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トレーラーハウスと言えばアメリカのイメージが強いかもしれません。しかし実は国産のトレーラーハウスが、いま大進化を遂げています。ホテルや避難所としても利用できそう。ママ防災アドバイザーの髙良綾乃が取材しました。
高いデザイン性で住居、オフィスだけでなく飲食店にも
静岡県沼津市にある建築会社・BuildEast(ビルドイースト)が、2月15日にトレーラーハウスのお披露目会を開きました。
トレーラーハウスはジャッキで安定させていますが、建物の下にはタイヤがついたままです。部屋は必然的に地面から少し高くなります。入り口には階段であがるのですが、それがかえって好奇心をくすぐります。
扉や照明もスタイリッシュ。モデルルームは「飲食店」としてデザインされています。中に入ると縦11m、横3.4mにもかかわらず、想像以上に広々としています。カウンターテーブルが5席。奥にはテーブル8席があり、インテリアもとても上品です。
電気ガス水道も引かれていてキッチンも本格的。もちろんトイレも完備です。ビルドイーストは創業35年の建築会社で、これまでに1000件以上の物件に携わってきたそうです。その経験を生かして自由度の高いデザインが実現できるのが、魅力の1つです。
コスパ良し トレラーハウスのメリット
トレーラーハウスは新たにビジネスを始める人にぴったりです。ビルドイーストによると契約から開業までの期間が約2カ月と短かく、狭い土地でも置けるので、眠っている土地を活用することができます。
本体の参考価格はビルドイーストの飲食店タイプの場合1270万円(税抜き)から。事務所タイプは770万円(税抜き)からです。
移動もできるので、季節によって場所を変えて店を開くことも可能です。
また建物ではなく「車両」なので、許可が下りにくい市街化調整区域にも出店でき、固定資産税や不動産取得税がかからないということです。
ビルドイーストは起業を目指す人のため、このモデルルームを無料で3カ月間貸し出すチャレンジオーナー制度を2023年の春から導入予定だということです。
通常はホテル 災害時は避難所として
さらに、トレーラーハウスの内装をホテル仕様にして数台並べれば、コテージスタイルのホテル経営も可能です。
災害が起きた際には被災地に移動させて、仮設住宅として利用することもできます。実際に西日本豪雨の際、岡山県倉敷市ではトレーラーハウスが応急仮設住宅に使われました。
まちの建物の再建にあわせて、いらなくなればすぐに移動することもできます。復興の妨げにならないのも大きなメリットです。また、これまでの仮設住宅は使用後は取り壊していましたが、トレーラーハウスなら壊すことなく別の地で使うことができます。
ビルドイースト・石澤浩一社長:
デザインを変えれば仮設住宅のほかにも、診療所、託児室、支援者控室、移動式ランドリー、移動式シャワールームなど活用範囲は無限です
高いデザイン性と機動力、法的なメリットなど魅力満載の国産トレーラーハウス。起業だけでなく地域の活性化や復興支援にも活躍の可能性が広がりそうです。