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小児がんで6歳の娘を亡くした鈴木中人さんが、20年以上伝え続ける「いのちの授業」。笑顔の大切さ、心の宝物とは何かを語ります。
テレビ静岡で8月16日に放送されたテレビ寺子屋では、いのちをバトンタッチする会代表の鈴木中人さんが、亡き長女・景子さんとの日々から学んだいのちの輝きと生きる喜びについて語りました。
最後になった誕生日プレゼントは…
私は愛知県に生まれ、妻・淳子との間に長女の景子、弟の康平を授かり、ごく普通の家族として暮らしていました。
ところが、景子が3歳の時に小児がんを発症し、3年間の闘病の末、6歳で天国へと旅立ちました。私はそれ以来20年以上、景子が教えてくれた大切なことを「いのちの授業」として伝え続けています。
景子への最後の誕生日プレゼントはウエディングドレスでした。箱を開けると景子は大喜び。ドレスを着て、かつらをつけて、お化粧をしました。「かわいい!お父さん、写真を撮って!」と最高の笑顔です。
それから数ヶ月後、景子は天国へ旅立ちました。私はドレス姿の写真を見るたび、寂しい気持ちになりました。なぜか景子の顔が笑顔に見えないのです。
弟が見た夢を機に…
そんなある日、康平が夢の話をしてくれました。
「空から階段がおりてきて、のぼったら上にお姉ちゃんいたよ。一緒にゲームやシャボン玉をやったよ。お姉ちゃん、笑顔いっぱいだった」
私は景子の写真に話しかけました。
「泣いているより、笑っているお父さん、お母さんがいいよね」
笑顔はこだまする
その夜、私は夢を見ました。草原にあるすべり台の上に景子がいます。名前を呼ぶと景子は笑顔で振り返って言いました。
「お父さん、わたしは大丈夫だからね」
目が覚めると涙が溢れました。その日から写真の景子は笑顔に見えるようになりました。
景子はつらい時も笑顔でした。それは周りの人が笑顔だったから。笑顔はこだまするんです。子供たちは笑顔のお母さん、お父さんが一番好きです。自分から子供たちに笑顔を届けてあげてください。
命を見つめることで実感できる“心の宝物”
景子は絵本を作るのが大好きで、ある時ピクニックの絵本を作りました。「みんなでピクニックに行くの。お山のてっぺんに登ると、(弟の)こうちゃんはバンザイしてる。いつも元気だからね。そして、みんなでお弁当を食べる。それから公園で、こうちゃんとすべり台をするの」。
私が「どうしてピクニックなの?」と聞くと、景子は「私の宝物だから」と言いました。

私が小学校で「いのちの授業」をした時のことです。ある男の子に感想を聞こうとすると泣き出してしまいました。先生が声をかけても、涙が止まりません。
後日、小学校から感想文が届きました。その中のひとつに先生のメモが添えられています。「この子は授業で泣いてしまった子です。6年生ですが、ほとんど漢字を書けません。この子の気持ちを知って胸が熱くなりました」。平仮名ばかりの感想文にはこう書かれていました。
「おやこうこうしようとおもっても、ぼくは、なんのとりえもありません。なにかないかと、かんがえてみたら、とうさんかあさんよりも、はやくしなないようにします。だから、ぼくはがんばっていきていこうとおもいます」
この子は心の中に大切な宝物を見つけてくれました。何を大切に思うかで生き方は決まります。その大切なことは命を見つめることで実感できると私は思います。
鈴木中人:1957年生まれ。1992年長女の小児がん発症を機に、小児がんの支援活動や「いのちの授業」等に取り組む。「いのちのバトンタッチ」をテーマに、いのちの輝き、家族の絆、生きる喜びなどを全国に発信している。
※この記事は8月16日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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