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子育ても“効率”を重視し、「楽で、楽しくて、結果もいい」育児を目指してみませんか。教育評論家の親野智可等さんが「効率の良い子育て」を提案。例えば口うるさく“しつける”よりも、親の背中を見せたほうが効率がいいようです。

テレビ静岡で2025年8月10日に放送されたテレビ寺子屋では、教育評論家の親野智可等さんが「親子が笑顔になる『ずるい子育て』」をテーマに講話しました。
しつけではなく関係づくりから
教育評論家・親野智可等さん:
ビジネスの世界では、より少ない費用・労力・時間で良い結果を出す、つまり「効率が良い」ことを求められます。ところが、子育てに「効率」を当てはめると、「手抜きをしているみたい…」など、あまり良く思われないことが多いようです。
でも、子育てにこそ「効率」が大事なのではないか、「楽で、楽しくて、結果もいい」そんな「効率の良い子育て」を目指してもいいんじゃないか、と私は思います。

例えば、「しつけようとしすぎない」ことです。
あるお父さんがとてもしつけに厳しい方で、特に食事のマナーについて口うるさく子供に伝えていたそうです。楽しいはずの食事の時間がどんよりとした雰囲気になり、子供はだんだん、お父さんのことが嫌いになっていきました。
誰しもそうですが、嫌いな人が言うことは聞く気にならないですよね。その結果、子供は反抗的になり、マナーや生活習慣など、お父さんが願う姿と真逆の方向に行ってしまいました。これでは効率が悪いですよね。

そこでまず大事にしてほしいのは、親子関係を良くすることです。子供が「お父さん、お母さんのことが大好き!」と感じる。
そうすると、人間には「大好きな人のようになりたい」という気持ちがありますから、自然と好きな人の真似をし始めます。親自身が子供に求めるマナーや生活習慣で過ごしていれば、放っておいても親と同じレベルになります。
楽しく親子関係を良くして、その結果しつけもできる。これこそ「効率の良い子育て」ではないでしょうか。
自己決定が幸せへの近道
そして次のポイントは「目指すのは、子供が勝手に幸せになっていくこと」。
ある研究で「大人は何に幸せを感じているのか」を調べたところ、「高学歴」「高収入」に幸せを感じている大人は思っていたより少なく、顕著に多かったのが「自己決定の度合い」という結果がでました。
「子供の頃にやりたい習い事をやらせてもらえた」「進学先、就職先を自分の意志で決めた」など、人生を振り返り「自己決定をした」と思えている大人が最も幸せを感じているんです。つまり、子供が幸せになるためには、自己決定の度合いを高くしてあげればいいわけです。

子供がやりたいことを応援してやらせてあげる。応援してくれる親に子供は感謝しますから、親子関係も良くなる。効率が良いわけですね。
もし、やりたいことがどうしても無理な場合でも、すぐに否定せず、まずは共感してから伝えることも大切だと思います。
親も子も笑顔になる「効率が良い」子育て

子育ては、まず親が楽で楽しいことが大切です。親が大変になってしまうと、そのストレスが子供に向かってしまうこともあるからです。
大きな愛情があるがために空回りして、つい否定的な言葉で子供の自己肯定感を下げてしまったり、親子関係が悪くなってしまう。親も子供も頑張っているのに結果が良くない、つまり「効率が悪い」子育てになっていることが非常に多いです。
親も子供も笑顔になるように、ぜひ発想の転換をして「子育て」にも「効率」ということを考えてみてください。

親野智可等:1958年静岡県生まれ。公立小学校で23年間教師を務める。教育現場で親が子供に与える影響の大きさを痛感。教師としての経験と知識を子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発刊し、評判となる。
※この記事は2025年8月10日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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