甘酒をはじめ、“しょうゆ”や“みそ”などの発酵食品の原料となるのか「麹(こうじ)」です。健康志向の高まりで再びこうじが注目されています。美容の分野でもこうじの効能に期待が高まり、化粧品にも利用されているんです。
まずは明治23年創業の静岡県藤枝市にあるこうじの老舗「萩原こうじや」で聞きました。昔ながらのこうじを作り続けて130年以上。こうじは、ふかしたお米に菌をつけて発酵させることでできるもの。ショーケースにはずらりと商品が並んでいます。
萩原こうじや・萩原優奈さん:
大体20種類こうじを使ったみそや甘酒、あとは発酵調味料の“塩こうじ”や“しょうゆこうじ”があります。お年寄りや馴染みのある世代の方はもちろん、お子様に健康にいいものを食べさせてあげたいというお客様が増えてきています
来店客:
発酵食品がお腹にいいと聞きました。魚やお肉を柔らかくしたり、味のコクを出すのに使っています
幅広い世代に支持され始めているこうじ。萩原こうじやでは、甘酒も人気商品のひとつです。
萩原さん:
もち米とこうじだけで自然な甘さなんですけど、それだけでお砂糖の代わりになるくらい甘みが出ます
30年以上前から化粧品に配合
こうじは“美容”の分野でも注目されています。美白の専門家、化粧品メーカー・株式会社コーセーの水谷友紀研究員に聞くと、約30年前から「コウジ酸」は美容液や化粧品に配合されていて、長い間注目され続けているそうです。
水谷研究員:
コウジ酸は今から100年以上前にその名の通りこうじから発見されたものです。日本酒などの醸造現場でこうじを扱う職人さんの手が白く、美しいことで注目されました。その後研究が進み、コウジ酸の美白作用が解明されました。シミの原因はメラニンという黒い色素です。コウジ酸はメラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぎます。コウジ酸を使った商品は美容液に加え、化粧水や乳液、シートマスク、さらにはスティックタイプも開発されています
食べ物で内側から、化粧品で外側から、こうじを簡単に取り入れることができる品々が身近に増えているようです。