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【清水区・クインビーガーデン】“さつきとメイの家”みたいな建物の正体はハチミツ工場

トトロに出てくるような建物は、昭和初期に創業した静岡市清水区のハチミツ工場。世界各国のハチミツや、わずか2週間のうちに採れるシロップの味がどんどん変わるメープルシロップの食べ比べセットが買えます。

いつも通る表通りから1本裏へ入れば、そこはまるで別世界。静岡県民必見の裏スポットを巡る「しずおか裏表さんぽ」。静岡市南部を横断する「南幹線」を清水方面に散歩しました。

トトロの家みたいなハチミツ工場

清水区狐ヶ崎の坂を下ったところで、裏道へ。「はちみつ・メープルシロップ直売所」と書かれた看板を見つけました。

南幹線を少し裏に入った所にあるハチミツ工場「クインビーガーデン」は1931年創業です。

歴史があるだけに、建物がちょっとトトロの“さつきとメイの家”に似ていませんか。天井が高くて窓はハチの巣の形です。

“さつきとメイの家”のような外観

レトロな社屋は、戦後間もなく建てられたもの。

当時は静岡鉄道の線路沿いに養蜂場があったそうです。

直売所では商品を購入することができますが、今日は工場長にその裏側へ案内してもらいます。

ハチミツを絞っただけの原料の状態の蜜がドラム缶に詰められ、たくさん置いてありました。「ミャンマー産ごま蜂蜜」「ブルガリア産百花蜜」など、世界各国の名前が書かれています。

クインビーガーデン・近藤克彦 工場長:
直接養蜂家から買い取ったりして、世界各国から輸入しています。味が全部違います

養蜂が盛んなカナダ、ヨーロッパを中心に世界中を飛び回り、現地の養蜂家と直接取引をしています。

ハチミツ4種食べ比べてみた

ということで、世界のハチミツを食べ比べてみることに。並べてみただけで、色が全然違うのがわかります。

4種類のハチミツを食べ比べてみます

クインビーガーデン広報室・近藤智美さんによると、「このままでは食べられない!」というクセがとっても強い栗の花のハチミツもあるそうですが、食べやすそうな4種類を用意してもらいました。

クインビーガーデン広報室・近藤智美さん

日本人になじみ深い「アルバータハニー」

まずは一番淡い色のハチミツから。「アルバータハニー」は1kg2970円。パンにのせて食べたくなる甘さで、少し酸味も感じられる慣れ親しんだ味です。

クインビーガーデン広報室・近藤智美さん:
カナダ・アルバータ州の花畑からとったハチミツです。クローバー(シロツメクサ)やキャノーラ(菜の花)の花のミツです

ウクライナの黄金色「ひまわりはちみつ」

お次は少し色が濃いウクライナ産のハチミツ。「ひまわりはちみつ」は200g864円です。コクがある甘さで上品。アルバータがガツンとした甘味なのに対して、ひまわりはやさしい甘さです。

クインビーガーデン・近藤さん:
ウクライナと言えば一面のひまわり畑。国旗の黄色と青は、諸説ありますがひまわり畑だとも言われています。蜜の色は黄金色です

ウクライナでは、朝、白湯にスプーン1杯のハチミツを溶かして飲むそうです。寒い朝、目覚めの一杯が習慣なんだそうです。

ねっとり濃厚「シトラスはちみつ」

続いてイタリア・シチリア島のハチミツ。レモンなど柑橘の花からとれた「シトラスはちみつ」は110g1382円。ねっとりとして、重い濃厚でした。

ハーブの香り「北海道はちみつ」

最後は北海道からシナノキのハチミツ。「北海道はちみつ」は190g1458円です。ハーブの香りがする独特なハチミツでした。

メープルシロップは「樹液」

クインビーガーデンはハチミツだけでなく、メープルシロップも扱っています。

日本にあまり普及していなかった90年代に、プロ向けの原料として本格的に輸入を始めた裏の看板商品なんです。でも、そもそもメープルシロップとはなんなのでしょうか。

クインビーガーデン・近藤さん:
メープルシロップは木の樹液を人間がとってきて煮込んだものです

カエデの一種、サトウカエデに穴をあけ、滴り落ちる透明な樹液がメープルシロップの原料です。

画像提供:クインビーガーデン
画像提供:クインビーガーデン

ホースをつなぎ集めた樹液を糖度が66%になるまで煮詰めたものがメープルシロップなんです。

40Lの樹液からできるメープルシロップはわずか1L。採取する時期により4つのグレードがあります。

初めの頃は色が薄く繊細な味に、時期が進むにつれ色も濃くなりコクも増していくというメープルシロップ。

クインビーガーデン・近藤さん:
メープルシロップの樹液は雪解けの2週間ぐらいしか採れないんです。その短い中で味の違いが出て来るんです

1年分をその2週間で採り、その他の時間を、現地では森の管理などに当てるそうです。

劇的! 2週間で味が変わる

今回はその中の3種類、アンバー、ダーク、ベリーダークを味見です。

日本で多く流通「アンバー」

まずは色の薄いアンバー。メープルシロップ特有のコクが感じられます。アンバーが日本で言ういわゆるメープルシロップで、一番流通しているそうです。

料理におすすめ「ダーク」

それに比べるとダークは濃く、深みがあります。まるでカスタードプリンのカラメルのよう。料理の調味料としておすすめです。

まるで黒蜜「ベリーダーク」

一番濃いベリーダーク。甘くて苦くて黒蜜のよう。日本人にはなじみのある味です。

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3種類が食べ比べできるセットは1350円。クインビーガーデンのネットショップで買うことができます。

■店名 クインビーガーデン直売所
■住所 静岡市清水区馬走北2-8
■営業時間 9:30〜16:30
■定休 土・日・祝
■問合せ 054-345-3320

【もっと詳しく】クインビーガーデンのウェブサイト

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