テレビ寺子屋で講演を行うお笑いコンビ 髭男爵・山田ルイ53世さん
健やか

「夢なんて持たなくていい」引きこもり6年 山田ルイ53世さんが考える生き方【テレビ寺子屋】

中学時代から6年間の引きこもりを経験した、芸人の山田ルイ53世さん。「夢を持つことが当たり前」という社会の空気に疑問を持ち、夢や目標がなくても受け入れられる優しい世の中であってほしいと語ります。

左)テレビ静岡・北村花絵アナウンサー 右)お笑いコンビ 髭男爵・山田ルイ53世さん

テレビ静岡で2026年6月14日に放送されたテレビ寺子屋では、お笑いコンビ・髭男爵の山田ルイ53世さんが、自身の引きこもり経験をもとに、夢を持つことへの過度なプレッシャーについて語りました。

「夢を持っていないとかわいそう」という空気

お笑いコンビ 髭男爵・山田ルイ53世さん:
今の世の中は「夢」を聞きすぎていないでしょうか?

僕は仕事柄、「なぜ芸人になったんですか」とよく聞かれます。

何かしら夢を持って芸人を目指すのが普通だと思われていますが、僕に限っては、「12歳で不登校になってから6年間引きこもり、なんとか入った大学もすぐにドロップアウトして、学業で身を立てるのは無理だという諦めの中で上京し、どうしようもなく養成所に入った」という人間です。

僕のように、そもそも夢を持てない人もいるよって思うんです。

テレビ寺子屋で講演を行うお笑いコンビ 髭男爵・山田ルイ53世さん

夢を持てることはとてもすてきなことですが、裏を返すと「夢を持っていないとかわいそう」「夢を持てるといいのに」という考え方が普通になっている気がします。

僕が小学校で講演会をした時の話ですが、小学生の女の子から「山田先生は小学生のとき、どんな夢を持っていましたか?」と聞かれたんですね。僕はうそをつきたくなくて、「そもそも夢なんて持っていなくてもいいんだよ」と答えました。

イメージ画像 夢を描けない

その女の子はちょっと安心したような顔をしたんですけど、それを取り囲んでいた保護者のみなさんには「なんちゅうことを言ってくれんねや」と言わんばかりの鬼の形相をされました。

世の中には強い考え方というのがあるんだと感じました。

夢の「理由」にまで美談を求める社会

さらに、夢を持った理由にまで美談を求められているように感じることがあります。

「子供の頃にウシの出産シーンを見て、動物のお医者さんを目指しました」だと聞こえがいいけれど、「もうかるから、動物のお医者さんを目指しました」だとどうでしょうか。動物のお医者さんという夢は一緒なのに、理由が違うと見方が変わりませんか?

イメージ画像 獣医

今の子供たちは、夢を叶えてキラキラと進む人の姿をメディアやSNSで多く目にしています。子供たちに「必ず何か向いていることがある」とか「好きなことを仕事にしよう」と言い過ぎてはいないでしょうか。

子供たちが成長したときに、それが見つかる子もいる。でも、見つからない場合もある。その見つからない時に「それでもいいんだよ」と、大人が言ってあげられる優しい世の中であってほしい。

残ったものを選ぶ生き方があっていい

「無限の可能性がある」と言われますが、それはあくまでも「可能性」に過ぎないんです。僕は、人生の前半で1つ1つチャレンジして選択肢を減らしていき、最終的に残ったものを選んで「これやったらできるわ」ぐらいで生きていくのでもいいと思っています。

子供だけではなく大人も、セカンドキャリアや夢を問われ続ける時代。「定年退職したらやりたいことがない」と思うと不安になる。

イメージ画像 人生設計

でも、「夢を持つことが当たり前で、良いこと」という前提がなければ、この不安は生まれないんですよね。

大きな目標がなくても、日々できることに集中する生き方だってある。「夢なんて持たなくていい」という考えも、広く共有されるような社会になるといいなと思います。

テレビ寺子屋で講演を行うお笑いコンビ 髭男爵・山田ルイ53世さん

山田ルイ53世: 兵庫県出身。お笑いコンビ・髭男爵のツッコミ担当。地元の名門中学に進学するも中途退学。6年間の引きこもりを経験。大検合格を経て、愛媛大学に入学。その後中退し上京、芸人の道へ。

※この記事は2026年6月14日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

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