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卒業シーズン、使い終わったランドセルをどう扱うか悩んでいる家族は多いはず。静岡・富士市にあるレザー工房「ラディアント」を訪ね、6年間の思い出を新たな革製品によみがえらせるリメーク法を調査しました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ夫婦で立ち上げたレザー工房「ラディアント」
東名高速道路・富士ICから北に車で約5分、富士市伝法にその工房はあります。
富士市生まれのレザーブランド「ラディアント」。

代表を務めるのは井出将矢さんです。ラディアントは、妻の千風優さんと2人で立ち上げたレザーブランドです。
現在は、松下茉尋さんと平井斗与香さんの2人のスタッフと共に4人で運営をしています。
松下さんは将矢さんの高校の同級生でもあるそうで、アットホームな雰囲気が伝わってきます。

ラクダのロゴがトレードマークのレザーブランド
ラクダのロゴがトレードマークの「ラディアント」。カラーバリエーションが豊富で、デザインも個性豊かです。
なかでもメインの商品は「コインケース付きマネークリップ(3万3000円~)」。

お札やレシートをクリップで止めるシンプルなスタイルが特徴です。
ラディアント・井出将矢代表:
ある程度挟んでも厚みが出ないのが、この財布の売りです
お札が挟まれている状態で閉じてみると、かなり薄くてコンパクトでした。

カラーは、現在約25色の中から選ぶことができます。さらに、糸の色やボタンなど細部まで好みに合わせられるセミオーダー財布です。
そのこだわりと品質が支持され、ブランド立ち上げから約5年で、北海道から沖縄まで全国にファンを持つレザーブランドへと成長しました。
現在はオーダーが殺到し、半年待ちの状態だといいます。

ランドセルのリメーク「六年工房」
そんな注目のレザーブランドが春から「六年工房」という名前で始めたのが“ランドセルのリメーク”です。
作業中のランドセルを見せてもらいました。工房の作業台には、依頼を受けたラベンダー色のかわいいランドセルが置かれています。

そしてカットされたランドセルのフタ部分と、キャメル色の財布。
一見すると普通の財布に見えますが、実はランドセルの一部が使われているのです。
リメークのポイントは“財布の内側”にあります。

財布を開いてみると、鮮やかなラベンダー色の革が現れました。内側にランドセルのフタ部分の革を使っているのです。さすが、センスがいい!
ラディアント・井出将矢代表:
内側に思いを込めるという意味があります

表側はラディアントが通常の商品に使っている「ネブラスカ」というイタリアンレザーです。
表からはわからないけれども、開くたびに6年間の記憶が顔をのぞかせます。
財布の他に、キーケースにリメークすることもできます。

ランドセルの革には、6年間でできた細かな傷があります。
これもまた思い出であり、リメーク時に生きてきます。それこそが「一点もの」の証なのです。

さらにペンケースやキーホルダーなどにもリメークできます。
思い出を本人だけが使うのではなく、家族みんなで共有できる物にリメークできるのも魅力です。

ランドセルリメークの価格
気になるリメークの値段は、財布が4万円、キーケースが2万5000円、ペンケースが2万2000円。それぞれキーホルダー付きです。
ひとつのランドセルから、2〜3点の製品を作ることができるそうです。

きっかけは「もったいない」という気持ち
なぜランドセルのリメークを始めたのでしょうか。そのきっかけを将矢さんに聞きました。
ラディアント・井出将矢代表:
娘が小学校に入学して、ランドセルをおじいちゃんに買ってもらったんですが、6年間で使わなくなるともったいないなと思ったんです

周りからも、ランドセルを捨てたいけど捨てられないという声をたくさん聞き、財布などにリメークできないかと思ったそうです。
ラディアント・井出将矢代表:
富士・富士宮をメインに、地元で育った小学生の6年間の思い出のランドセルを、地元の職人がリメークして、また地元で輝かせたいと思いました

一緒にブランドを支えるスタッフたちも、話を聞いて共感したといいます。
「私も子供が3人いるので、やってみたいと思いました」と話すスタッフの平井さん。松下さんも「3歳の息子が6年生になるまでに技術を磨いて、自分で作りたい」と話します。

妻の千風優さんも、思いは同じでした。
ラディアント・井出千風優さん:
長女が1年生になって1年経ちますが、それだけでもいろいろな思い出があったので、財布にしたら使いたいなと思っています
何色のランドセルが欲しいか聞いてみると「むらさき」と教えてくれたのは、次女の七乃葉ちゃんです。入学したら紫色のランドセルに、いっぱい思い出を詰め込んでいくことでしょう。

ラディアント・井出将矢代表:
使い終わったランドセルが行き場を失うことなく、思い出を残す。プラス使ってもらう。これを伝えていきたいと思っています
押し入れの奥に眠るランドセルに新しい命を吹き込む「六年工房」の取り組みは、まだスタートしたばかり。これから新たにどんな思い出の品が生まれていくのか楽しみです。
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