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【難読地名】平田町と書いてなぜ「なめだ」? 浜松市民の記憶に刻まれた“開かずの踏切”があった場所

今回リサーチするのは、浜松市内にある「平田町」という地名。ちょっと変わった読み方をします。その由来を調べていくと、かつて広がっていた田園風景が浮かび上がってきました。

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「平田町」と書いてなんと読む?

JR浜松駅から西へ歩いて約5分、JRの線路の北側で、千歳町や旅籠町に隣接しているのが「平田町」です。

平田町の地図

思わず「ひらたちょう」や「ひらたまち」と読んでしまいそうですが、そこは難読地名なので、そう単純ではありません。

まず浜松駅前で市民への聞き込み調査からスタート。ところが始めて早々、1人目の女性が即答しました。

浜松市在住の女性:
「なめだ」じゃないですか?

そう、平田町と書いて「なめだちょう」。

話を聞いたみなさんは知っていて、「昔から浜松に住んでいると、こうした町名は自然と耳に入ってくる」と言います。

なめだちょう 平田町

「開かずの平田踏切」の記憶

なぜそんなに大きな町ではない平田町を知っているのか、実は60歳以上の浜松市民にとって「平田」はよく耳にしていた地名なのです。

浜松在住の男性:
僕らはもう子供の頃から平田の踏切と言ったら「開かずの踏切」として超有名でした

「なめだの踏切」について教えてくれた男性

みなさんの記憶に「平田」がよく残っている理由は、かつてこのエリアに存在した「平田踏切」が大きく関わっています。

当時は1日で10時間以上も交通が遮断されていたといいます。1979年に廃止されましたが、今でも鮮明に記憶している人が多いようです。

さらにこの男性が、地名の由来を知っていると言います。

浜松市在住の男性:
ここらへんは畑がいっぱいあったから、なめらかな田園で「平田=なめだ」になったと思います

なめらかな、平らな田んぼが広がっていたから「なめだ」という説が浮上。男性は「このへんの独特の読み方ではないか」とも語りました。

現地「なめだちょう」へ!

聞き込み調査を終え、いよいよ「なめだちょう」の現地調査へ。アーケードの商店街が広がるエリアに到着しました。

平田町の中心的な通り

街を歩くと、電柱には「平田町」「なめだ大通り」と書かれた看板が。

薬局の店名にも「なめだ店」の文字を見つけました。読めないからか、ひらがな表記にしているお店も多く見られました。

電柱の看板に「なめだ」の文字

明治創業の製餡所で見つけた冊子に答えが

商店街を歩いていると、あんこ店がありました。1899年(明治32年)創業の「内藤製餡所」で、創業127年の老舗です。※内藤製餡所は2026年5月閉店。

平田町にある内藤製餡所※2026年5月閉店

店の虫鹿敬子さん、夢音さんに住所を確認すると、「“なめだ町”ですね」とすぐに答えてくれました。

120年以上にわたって、この平田町でお店を続けているということです。

さらに、地域の歴史をまとめた冊子を見せてくれました。冊子のタイトルは「県居翁のさと 愛称標識」です。この地域の地名のいわれをまとめた冊子です。

その冊子には、平田町の由来についてこう記されていました。

「ナメダという町名の由来は、ナメシ田が転じたものとか、ナメリ田がなまったものとか、平らな田園が広がっていたためなどと諸説がある」

内藤製餡所・虫鹿敬子さん:
なめした感じ、平らという意味ではないかと思います

愛称標識の冊子に書かれた平田町の説明部分

遠州の方言「なめす」の意味とは

冊子に出てきた「ナメシ田」の「なめす」という言葉は、一般的に「動物の皮を柔らかく加工する」という意味で知られています。

しかし、遠州地方の方言では「なめす」というと「地面を平らにする」という意味を持つこともあるそうです。

そのため、平野に広がる田んぼを「なめしだ」と呼ぶことがあり、地名として「なめだちょう」が残ったと考えられるそうです。

地名を探れば歴史がわかる! 知らないと読めないこの地名には、遠州地方の方言と、かつて広がっていた平らな田園風景の記憶が刻まれていました。

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