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せつなく悲しい運命の女性をしのぶ「お吉祭り」開催 下田市

桜のもとであでやかに行われる「お吉」の供養祭。毎年3月27日に開催されますが、お吉がどんな人物だったか知っていますか。幕末の混乱の中、あまりにも悲しい運命をたどった女性でした。

「お吉祭り」はどんなお祭り?

毎年3月27日、静岡・下田市のお吉ヶ淵と宝福寺で、開国史の悲劇のヒロインお吉の供養祭がとり行われます。

お吉ヶ淵では、下田芸妓衆や観光関係者による献花が行われます。芸能大会では観光客も、芸妓衆の踊りを無料で鑑賞できます。

お吉ヶ淵法要 10:00~
宝福寺法要  10:45~
芸能大会(下田市民文化会館小ホール) 11:30~14:30
グルメ広場(宝福寺駐車場にてテイクアウト販売) 10:00~15:00

最後は命を絶ったお吉の過酷な運命

奉行所の命で米国総領事ハリスに17歳で仕え、その後さすらいの人生を送ったお吉は、1891年(明治24年)のこの日、我が身の苦悩に耐えかね、お吉が淵に身を投じ数奇な一生を終えました。享年51でした。

奉公のために恋人で船大工の鶴松と別離し、奉公後は世間から「唐人」という名でさげすまれてしまいました。しばらく横浜へ移り住んだ後に再び下田に戻り、髪結い業や小料理屋「安直楼」を開業しましたが、不振に終わりました。

サザンの曲にも歌われたお吉

身寄りのないお吉の亡骸を引き取り供養したのが当時の宝福寺の住職でした。現在では新しく墓石も寄贈され、全国のお吉ファンや芸能人が参拝に訪れます。

お吉の悲しいエピソードは、後に多くの戯曲や歌、文学の題材になり、後世に広く伝えられています。最近ではサザン・オールスターズにも「唐人物語」として歌われ、若い世代にも知られるところとなりました。

エメラルドグリーンの海と白い砂浜は下田を代表づける美しい景観。温暖な気候にも恵まれ、四季彩溢れる様々なイベントもご用意しています。また日本最初の開港場として幕末期の文化や史跡も数多く残され、開国のまちとしても魅力となっています。
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