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静岡・焼津市は「ラジオ体操のまち」と呼ばれています。夏休み以外も365日老若男女がラジオ体操に参加していて、中には1万5600回の記録を持つ猛者も。焼津市とラジオ体操にどのようなつながりがあるのか。歴史を調査しました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ朝6時からラジオ体操会場に集まる人々
朝6時。焼津市内のラジオ体操の会場となっている駐車場へ向かいました。
テレビ静岡・大森万梨乃アナウンサー:
高齢の方もいれば、子供もいます

会場には大きなラジオが設置され、ラジオ体操の参加者と思われる方が集まって来ていました。
参加者の手にはスタンプカードが。ハンコを押してもらい、始まるまでの時間を過ごしています。
まるで夏休みの早朝のような光景でした。

午前6時半からの放送が始まると、約60人の参加者が一斉にラジオ体操を始めます。ラジオ体操第1から第2まで、熱心に取り組んでいました。

子供から大人まで、一斉に朝早くから元気に体操する姿は圧巻です。
焼津とラジオ体操 40年以上の歴史
「焼津市ラジオ体操連盟」という組織で会長を務めている方を会場で発見。焼津市が本当に「ラジオ体操のまち」なのか聞きました。
焼津市ラジオ体操連盟・石垣保津美 会長:
本当です。1981年にNHKが焼津に公開収録に来ました。その時に連盟を作ったのが始まりです

焼津市とラジオ体操のつながりは2025年で44年にもなります。1981年に行われた公開収録がきっかけで、ラジオ体操への関心が高まったそうです。
その人気は今でも衰えることなく続いています。

焼津市民のラジオ体操への愛は非常に深く、70カ所以上の会場に毎朝市民が集います。
こちらの会場では365日休みなく、雨の日にも建物の屋根の下でラジオ体操をしているそうです。
ラジオ体操に参加する理由
焼津市の皆さんがラジオ体操に熱中する理由とは一体何なのでしょうか。
ラジオ体操歴3年とラジオ体操歴30年の参加者にラジオ体操を始めて良かったことを聞きました。

ラジオ体操歴3年の参加者:
朝のさわやかな空気がとても心地良いですね。幅広い年代の方が来ていますから、子供から高齢者までの一体感というのがとてもいいですね
ラジオ体操歴30年の参加者:
健康にもいいし、朝運動するので朝のご飯もおいしいです
ラジオ体操のおかげで、健康的に過ごせるという方が多くいました。
子供たちが来たくなる表彰制度
焼津市ではラジオ体操の参加回数に応じて、表彰を行っています。これが子供たちがラジオ体操へ参加したくなる動機にもなっています。

6歳の子供の父親:
子供が2~3歳の頃から一緒に来ています。1000回参加しました。毎朝ちゃんと起きるので、朝からしっかり運動ができるというのはいいと思います
さらに驚くべきことに、4歳の頃から参加している6年生の子供は2000回を達成していました。

2000回参加を達成した6年生:
朝起きるのは大変でも、やるとスッキリします。毎日行って2000回できたからとてもうれしいです
最多参加は1万5600回以上
40年以上の歴史を誇る焼津市のラジオ体操。中には驚異的な記録を持つ方もいます。
参加回数が一番多い方の記録は、なんと1万5600回! 石垣会長の夫が最高記録保持者でした。

焼津市ラジオ体操連盟・石垣晋さん:
毎日やると体は違いますね。習慣になっています。継続は力なりといわれてね。体操をやらないと一日が始まらないという感じです
ラジオ体操が、生活の一部として根付いていることがわかりました。
「やいづ賞」を創設し市を挙げて支援
焼津市はさらにラジオ体操を盛り上げようと、2024年に新たな賞を創設しました。

焼津市 スポーツ課・小泉富広 課長:
毎年7月に「心のふれあい 親子ラジオ体操会」とあわせて、優良出席者表彰式をやっています。2024年に行われた40回の記念大会の時に812回、812は「やいづ」の語呂合わせで、「やいず賞」を作りました
812回ラジオ体操をした参加者に贈呈される「やいづ賞」。もう少しで1000回だという励みにもなります。市としても、ラジオ体操を盛り上げる活動を積極的に行っていることがわかりました。

早朝から元気に集い、世代を超えて体を動かす焼津市のラジオ体操。40年以上続く伝統は、健康づくりと地域の絆を育むすばらしい取り組みです。
毎日休まず続ける市民の皆さんの姿に、継続することの大切さを教えられました。
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