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【河津町・天麓ジビエ】河津桜まつりでシカとイノシシ味わう 売上の一部寄付 食べて山の保全に協力を

伊豆の天城山麓で捕獲されたシカとイノシシのブランド「天麓ジビエ」が、2026年も河津桜まつりの会場に出店し、行列ができる人気店となっています。2026年は売り上げの一部を山の保全活動に寄付する予定です。味はもちろん、志もすばらしい天麓ジビエについてご紹介します。

【画像】天麓ジビエやカフェのメニューを画像で! この記事のギャラリーページへ

河津桜まつり会場 来宮橋に出店「天麓ジビエ」

河津桜まつり 2月11日時点で2分咲き

2月7日から3月8日まで静岡・伊豆半島の河津町で河津桜まつりが開かれています。全国から早咲きのサクラを見に、観光客が訪れています。

サクラ並木が続く河津川沿いには、たくさんの屋台も並んでいて、「天麓(てんろく)ジビエ」は2025年に続き2度目の出店です。

天麓ジビエ(河津町田中「来宮橋」付近 河津桜まつり会場)

天麓ジビエはフラワーアーティストであり、河津町の人気カフェ「70 nanamaru cafe(ナナマルカフェ)」のオーナー・後藤清也さんが立ち上げたブランドです。

「天城の麓を駆け巡る命、感謝の味」をテーマに、伊豆の天城山麓でとれたシカやイノシシを、おつまみや食べ歩きにぴったりの形で提供してくれます。

場所は河津川にかかる来宮橋のたもと。ちょうど桜並木の中間地点あたりです。

天麓ジビエ・後藤清也さん

シカ肉とシシ肉がっつり メニュー4種類

桜まつりの会場で食べることができるメニューは4品です。

・天麓鹿ロースト串(700円)
・天麓鹿ロースト皿(700円)
・天麓猪ロースト皿(700円)
・天麓猪汁(700円)

天麓鹿ロースト串(700円)

シカ串は、塊肉におろしポン酢とゆずネギをかけて、さっぱり仕上げてあります。肉のかみ応えを残しつつ、簡単にかみ切れる柔らかさに感動します。もちろん筋は感じません。

シシ皿はごまダレがかかっていて、まろやかで甘い口当たり。刻みワサビでピリッと引き締まります。

天麓猪ロースト皿(700円) 刻みワサビを乗せて

シシ汁にはイノシシのネック肉が入っていて、だしが出ています。さらに天麓ロースト肉が汁の上に乗って食べ応え十分。ニンジン・ダイコン・ネギ・ゴボウなど野菜もたっぷり入っています。

いずれも獣臭さはありませんが、最後に少しだけ野生の肉の持つ味わい深い風味が口に残るので、ジビエファンを失望させることもありません。

まるで生に見える赤い肉の秘密

肉の赤さに驚くかもしれませんが、生ではありません。湯せんで2時間半以上、低温でじっくり火を入れているため、この色です。

低温調理したシカ肉 

天麓ジビエ・後藤清也さん:
部位は外モモです。内モモも使ってみましたが、柔らか過ぎました。外モモは適度に肉らしい食感が残ります。シカとイノシシで低温調理の温度も変えています。

味付けのポイントは「自分がお酒をのむ用」と後藤さん。

屋台では伊豆のクラフトビール「ベアードビール」3種類と、静岡の地酒5種類もオール700円で売っています。

ナナマルカフェでシカ肉カレー

しっかりご飯を食べたい人には、後藤さんが経営するカフェ「70 nanamaru cafe(ナナマルカフェ)」で提供している「てんろく鹿のすじ煮込みカレー(1200円)」はいかがでしょうか。

カフェは河津川のサクラ並木の一番奥、駅から歩いて約30分の場所にあります。散策がてら少し足を延ばしてみてください。

70 nanamaru cafe(河津町沢田)

ゴロゴロと柔らかいシカ肉が入っていますが、言われなければ牛肉と思ってしまう食感と味わい。

また曜日限定でシシ肉チャーシューがのった「てんろく猪ラーメン 森のしずく(1200円)」と、チャーシューが全面を覆った肉肉しいラーメン「森のしずく MUGEN(2000円)」も提供しています。

てんろく鹿のすじ煮込みカレー(1200円)

※カフェではシシ串やロースト皿、シシ汁、アルコール類は提供していません。

在庫になったジビエ肉 ブランド化で人気急上昇

後藤さんはコンテストで日本一に輝いたこともあるフラワーアーティストで、銀座でも2度にわたって個展を開いています。

なぜ、ジビエ肉のブランドを手がけることになったのでしょうか。

2024年 個展「WILD FLOWER」(沼津御用邸記念公園)

後藤さんの作品を見ると、その答えが見えてきます。

山で採取した古木や切り株など、買った草花ではなく、自然の中にあるものを取り入れた作品です。銀座の個展では、山に捨てられたゴミを作品の中に取り込んだこともあります。

天麓ジビエ・後藤清也さん:
自分の実家の山を歩いて、材料になるものを拾っています。こうした自己表現ができるのも伊豆の山があるからこそ。自然に還元したいという気持ちになりました

2024年 個展「森帰来-shinkirai-」

河津で育った後藤さんにとってジビエ肉は身近でした。伯父がわな猟でシカやイノシシを捕り、子供の頃は冷蔵庫に牛肉や豚肉ではなく、シカ肉やシシ肉が普段からありました。

天麓ジビエとなる肉との出会いは2024年です。地元の野生動物処理施設の冷凍庫に、在庫となってしまっていたジビエ肉を食べる機会がありました。そのおいしさに感動するとともに、昔を思い出しました。

天麓ジビエ・後藤さん:
害獣として殺されてしまう命を、おいしく提供したい。「関さば」のように、この肉をブランド化して発信したいと思いました。帰りに山を車で走りながら「天麓」という名前が思い浮かびました

その年の秋には「天麓ジビエ」を立ち上げ、今やこの処理施設の肉のほとんどを天麓ジビエが買い占めるまでになっているそうです。

1日300本売れたこともある人気のシカ串

天麓ジビエ・後藤さん:
特にジビエに抵抗のない若い人が食べてくれます。桜まつりの会場では1日300本シカ串が売れ、行列になることもあるんです

売上の一部を登山道整備に

2026年の河津桜まつり会場での天麓ジビエの売上げは、一部が天城山で登山道整備をしている団体「天城トレイルワーカーズ」に寄付されます。また、募金箱も設置する予定です。

天麓ジビエのロゴマーク 後藤さん自らがデザイン

天城トレイルワーカーズは登山道整備を通じて山全体の保全を目指しています。山が荒れる大きな要因の一つが、増えすぎたシカによる食害です。

シカによって新しい木の芽や下草が食べ尽くされ、土砂が流出してしまう場所もあります。

葉を食べられてしまった幼木(河津町 二本杉歩道)

天麓ジビエ・後藤さん:
売上げが活動費にまわれば、自分の気持ちがいいんです。今後は丼などメニューを増やして、ジビエを常に食べられるおしゃれな大衆居酒屋も開きたいと思っています

山を駆け巡る命を「感謝の味」として味わうと、その命を育む山に還元される。そんな“おいしい循環”が生まれそうです。

■店舗名 70 nanamaru cafe
■住所 静岡県河津町沢田70
■営業時間 9:00~16:00
■定休 火・不定休あり
■問合せ  080ー2389ー8571

【もっと詳しく】天城トレイルワーカーズのイベント募集
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