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テレビでも活躍する住田裕子弁護士ですが、実は母親も義母もあともう少しで詐欺にあうところでした。住田弁護士が被害にあいやすいタイプを紹介。それは「良い人」の特徴とも一致するのです。
テレビ静岡で6月18日に放送された「テレビ寺子屋」では、弁護士の住田裕子さんが詐欺の被害にあいやすい人の特徴や、若者が加害者になってしまう“からくり”を話しました。
母親ももう少しで被害に・・・人間不信
弁護士・住田裕子さん:
連日報道されるオレオレ詐欺などの特殊詐欺。被害者は高齢の方が多いです。私の亡くなった母も夫の母も、もう少しで被害にあうという怖い思いをして、そのあと少し人間不信になったようなところもありました。
でも高齢者だけではないのです。18歳、高校生が成人になりました。社会経験の少ない若者に対して、悪の手が忍び寄ります。
みなさんに知っておいてほしいのは、成人になると親の取り消し権がなくなるということです。高額の商品をローンで買いませんかと売りつけようとする。そういうものにうかうか乗ってしまったとき、親が守れないのです。
被害者にならないためには、どうしたらいいのでしょうか?「もう年を取っているから」とか、「若いからしょうがない」ではなく、そこには落とし穴があるのです。
こんなタイプの人が“落とし穴”にはまる
では、どんなタイプの人が落とし穴にはまるのでしょうか。
◆馬鹿にされたくない
「知らないんでしょ?」と言われたら恥ずかしいと、つい分かったふり。良く聞こえないときも、「最近、耳が…」と言いたくないから、ふんふんとうなずいたりする。
◆相手の言うことをよく聞く
そんな教育を受けてきましたよね。真剣に寄り添って、それがマナー。人の道だと思っています。
◆相手に嫌な人間だと思われたくない
ついにっこり。「やっていただけませんか?」と言われたら「嫌です」と言えません。
人間的に良い特性、実はそれが危ないんです。
◆あわてんぼう、うっかり
◆私は強運の持ち主だ
インターネットを見たら「おめでとうございます!抽選に当たりました。あなたは幸運です」などと出て、そんなことが重なるとつい自信を持ちます。
◆本当の友達がいない
一人ぼっち。心を許せる友達がいないと感じる。心の隙間、人の弱みに付け込まれ、優しい言葉が飛んで来たら、しょっちゅう気にかけてくれる人がいたら、コロッと行っちゃいますよね。
つまり、「被害者には誰でもなる可能性がある」ということです。
悪い人は怖そうな顔をしていない
悪い人、だまそうとする人は、怖そうな顔をしていないということを覚えておいてください。
そして加害者。入り口はネットです。いいアルバイトとあると、若い人はちょっとやってみようと思う。
すると「身元を確認するために」とかもっともらしいことを言って、まずは運転免許証のコピーなど個人情報を取られます。
嫌な仕事が来て断ろうとしても脅しです。「もうおまえの情報は知っているぞ、これを断るなら親に言ってやる」など、脅し文句には事欠きません。
本当に入り口は手軽で、軽い気持ちで個人情報を流す。するとがんじがらめになる。
武器は「相談相手」
最近の加害者の若者を見ていて、共通点があるように感じます。相談相手がいないのではないかと。当事者になると意外と視野がせまくなり、よその情報は見えません。
そこを上手に取り込む。相談させないように他との接触を断つのです。
危ないな、怖いなと思ったら、そこで決めずに冷静に考えてください。嫌なこと、恥ずかしいこと、困ったことを相談できる相手を作っておいてください。
世の中で起きている事実を知り、みんなで共有し、悪の手に落ちないように、だまされないように。武器をしっかりと身に着けましょう。
弁護士・住田裕子:兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、検事に。1988年、女性初の法務大臣秘書官となる。1996年、弁護士に転身。テレビ番組などでも活躍。NPO法人長寿安心会の代表も務める。
※この記事は6月18日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。