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段ボールの断面だけで表現された金閣寺に、水に入れてもびくともしない紙。さらには火であぶっても燃えない紙。黄瀬川のほど近くにある特種東海製紙 企業史料館「Pam(パム)」で、知られざる特殊紙の世界をリサーチしてきました。
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段ボールで描かれた金閣寺に衝撃
館内に展示された1枚の作品。

遠目には水墨画のような風情を放った金閣寺の絵ですが、よく見るとその正体に驚かされます。

色は一切使っておらず、段ボールの断面を潰すことで生まれる濃淡だけで描かれた作品なのです。
この作品は、特種東海製紙が主催する「かみわざ大賞」というペーパーアートコンテストの出展作品の1つ。
まさに紙の可能性を感じさせる珠玉の1枚です。
特殊紙の世界へようこそ
今回訪れたのは長泉町本宿にある特種東海製紙の企業史料館「Pam(パム)」。

こちらではペーパーアートだけでなく、一般的な紙とは少し違った“特殊紙の世界”が楽しむことができます。
そもそも、特殊紙とはどのようなものなのでしょうか?

Pam 学芸員・三ツ石沙由理さん:
特殊な原料や作り方をしていて、いろんな機能が付いたものが特殊紙と言われています。水に強い紙、油に強い紙、あとは色や柄の付いた紙も特殊紙になります
例えば手帳の表紙に使われるような“しなやかさ”と“丈夫さ”を兼ね備えた紙や200色が展開されているカラーペーパーも特殊紙に分類されます。
展示室で出会った紙の歴史
特殊紙を使った製品が並ぶ1階の展示室へ移動すると、特種東海製紙の三島工場が創業から100年の間に手掛けてきた特殊紙がアーカイブされていました。
中でも目を引いたのが大正15年の株券。偽造防止技術として“透かし”の機能が付いていて、繊維が少ないところが透けて見えるようになっています。

さらに、レミントン統計カードという展示品は穴を開けることで情報を記録する情報用紙で、マークシートなどの先駆けとなったものです。
広報担当によると、昭和初期に行政機関などで事務や会計業務を簡素化させるため、情報インプット用紙として使われていました。

他にも圧着はがき(三つ折りはがき用紙)には特殊なのりが塗られていて、圧をかけてくっつけることで一度剥がしたら戻らないという仕組みになっているそうです。
さらに「Mr.Jeans」と名付けられた特殊紙も展示されていて、広報担当によると、紙の材料に粉砕したデニム生地の繊維を混ぜ、ジーンズの色合いに着色されています。

3種類の特殊紙を使って“すごさ”を検証!
ここからは特殊紙の開発室・秋山宏介 室長にバトンタッチして、実際に3種類の特殊紙について実験させていただきました。

用意してもらったのは水に強い紙、油に強い紙、燃えにくい紙の3種類。

まずはミキサーを使って耐水紙の性能を検証すると、普通の紙は形がわからなくなるほどに溶けてしまったのに対し、耐水紙は形状がまったく崩れませんでした。

開発室・秋山宏介 室長:
(通常の)紙の特徴なんですが、繊維同士が水を介してくっついてるだけですので繊維に戻る
この耐水紙がどのような場面で使われているかというと、シャンプーやキッチン周りのラベル、お酒のラベルなど、水に濡れて剥がれると困る製品に用いられているとのこと。
続いては耐油紙。
紙は通常、油が染みやすい素材ですが、耐油紙はまったく染みていきません。

開発室・秋山宏介 室長:
蒸気は通過するけれど油は通さないという
こちらはホットスナックの包み紙などに使用されるそうです。
そして、最後は耐熱紙。
普通の紙はどんどん燃え広がっていきますが、特殊な繊維を使った耐熱紙の場合、ライターであぶっても焦げはするものの火はつきません。

こうした耐熱紙は家電などの絶縁体として使われています。
私たちの生活を陰ながら支えている特殊紙。
100年の歴史と最先端技術が凝縮された「Pam」に、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?
なお、入館には事前予約が必要です。
■施設名 Pam
■所在地 長泉町本宿437
■開館時間 午前10時〜午後4時30分
■休館日 土・日・祝
■入館料 無料(予約制/HPから予約可)
■問合せ 055-988-2401
■駐車場 あり(要問い合わせ)
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