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 切り札は“世界一のジェラート”? 静岡市の人気洋菓子店の新たな挑戦「いろいろな形で生き延びる」 円安に中東情勢の影響で洋菓子店の倒産が相次ぐ中で活路を探る

7月日本平夢テラスに、静岡県静岡市の洋菓子店が初めてジェラートの専門店をオープンしました。ケーキやプリンなどで人気を博してきた洋菓子店が、なぜ今ジェラートの専門店を出店したのか、その背景にあるものとは。新たな挑戦にかける思いに迫ります。

7月4日、富士山と駿河湾を臨む日本平にオープンしたのは、ジェラート専門店「ぷるみえーる日本平店」。

静岡市の洋菓子店「ぷるみえーる」が展開する初めてのジェラート専門店です。

来店客(広島から):
ジェラートが好きでよく食べるが、これは本当に初めて。めちゃくちゃおいしい

来店客(大阪から):
コクがあって、チョコのコクがあってなめらか。おいしい

ぷるみえーる・牧野良弘オーナーシェフ:
静岡にもいろいろな名物があるが、その中でも「ここに来れば世界一のジェラートの称号を取った店がある」というのを食べてもらいたいのと、それも1つの名物になってくれれば

市内に7店舗を構える人気洋菓子店が、今なぜジェラート専門店のオープンに踏み切ったのか。

その裏には洋菓子業界を取り巻く厳しい現実がありました。

38年前にオープンし、看板商品のプリンを中心に多くの人に愛されてきた「ぷるみえーる」。

オーナーシェフの牧野良弘さんは出口の見えない物価高に頭を抱えていました。

ぷるみえーる・牧野良弘オーナーシェフ:
円が安すぎる。2023年は(1ユーロ)120円だったが、195円になっているので。とにかく輸入品に関しては今月は1000円で入っていても来月は1300円に上がってしまう

上質で自然な素材にこだわり続けてきた店。

円安や中東情勢の影響による小麦粉やバター、卵など、スイーツの要となる材料や包装資材などの価格高騰が重くのしかかります。

ぷるみえーる・牧野良弘オーナーシェフ:
いつも10月くらいに最低賃金が上がってくる。それに対してこちらが対応できない

洋菓子店の倒産は全国でも相次いでいて、帝国データバンクによると、2025年は65件と2年連続最多となりました。

こうしたなか、牧野さんが活路を見出そうとしているのが“ジェラート”です。

ジェラートの世界大会で数々の賞を受賞してきた牧野さん。

2025年、本場・イタリアで行われた世界大会ではアジア人で初めての優勝という快挙を成し遂げました。

ぷるみえーる・牧野良弘オーナーシェフ:
材料費も高騰してきて、生ケーキだけだとやっていけないのも本音。少しでもぷるみえーるのケーキ屋という部分を維持していく1つの糧にならないかということで始めた

ジェラートはケーキなどの生菓子に比べて日持ちすることや、少ない人数で一度にたくさんの量を作ることができるため、人件費の削減にも繋がるなど利点が多くあると言います。

世界一の称号を得た自慢のジェラートを前面に打ち出し、洋菓子店としてだけではなく「ジェラートのぷるみえーる」としても広く知ってもらいたいと考えています。

さらに。

ぷるみえーる・牧野良弘オーナーシェフ:
(Q.今回はどんな依頼だった?)今回のものはオーガニックにこだわるところで、無脂乳固形分のこの牛乳を使って作りたいと

牧野さんの挑戦は、専門店だけに留まりません。

2026年から始めたのはジェラートの監修。

依頼があった店のジェラートがより良い商品になるようレシピを改良する事業です。

ぷるみえーる・牧野良弘オーナーシェフ:
依頼者が作った物を送ってもらって食べたが、改善の余地は多くあったから、自分のスキルを使ってこういうものを提案した

商品そのものだけでなく、培ってきた技術や経験にも価値を見出す新しい時代のパティシエ像を作り上げたいと意気込んでいます。

ぷるみえーる・牧野良弘オーナーシェフ:
とにかくいろいろな形で生き延びられればと。その手段として、今回もジェラートだけの店を静岡で出すというのは、無謀と言えば無謀かもしれない。とにかく頑張っていきたい

苦境の先に見える新たな可能性への挑戦は始まったばかりです。

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