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世界が「飛行機のハセガワ」と呼ぶ模型メーカーの“手の中のリアル”

プラモデル出荷額全国シェア9割超える日本一の「模型王国」静岡県。中でも「飛行機のハセガワ」として世界的に知られる老舗プラモデルメーカーが焼津市にあります。世界が注目するリアルさ、ハセガワの「スケールモデル」のすごさとは。

全国各地の隠れた魅力的な商品を集めたというAmazonの「日本ストア」で、静岡県のイイモノを検索。実際に現地を訪れじっくり検証してきました。

難しいからこそ夢中になる プラモデルの魅力

1941年に創業した焼津市のプラモデルメーカー「ハセガワ」。世界的にも「飛行機のハセガワ」として評価を受けるほど、その道に優れた老舗メーカーです。まずは実際に“スケールモデル”と言われるプラモデルを制作してみました。

テレビ静岡アナウンサー・小松建太:
初めて飛行機プラモデルを作ったんですが出来栄えとしてはどうですか

ハセガワ・長谷川勝人社長:
初めてにしては上手じゃないでしょうか。色が塗ってありませんが・・・

組み立てだけで精一杯で、ロケまでに塗装を行う時間の余裕がありませんでした。しかし難しそうな作業も、時間を忘れて楽しむことができました。

長谷川社長:
ものを作るって時間がかかるし面倒くさいと思うかもしてません。ところが作ると意外と集中して没頭できるというか楽しさがありますよね

本物をそのまま小さく リアリティあふれるスケールモデル

“スケールモデル”とは何かを教えてもらうため、長谷川社長の案内で屋上へ。そこには今回作成した模型飛行機の実物が展示されていました。

小松アナ:
私が作ったプラモデルと一緒じゃないですか。これを小さくしたのが、先ほどの模型ですか

長谷川社長:
そうです。それが「スケールモデル」といいます

スケールモデルとは、縮尺に基づいて忠実に再現した模型のことです。実物と比べて見るとコックピットの中の機械も忠実に再現されていました。

市場規模が縮小 ピンチこそ全力でものづくり

これまで約4000種類の模型飛行機を作ってきたハセガワ。しかし、飛行機をはじめプラモデルの市場はテレビゲームなどの躍進に押されてしまいました。

そこで10年ほど前から飛行機にとらわれず、あらゆるジャンルでの商品開発をハセガワは始めます。

1/24 ニッサンスカイライン2000GT-R

長谷川社長:
例えば旧車シリーズがいま好調です。うちのメインユーザー40代から60代の方なので、その方たちが子供のころに憧れた車、新しい(プラモデルの)技術で作った古い車を見たいという声が非常に多いです

車のボディはもちろん、裏側・シャーシの部分まで忠実に再現。他のメーカーはここまでやっていないと社長は話します。

また、リアルなプラモデルづくりを支えている1つが設計です。数年前まで2D・平面図で行われていましたが、いまではすべて3D・立体図です。よりリアルな製品を届けるために日々進化し続けています。

夢は世界に向けたプラモデル博物館

一から組み立てるプラモデルを通じて、一人でも多くの人にものづくりの喜びを感じてほしいと長谷川社長は話します。

長谷川社長:
プラモデルは、子供から大人まで、作ってみれば面白いし何か発見がある。その発見が自分のものになり、喜びを得られるのだと思います。いずれ世界に向けたプラモデルの博物館を作ることが私の今の夢です

今回プラモデルの組み立てに延べ約10時間かかりました。最初はパーツの細かさに、本当にできるのかと不安になりましたが、徐々に完成していくことが楽しく、日を追うごとに没頭していきました。
何より完成したときの達成感。プラモデルを支える作り手のこだわりと、思いを感じました。次は塗装までチャレンジしてみようと思います!

※この記事は2023年1月25日にテレビ静岡のただいまテレビ内で放送された『いろいろイイモノしずおか』をもとにしています。

テレビ静岡アナウンサー。スポーツを主に、静岡県内の取材を幅広く担当。TVer配信番組『おかずクラブのただいま日和』ナレーション担当。愛猫は9歳のハチワレ"だいず"と3歳キジトラ"でで"。