屋」では、笑いと笑顔をキーワードに子育てに関する講演を全国各地で開催する「こどもコンサルタント」原坂一郎さんが上手な子供のしつけ方について話しました。

親が𠮟る理由は「教えるため、伝えるため」

こどもコンサルタント・原坂一郎さん:
親はどうして子供を叱るのでしょうか?それは、我が子のためを思って「きちんとした人に育って欲しい」という気持ちがあるからだと思います。ひと言でいえば、『しつけ』のため。

しかし叱っても改めさせることはできません。しつけは教えること、伝えることだと思ってください。すると肩の荷がおります。

問いは不要!子供には「すべきこと」を求める

「叱りどきは伝えどき」ポイントは五つです。まず、質問文で言わないこと。
子供を叱る時、つい出てしまう言葉は「いつまで起きているの?」「何をしているの?」などの質問文です。いつ、どこで、誰が、何を、なぜ?(5W)を使ってしまいがちです。これでは親が本当にしてほしいことが子供に伝わりません。

ではどうすればいいのでしょうか? それは「すべきこと」を言うことです。親がして欲しいことをそのまま伝えます。「いつまで起きているの?」ではなく、「もう寝なさい」こちらの方が効果的です。

そして短い理由を添えることも大事です。「もう寝なさい」のひと言ではなく、「夜遅いからもう寝なさい」。理由がわかれば子供は納得します。3秒以内の短い理由で大丈夫です。また普通の言い方で話すこともポイントです。

「怒らないしつけ」子供にはおおらかな気持ちで

子供を叱るとつい声が大きくなってしまいます。しかし、子供は自分や相手が興奮状態にあると聞く耳を持てません。子供が機嫌を損ねて一人でその場を離れようとしたときは、大きな声で「どこ行くの!?」と怒るのではなく、普通の声で「戻っておいで」と話しかけてください。

そして最後に、何度も伝えることです。人は同じこと繰り返し伝えるとき、2回までは優しく接することができます。しかし、3回繰り返すと腹が立ってきます。みなさんも「何回言ったらわかるの?」と叱るとき、その前に2回くらいしか言ってないことがほとんどだと思います。

子供に対しては、10回は繰り返して伝えてください。おおらかな気持ちで接して欲しいと思います。

叱りたくなったら「伝えどき」 心のゆとりが子を伸ばす

「叱りどきは伝えどき」の5つのポイントを実践しても、すぐにその場で改まるものではありません。教えること、伝えることが大切です。その場で改善されなくても次の機会で良くなる確率がどんどん高くなります。

子供たちは日々、いろいろなことを巻き起こします。して欲しくないことばかりしてしまう。逆にして欲しいことはしない。それが子供です。わざとやっている訳ではありません。経験が不足していて物事を知らないだけです。

ですからみなさん、叱りたくなったときは「伝えどき」だと思ってください。「この機会に新しいことを教えてあげよう」そんなこころの余裕をもって接してあげてください。

原坂一郎:神戸生まれ。23年間の保育士勤務を経て、2004年こどもコンサルタントとして独立。笑いと笑顔をキーワードに、子育てに関する講演を全国各地で展開。日本笑い学会理事。

※この記事はテレビ静岡で2023年3月26日に放送された「テレビ寺子屋」を元に作成しています。

フジテレビ系列で放送中の番組。「子育てってなんだろう」。その答えは1つではありません。テレビ寺子屋では子育てや家庭のあり方について様々なテーマを元に毎回第一線で活躍する講師を招いてお話を聞きます。