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子供時代の仲間関係は意外と大切 それは集団のルールを学ぶとき【テレビ寺子屋】

子供が健全に育つために大切なものの1つとして、友人関係があります。仲間同士で隠語を使ったりもしますが、友達に認められ仲間内のルールを尊重することは、実はとても大切なことなのです。

2月4日に放送されたテレビ寺子屋

テレビ静岡で2月4日に放送された「テレビ寺子屋」では、児童育成協会理事長の鈴木一光さんが、成長する過程で大切な子供時代の人との関わりについて語りました。

親ができることには限界が

児童育成協会 理事長・鈴木一光さん:
自分の子供や孫が、すくすく健全に育ってほしいと願うのはあたり前のことです。ところが親がしてあげられること、教えてあげられることには限りがあります。子供が健全に育っていく上では、地域や友達関係も大切なのです。

人間は成長過程において、その段階ごとに「発達課題」があります。アメリカの発達心理学者エリクソンが唱えた「人間の発達課題」の一部を見てみましょう。

年齢ごとの発達課題

【乳児期から2歳】
お母さんを信頼できて、何でも許されるこの時期の体験が非常に大事です。他人を信じても大丈夫という「基本的信頼感」が育まれていきます。

【3歳から幼児期】
歩いて世界が広がっていきますから、自由には限界があることを教えていかないといけません。「このくらいのことはもうさせなくては」というような客観的な視点が大事です。これが「しつける」ということで、「基本的生活習慣」を身につけさせていきます。

【学童前期】
この時期大事なのは「家族集団」です。家族の一員として役割と責任を持つこと。一つお子さんの役割を決め、責任を持ってやり遂げさせる。簡単なことでいいんです。それが集団で生きていくルールとして大切なことです。

【学童後期】
近隣の「仲間」が大事になります。友達と一緒に協調して何かをする、遊びを作る、何かを持つ。同時にその友達が競争相手にもなってきます。競い合って高めあうことができるということです。

【思春期】
この時期に大事なのは「メンター」、自分の師匠になるような人です。勉強を教えてくれる先生はたくさんいるけれど、人生を教えてくれる先生は少ないのです。自分の憧れの人を目指していくんですね。

さらに、思春期には性の問題も出てきて悩みが複雑になってきますから、自分で考えなくてはいけない。「考えさせる」というのがテーマで、全部親や周りが答えを出そうと思っても無理なのです。生きる練習の初っ端です。

子供時代の仲間関係が重要

小学校高学年以降の子供にとって、「世界」というのは「仲間関係」のことで、大事なのは「自分にとって重要な友達に認められる」ことです。その仲間の文化規範を尊重する。

だから自分たちだけで通じる隠語などを作り、その中に浸っていることに快さを感じます。その集団の中で、大人になって役立つ社会的な役割能力、ルールを身につけます。

それを健全な方向に持っていくというのが、大人の仕事です。私たちが大人になって働くというときに、例えば野球を思い浮かべてください。ファースト、キャッチャー、ピッチャーなど、その能力などによって監督がポジションを決めます。

最初からそれを嫌だと言ったら、その社会に入れません。受け入れて、自分のポジションを一生懸命守りながら、ただボールがどこかへ行った時には、本来のポジションを超えても取りに行きます。

その集団が勝つために自分の全力を出すようになるというのは、仲間時代に培うことです。生きていくために集団の結束力を培うのに、良い友達というのは非常に大事だということです。

鈴木一光:1947年生まれ。明治大学法学部卒業後、児童指導員として日本教育開発センターに。専門は児童福祉、児童館事業。2020年4月より公益財団法人 児童育成協会の理事長を務める。

※この記事は2月4日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

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