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富士山を望む富士市の住宅街の一角に、2月、まつ毛パーマ専門のサロン「lueur(リュール)」がリニューアルオープンしました。子育てをしながら起業した女性の夢は「40代、50代の女性をみんなキレイにすること」です。
子育てママが起業した「まつ毛パーマ専門店」
オーナーは瀬川那美さん。7歳と4歳の男の子2人の子育て真っ最中です。
この日訪れていた客の一人に話を聞くと、月1ペースで通っていて、美容室で髪を切るよりもここに来ることの方が多いそうです。
まつ毛パーマをするようになってから、日々の化粧がとてもラクになったと話してくれました。
lueurは一時は予約待ちの客が140人を超えた大人気店です。
起業わずか3年で、土地を購入し新しく自分のサロンをオープンした瀬川さんの、今に至るまでの話を聞きました。
資格を生かした職との出会い
富士市出身の瀬川さんは、高校卒業後、18年間東京に住んでいました。
美容専門学校で美容師の資格は取ったものの、アパレル会社に就職。事務の仕事などをしていました。
しかし結婚後、1人目の子供を育てているとき、孤独に陥り精神的に追い込まれ不安定な状態に。
それを心配した夫の勧めで、瀬川さんの地元に家族でUターンしました。
瀬川那美さん:
東京での生活が長かったので、自分が生まれ育った町とは言えど生活がガラッと変わりました。ただ、子供を見てくれる自分の親が近くにいるのでとても心強かったです。「働ける環境だ」と思いました
保育園から呼び出しがあっても両親が助けてくれます。周囲の支えですっかり自分を取り戻した瀬川さん。次は、子育てをしながら自分にできる働き方がないかと考え始めます。
苦労して取得した美容師免許を生かしたいと思い、美容師免許が必要な「アイデザイナー」という仕事を見つけました。アイデザイナーとは、まつ毛パーマやまつ毛エクステなど、目元を美しくする仕事です。
2人目の出産からわずか半年後、サロンオープンに向けて準備を開始。第二子が1歳の時に瀬川さんは実家のワンフロアを改装して、まつ毛パーマ専門のサロンをオープンしました。
瀬川那美さん:
自分の好きなことをチャレンジしてみようと起業しました。ゼロからのスタートだったので、自分へのチャレンジという思いで踏み切りました
開業7カ月で新規予約をストップ!
起業の際、頼りにしたのが「ビジネスコネクトふじのみや」です。富士宮商工会議所や富士宮信用金庫、芝川商工会が行っている創業支援サービスで、必要な届け出や集客の方法などを教えてもらい、開業に必要な美容所登録も済ませました。
2020年の3月、実家で自宅サロンをオープン。しかしオープン直後に、新型コロナの緊急事態宣言でいきなりの休業を余儀なくされます。営業再開後は、友人たちにまつ毛パーマを体験をしてもらったり、SNSの発信をしたり、遅れを取り戻すかのように努力を重ねました。
すると、どんどん口コミが広がり客が増えていきます。瀬川さんの人柄もあってかリピート率も高く、わずか7カ月で、新規の客の受け入れをストップするほどになりました。
瀬川那美さん:
当初は子育ての合間の趣味程度にお店をやれたらいいと考えていましたが、新規の予約の受付を待つ人が140人以上になりました。「予約再開はまだか」という嬉しい声を聞いて、新たにスタッフも雇って店を大きくしようと決意したんです
そして2023年2月。従業員も増やし、新店舗をオープンさせることができました。
夢は「女性みんなをきれいに」
瀬川さんにこれからの夢を聞くと、「富士・富士宮地域の40代50代の女性たちをみんなキレイにする」と話してくれました。
40代、50代の女性といえば、子育てが一段落し、ライフステージが変化する頃。子育てに一生懸命だったお母さんたちに、今度は自分を見つめて、セカンドキャリアを始めてほしいと考えています。
目の上にちょこんと生えたまつ毛。たかがまつ毛、されどまつ毛。まつ毛が変われば自信も付きます。瀬川さん生き方が、一歩踏み出そうとする女性の背中を押してくれるかもしれません。
■店名 lueur(リュール)
■住所 静岡県富士市天間1565-5
■駐車場 店舗前に3台
■営業時間 9:30~17:00(最終受付16:00)
■定休日 日・月・祝日
※その他不定休はSNSでお知らせ
lueurのインスタグラム
瀬川那美さんインスタグラム
取材/ほりえかおり