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【難読地名】読めますか? 菊川市「沢水加」の由来は“川”に関係していた

難読地名の裏にはストーリーが。今回は静岡・菊川市にある難読地名「沢水加」に挑みます。その由来を調べてみると「川」が関係していることがわかってきました。

まずはなんと読む?

テレビ静岡の小倉彩瑛アナウンサーが訪れたのは、静岡・菊川市。

深蒸し茶発祥の地といわれる県内屈指のお茶どころです。

今回「ただいまテレビ」に視聴者から寄せられたのは、こんなメールでした。

「以前から気になっていた地名があります。それは菊川市にある地区です。フリガナなしでは絶対に読めませんし、検索しても地名の由来などは出てこないので、ずっとモヤモヤしていました」

小倉彩瑛アナウンサー

その地名が「沢水加」です。確かに読めない。「さわみずか」とそのまま読むわけがなく、想像もつきません。確かにモヤモヤするので調査してみましょうまずは読み方から調査です。

レタスの苗を植えている住民男性を発見、読み方を聞いてみました。

住民:
さばか」ですね

「沢水加」の読み方は、なんと「さばか」。 漢字のイメージとは裏腹に、インパクトがある響きです。

さらに名前の由来が聞けないかと、住民インタビューを続けると、答えにつながりそうな情報が!?

別の住民:
川があるんですけど、そこに水がサラサラ流れている。そういう意味も含めて、なんかそういう名前がついたと聞いたこともあるんですが

地区には沢水加川という川があるそうです。川に行けば、何か手がかりが見つかるかもしれません!

沢水加川に行ってみた

沢水加川は地区を縦断するように流れていました。

小倉アナ:
川の音、癒されますね。水は透き通っていてきれい。でもなんで沢水加なのでしょうか。川だからサバが住んでるわけでもないです。モヤモヤします

そこで、さらなる情報をもとめ、自治会長のお宅へ向かいました。すると意外な事実にたどりつくことになります。

沢水加地区自治会長・山本直さん:
もうちょっと奥に行くと「鳴沢(なるさわ)」という沢があって、そこの沢は山と川の距離が近いんですよ。急な沢になので水が流れてくる時、チョロチョロではなくて、ドカドカでもなく、サラサラと流れてくる。サラサラサラサラサラサラが「さばか」になったと言われています

沢水加地区自治会長・山本直さん

自治会長が教えてくれたのは「水の音」から来たという説。「河城村郷土誌」という本に書いてあるそうです。

果たして自治会長の言っていることは本当なのか、菊川市立図書館へ向かいました。

地名の由来が本に書いてあるらしい

菊川市立図書館 菊川文庫で、実際にその本を調査してみることにしました。

河城郷土誌という地元について書かれている本がありました。

調べること10分。沢水加について書かれた箇所を見つけました。

「河水の音声より出でたる名称にして『さはさは川』なるを『は』の重音を省略し『さはか』と呼び、いずれの時代よりか『さばか』と呼ぶ」

自治会長の言うとおりでした。要約すると、さらさらと流れる水の音から「さはさは川」と呼ばれ、だんだんとそれが省略され「さはか」に、そして最終的には少し濁って「さばか」になったということのようです。

自治会長はこんな事も言ってました。

自治会長・山本さん:
この地域は牧之原が隆起して取り残されたということだから、沢がたくさんあるんです。そこに雨が降ると、それぞれの沢が大きな川に流れ込むので、沢の水が加わる場所ということで沢加水という漢字になったのでは

つまり「さばか」という読み方は、沢の水の音から。

「沢水加」という漢字は、沢がたくさんあるという地形の特徴から。

読み方と漢字が両方とも“沢”を由来としながらも、成り立ちが少し違ったために、 このような難読地名が生まれたというわけなんです。

難読地名に歴史あり。茶どころ菊川の、水に関わりの深い地名「沢水加」でした。

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