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カリッとしたフランスパン生地に程よい甘さのあん。個性的なベーカリーカフェが静岡市の三保松原すぐ横の老舗旅館にオープンしました。女将が目指すのは海岸を散策した後、一休みできる一服茶屋です。
看板商品はフランスパン生地の新食感あんパン
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「ベーカリー&カフェ羽衣亭」は、三保松原のすぐ横にある老舗旅館「羽衣ホテル」の一角にあります。2月23日にオープンしたばかりで、この日は営業2日目。開店前に訪れると、外までパンを焼くいい香りがしてきました。中では寺林美希さんがオーブンから看板商品のあんパンを取り出しているところです。
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フランスパン生地のあんパン「三保のマドモワゼル」は1個500円。あんの中にはアクセントとなるアンズが入っています。驚くのはその食感で、外はカリッとしていながら中はもちっとしています。
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羽衣亭・寺林美希さん:
食感にこだわって、高温かつ短時間で焼き上げます
名前はフランスの舞踏家、エレーヌ夫人にちなんで付けられました。エレーヌ夫人は三保を舞台にした能「羽衣」に魅せられ、パリ公演に力を注ぎます。しかし三保松原を訪れる前に亡くなりました。エレーヌ夫人と三保松原、フランスパンとあんこ。どちらも異色のマリアージュです。
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やぶを切り開いてベーカリーに
この場所にベーカリーをと考えたのは、羽衣ホテルの名物女将、遠藤まゆみさんです。世界遺産になってから旅館の裏手にはバス停や臨時駐車場が新しくできました。そこで、観光客が一服できる場所をと、パンやスイーツ作りが得意な寺林さんに声をかけました。
羽衣ホテル・遠藤まゆみ女将:
ここは庭園の奥の“やぶ”だった場所を切り開いて作りました。松林を歩いて疲れたら、ここで一息ついて、甘いもので疲れを癒やしてほしいです
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ケーキも紙に包んで食べる“羽衣亭スタイル”
メニューは女将と寺林さんで考えています。「羽衣亭特製人参ケーキ」はショウガやカルダモン、伊予柑が入っていて、ほんのりスパイシーです。パンもケーキも紙に包まれて出てくるのが羽衣亭スタイル。大胆にそのままかぶりつくこともできます。
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「和風クロワッサン」はサクサクのクロワッサンにあんこ、生クリーム、地元・久能産のイチゴをのせた“映える”一品。季節ごとにフルーツを変える予定です。
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他にも「ヨーグルトレーズンケーキ」や、「三保のたまごプリン」などがあります。
遠藤女将:
今度は甘いものが苦手な人の軽食に、黒はんぺんフライとワサビマヨネーズをクロワッサンに挟んで出そうと考えています。
話を聞いている間にも女将の頭には次々とアイデアがわいてくる様子でした。
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値段はオール500円 お釣りいらずで人手をかけない
女将と寺林さんだけで切り盛りしているため、羽衣亭は日曜日を中心に不定期営業です。昼頃パンが焼けたらオープンし、午後3時頃には閉店します。
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どの品も全て値段は500円に統一。お釣りを用意したり計算する手間を省くための、人手をかけない工夫です。飲み物もコーヒー、三保産シークワーサージュース、バナナスムージーが全て500円。緑茶はセルフサービスで無料です。
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席は屋外のみで、梅の花の下にイスやテーブルが置かれています。人が多いメインの通りからは離れているので静かな時間が流れ、ついつい長居してしまいそうです。
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“チーズケーキ好き”が作るチーズケーキ
手際よくパンを焼いたり接客もこなす寺林さん。1月に羽衣亭に来る前は、携帯電話ショップの店員でした。飲食の仕事は初めてですが、昔からパンやスイーツを作るのは得意だったそうです。
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特にチーズケーキが大好きで、さまざまな店を食べ歩きました。そんな寺林さんが作る羽衣亭のチーズケーキは、シナモンがほんのり香る自信作。研究の末にたどり着いた「絶妙な材料の配分」だということです。
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「羽衣の松」近くですが 見つけるのがちょっと大変
看板などを出していない「ベーカリー&カフェ羽衣亭」。見つけるのがちょっと大変で、迷ってしまうかもしれません。
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羽衣ホテルの玄関を右に見ながら敷地には入らず、羽衣の松へ向かう道を登ります。途中で右手に現れる細い道を入り、庭園への門(現在閉鎖中)を通り過ぎます。
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そのまま舗装されていない道をしばらく歩きます。バス停と臨時駐車場が見えたら右手がベーカリーです。
世界遺産に誕生した隠れ家ベーカリー。観光だけではなく、ここだけの味を求めて三保松原を訪れる人が増えるかもしれません。