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注文を受けてから焼く もちもち柔らか「笹子本舗」のこだわり団子 静岡・富士市

団子を注文するとその場で焼いてくれると評判の菓子店「笹子本舗」。創業57年、団子へのこだわりと、「苺だんご」などの限定商品を調査してきました。

静岡県富士市の国道1号線にある「道の駅富士」から300mほど離れた場所に店はあります。団子の種類が豊富でおいしいので、手土産にもよく利用されると聞き、早速訪れてみました。

店舗に入り、まず目に入るのは煎餅。その奥にシューロールやどら焼きなどの和洋菓子があり、目差す団子コーナーは右手にありました。

笹子本舗は煎餅などを同じ敷地内の自社工場で製造する「岩本製菓」の店で、団子だけでなく、いろいろなお菓子を買うことができます。岩本製菓はJR興津駅のすぐ近くにある、団子のテイクアウト専門店「焼きたてだんご屋 ささご」も運営しています。

ちょっと“平べったい”が、おいしい

かつては愛知県で煎餅を売り歩いていたという現在86歳の先代社長が、1966年に現在と同じ富士市五貫島に米菓工場を建て米菓製造販売卸として岩本製菓をスタートさせたのが始まり。

その後、煎餅だけでなくお米を使った他のお菓子も作ろうと考えて団子が登場。1978年に自社小売店として、笹子本舗の営業を開始しました。現在では洋菓子も販売しています。

そして2017年、少しお話ししただけでも優しい人柄が伝わってくる2代目社長が事業を引き継ぎました。

毎朝5時前に起きて社長自ら作るこだわりの団子は、1本に4つ。まんまるではなく少し平べったい形で、柔らかくモッチモチです。

岩本製菓・岩本 哲郎社長:
平らになっている理由は団子を焼くときに均等に火が入りやすく、あんをのせやすいから。柔らかさの秘訣は、お米をよくついて冷めないうちに仕上げることです

保存料は使わず国産のうるち米だけで作っているため、その日のうちに食べないと固くなってしまうそうです。遠方へのお土産や地方への発送は難しそうですが、近くに住む人だけが手にすることのできる味わいです。

その場で焼く香り こみ上げる“衝動”

注文を受けた後に店舗で作るため、混雑しているときは少し待ち時間がかかりますが、出来立ての団子は格別。焼きだんごをお願いすると、奥から団子を焼く香ばしいにおいがしてきて、今すぐ食べたい衝動に駆られるはずです。

種類が多いのも魅力の一つ。定番品に加え、季節限定品のバリエーションも豊かです。2023年3月現在は定番が13種類、期間限定が5種類販売されています。

定番団子

みつ(みつ/みたらし)

「みつ」はたれが甘く、「みたらし」はサッパリしょうゆ味。どちらもしょうゆの風味が感じられて、焼いたときの香ばしさも加わり絶品。たれは継ぎ足して作られている昔ながらの味。

あんこ(つぶあん/こしあん/白あん/うぐいす/二色あん)

北海道産の小豆を使用した、「つぶあん」と「こしあん」。他にも「白あん」と「うぐいすあん」があります。迷う方には二色あんがオススメ。4種類のあんこから好みの2種類を選べるのが嬉しいです。

みそだれ

中でも個人的にオススメなのがみそだれ。みその香ばしい風味と五平餅のような、こってりとした味わいがクセになります。

加えて2月にお披露目したばかりの定番最新作「黒糖だんご」は、沖縄県多良間島の黒糖を使用しています。

「黒糖だんご」と「草だんご」は、甘さ控えめが好みの方はそのまま。逆に甘党の方はあんこを追加して、引き立つおいしさ楽しむこともできます。

他にも、「大江戸」「のりふぶき」「ごまだれ」があります。

期間限定団子

2023年春の限定品は「三色だんご」「苺だんご」「桜あん」「よもぎあん」です。

また、夏以外に販売されている「おかかだんご」も。おかかのうま味と甘辛いみたらし、ふわふわ感が相まって絶品です。

他にも季節により「レモンあん」「焼き芋だんご」「生姜あん」「シャインマスカット」などがあります。異なる味に出会えることも、何度もお店に足を運びたくなる理由の一つです。

現在も社長夫妻は5月の連休明けにむけ、季節の新商品を考えている最中とのこと。四季折々の団子を楽しんでもらえるように、季節ごとに今まで販売したことがない新作を生み出す挑戦をしています。

すると、「お団子を食べて、初めておいしいと思えた」と若い世代の方に言ってもらえたり、「こんな味を食べてみたい」と声をかけてもらい、それが新商品のヒントになることもあるそうです。

洋菓子もチェック「シューロール」が人気

洋菓子のなかでは、シューロールが特に人気があるそうです。シューが厚めで、一般的なケーキ店のロールケーキより一回り大きいサイズです。

中でも一番人気はプレーン。家でフルーツを乗せるなどのアレンジも楽しめます。ボリュームがあり生地はしっとりふわふわ、クリームは甘さ控えめな優しい味わいで、年代を問わずに好まれそうな印象を受けました。

お土産にもオススメ もう1品買うならコレ 

自社工場で製造している煎餅は、駿河湾産のサクラエビやシラス、ワサビなど地元の食材を取り入れた商品が多いのが特徴です。道の駅やサービスエリア、催事場だけでなく、インターネットでも販売しています。

【購入する】sasagoのかるせん(外部サイトへ)

「かるせん」は、独自の製法で作り上げた新食感の煎餅。揚げてありサクサクと軽い食感で、触っても指がべたつかないのが嬉しいです。

サクラエビかるせんは、淡い桜色。シラスかるせんは白くてネギが入っています。子供のおやつにも喜ばれそうな、素材の味わいを生かした優しい味つけです。

金目鯛かるせんは、ぜひお酒のお供に。なぜなら、焼いた金目鯛を生地に練り込んであり、味つけは濃いめでピリッとした唐辛子の辛さがアクセントになっているからです。
どちらのかるせんも、さくさくふわふわと優しい口当たり。食べ始めたら止まらなくなりそうです。

最後に「わさびせんべい」は、わさびの辛さが鼻にツーンと抜ける、パンチのある大人の味。全国菓子大博覧会で金賞を受賞したこともある昔からの人気商品で、かるせんとセットになった商品も販売されています。

また運が良ければ、店舗ではお得な価格の「われせん」を手にすることができますよ。

これから訪れる花見シーズン、甘い幸せに包まれる団子と、しょっぱい煎餅の組み合わせをお供にして楽しんでみませんか。

文・撮影/山口真未 撮影/加藤香織 

笹子本舗

 
住所静岡県富士市五貫島85-2
営業時間08:30〜18:30
定休日無休
駐車場8台
電話番号0545-64-6551
ウェブサイトhttps://iwamoto-seika.jp/
静岡・富士市に移住してきた人と、もともと住んでいた人がつながり、助け合いながら仕事をシェアして働く同志の集まりです。
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