目次
静岡・御前崎市、御前埼灯台の近くに、ちょっと変わった民宿があります。一歩足を踏み入れると、そこはまるで水族館。熱帯魚が優雅に泳ぐ水槽が並び、食事では御前崎の旬の海の幸が豊富に味わえる「割烹民宿 聖火(せいか)」を訪ねました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ民宿の玄関で迎えてくれる魚たち
早速、御前崎市にある「割烹民宿 聖火(せいか)」を調査していきます。

場所は東名・相良牧之原ICから車で約30分南へ。海沿いを走るサンロードから一本入った通りにあります。
玄関に入ってまず目に飛び込んでくるのは、数種類の小さな魚が泳ぐ水槽です。魚がお客さんを出迎えてくれます。

そして、さらにロビーには驚きの光景が広がります。
大きな水槽の中を悠々と泳いでいるのは、なんと大きなアロワナです。

水槽の底には黒い体に斑点が連なる美しい模様の「ダイヤモンド・ポルカドット・スティングレー」と呼ばれるエイがいます。
民宿のロビーですが、水槽が引き立つように暗く照明が抑えられていました。

ちょっと心配になった、にむらあつとリポーターが聞いてみました。
にむらあつとリポーター:
ちなみにこれは食べる魚ではない?
聖火・佐藤洋文さん:
食べられると思うんですけど、うちでは出してないです

観賞用とのことで、一安心です。「割烹民宿 聖火」はアクアリウムを楽しむことができる民宿なのです。
熱帯魚のミニ水族館
佐藤さんの案内で、広々とした廊下を宿の奥の方に進むと、入り口に「ミニ水族館」と書かれた扉を見つけました。

早速入ってみると、中には大きな水槽があります。ここでは観賞用熱帯魚を飼育しています。
聖火・佐藤さん:
20種類くらい、数で言えば50匹くらいです

長いひげを持つアマゾンにいそうな魚を見つけました。「レッドテールキャット(アルビノ)」というナマズです。
聖火・佐藤さん:
2025年の1月に買った魚で、当時は3cmでした

3cmの稚魚が、1年も経たないうちに大きく成長しています。
佐藤さんが特に見せたいのは、特定外来生物に指定されている「スポッテッドガー」。

届け出を出して許可をもらうと、特定外来生物も飼育することができるそうです。
水槽の側面には、魚のイラストとともに特徴が書かれた手書きのカードが設置されており、まるで本物の水族館のようです。

「もう増やさないようにはしています」と佐藤さん。好きが高じてここまで大規模になってしまいました。
は虫類まで!? こだわりの飼育スペース
実は魚だけではありません。この部屋では、は虫類も飼育されています。
緑色の体を木の枝に絡ませ、葉っぱの色に擬態した「カメレオン」です。

そしてオレンジ色の斑点を持つ「トッケイヤモリ」というヤモリも。このヤモリはまだ成長途中で、これからさらに大きくなるそうです。
「店に行くと売っているんです」と佐藤さん。は虫類にまで手を出してしまった理由は、意外と単純でした。

これだけの生き物がいながら、宿泊客は追加料金なしで自由に見学できます。
宿泊前や食事の前後に、ゆっくりと生き物たちを観察できるぜいたくな時間が待っています。
天然鉱石のミネラル泉でリラックス
魚を見て楽しんだ後は、天然鉱石を使った肌に優しい滑らかなミネラル泉でのバスタイム。

旅の疲れをゆっくりと癒すことができます。
御前崎の旬が詰まった「まんぷくコース」
そして、いよいよ魚を食べて楽しむ時間です。人気の「まんぷくコース(1泊2食付2名・1万5500円~)」です。
テーブルに並んだのは、今が旬の御前崎のご当地食材。お刺身、カニ、イセエビ、そしてキンメダイの煮付けと、豪華な品々が目の前に広がります。

地元の新鮮なカツオ
気になったのは、他の刺身とは別皿で提供されるカツオの刺身です。

聖火・佐藤さん:
別皿にしているのは鮮度が変わってしまうからです。地元のものなので、早めに食べてもらいたいですね
厚めに切られたカツオは、しっかりとしたうま味と脂の乗りが抜群です。
地元でとれたイセエビ
続いては、立派な「伊勢海老の活き造り(2人前)」です。

プリプリとした食感が口いっぱいに広がります。
御前崎では9月の後半頃がイセエビの解禁時期。秋が、最もお得にイセエビを楽しめるシーズンです。
おばあさんの代から受け継ぐキンメダイの煮付け
そして、近くでとれた「金目鯛の煮付け(4人前)」。ホロホロと崩れる身はもちろん、タレが絶品で、ご飯を食べたくなるおいしさです。

聖火・佐藤さん:
甘辛く煮てあるんですけど、おばあさんの代から変わらずやっています
このキンメダイの煮付けは、一番の人気メニュー。代々受け継がれてきた味には、多くのファンがいるそうです。
驚きの価格! “活きアワビ”の踊り焼き
さらに、オプション料理として大人気なのが「活きアワビの踊り焼き(1500円)」です。

ふっくらと柔らかく焼き上がったアワビは、バターじょうゆとの相性も抜群。
驚くのはそのお値段。たったの1500円で、このぜいたくアワビが楽しめるのです。
お客さんの笑顔のために
これだけ豪華な料理を提供し、さらにミニ水族館まで無料で開放している佐藤さん。そのモチベーションはどこにあるのでしょうか。
聖火・佐藤さん:
安く仕入れてなるべく安く出すように心がけています。お客様に喜んでもらえるのが一番いいです

お客さんの笑顔のために、魚の飼育も料理の提供も、すべてに全力で取り組む佐藤さん。その情熱が、この唯一無二の民宿を作り上げているのです。
御前埼灯台近くの「割烹民宿 聖火」は、訪れる人を笑顔にする特別な空間でした。
■店名 割烹民宿 聖火
■住所 静岡県御前崎市御前崎11-41
■問合せ 0548-63-3816
【もっと見る! 御前崎の記事】
