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浜松駅から車でわずか3分、遠州病院のすぐそばにある大通り沿いのビル。そこに全長5m以上はある巨大なゴリラがしがみついているという情報を聞きつけ、取材班が調査に向かいました。一体なぜこんな場所に巨大ゴリラ像があるのか、その謎に迫ります。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ巨大ゴリラ像を発見! 壁にしがみつく姿はリアル
そのビルがあるのは、遠州病院から六間通りを西へ歩いてすぐの場所です。
テレビ静岡・室伏真璃アナウンサー:
なにかいる! 目が合ったかもしれません。このビルの守り神でしょうか

あるビルの壁を登っている全長5mはありそうな巨大ゴリラを発見。大通り側に顔を向けて目を見開いています。
本物ではなくても、かなりリアルな造形をしています。壁に両手両足をかけ、まるで本物のゴリラがビルを登っているような姿です。

ビルの上の方にはちょうネクタイをしたゴリラのイラストと、「Smile&Satisfaction to you」というメッセージも書かれています。
地元の人に聞くと、このゴリラ像は約10年前から設置されているという情報が。しかし、なぜこのビルにゴリラ像が取り付けられているのかは、誰も知らないようです。

「たぶん10年くらい前からあると思いますけど、どういう意味があるかは全然わからないです」と近所の女性は話します。
手がかりを求めてビル内へ そこにはコインランドリーが
手がかりを求めて、ビルの1階にあるコインランドリーに入ってみました。明るく清潔な店内ですが、ゴリラに関する情報は見当たりません。

テレビ静岡・室伏真璃アナウンサー:
コインランドリーにゴリラ級の洗浄力がある、という宣伝でしょうか
そもそも、このビルには何が入っているのか。調べてみるとコインランドリーと「B.I.通商」という会社が入っていることがわかりました。

B.I.通商の受付に行ってみることにしました。
謎を解くカギは会長にあり!「私が設置しました」
B.I.通商に行くと、ゴリラのことをよく知っているという青島宏至会長に会うことができました。
まず、B.I.通商は何の会社なのでしょうか。
B.I.通商・青島宏至会長:
物流と人材派遣とコインランドリーと、なんだっけ?

会長が思い出せないほど、多岐にわたる事業を展開しているB.I.通商。飲食事業も行っているそうです。
そして驚くべきことに、青島会長がゴリラ像を取り付けた張本人だと判明しました。
80万円で買ったゴリラ像は会長の独断で設置
元々ゴリラ像は、田町のゆりの木通りにあった別のビルに設置されていたそうです。しかし約10年前、そのビルの老朽化によってゴリラ像を取り外すことに。

B.I.通商・青島宏至会長:
そのビルの人がゴリラを捨てちゃうと知り合いの工事業者が聞いてきて、「じゃあ安く買うから拾ってきてくれ」と頼みました
提示された値段はなんと「500万円」。しかしそこは交渉上手な青島会長、500万円を80万円まで値下げさせることに成功しました。

アメリカでのホームシックを救ったゴリラがきっかけ
しかし、青島会長の独断で設置したこともあり、最初は社員からの不満もあったそうです。
会長の息子の青島章悟社長も「あれはちょっと怒りでしたね」と当時を振り返ります。

なぜそこまでしてゴリラ像を設置したのでしょうか。その理由を青島会長に聞くと、意外なエピソードが明かされました。
B.I.通商・青島宏至会長:
アメリカへ物流の勉強に行ってホームシックにかかった時、むこうにあったゴリラのポスターを見て、知らないうちに笑っていたんです。これをいつか会社で使いたいなと思っていました

アメリカへの出張中にゴリラのポスターに元気づけられたことがきっかけで、ゴリラが好きになった青島会長でした。
ゴリラのリーダー像に憧れ会社経営のモデルに
さらに、青島会長はゴリラの生き方にも憧れているそうです。

B.I.通商・青島宏至会長:
ゴリラはケンカが強くてトップになるんじゃない。統率力でトップになる。会社もそうじゃないといかんなって。人間も会社も、付いて行きたくなるような風格、実力、説得力を持った人間でないといかん
ゴリラのリーダー像に憧れ、会社経営のモデルにしているという青島会長。巨大ゴリラ像には、そんな会長の経営哲学が込められていたのです。

B.I.通商・青島章悟社長:
会長には統率力があったのではないでしょうか。だからみんな付いて行きたくなる
浜松市の街中で目を引く巨大ゴリラ像。一見すると奇妙に思えるモニュメントですが、その裏には経営者の熱い思いと哲学が隠されていました。
■スポット名 B.I.通商
■住所 浜松市中央区元浜町31-2
■問合せ 053-474-7498
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