目次
人間の行動のうち47%はすでに習慣化されているといわれています。習慣を上手に活用することで、限られた時間やエネルギーを本当に大切なことに使えるようになります。
テレビ静岡で7月26日に放送されたテレビ寺子屋では、明治大学法学部の教授・堀田秀吾さんが、科学的に証明された習慣化のメカニズムとすぐに実践できる効果的な習慣について語りました。
三日坊主は意志の弱さではなく“脳の初期設定”
人間の行動のうち、47%はすでに習慣化されていると言われています。
例えば「朝起きたら顔を洗って歯を磨く」といった行動です。
複雑な行動も習慣にすれば自動化されて楽に実行できるため、47%を超える部分をさらに習慣化することで、限られた時間やエネルギーを本当に大切な仕事や判断に使えるようになります。
そうは言っても、何かを習慣化しようとして三日坊主になってしまったという経験が誰にでもありますよね。

実は三日坊主の正体は自分の意志の弱さが原因ではなく、“脳の初期設定”なんです。
人間の脳には意識的・目標志向的な行動を担当し、エネルギーを多く消費する“新しい脳”と、自動的・習慣的な行動を担当し意識しなくても実行できる“古い脳”があります。
つまり、新しい脳で始めたことを古い脳に移行していくことで習慣化されるのですが、人は新しい脳を使うと多くのエネルギーを消費し疲れやすいため、習慣化する前に挫折してしまうのです。
では、どうやって習慣化していけばよいのでしょうか?
習慣化のカギは「体を動かすこと」と「環境を変えること」
習慣化にはモチベーションや根性が必要だと思われがちですが、実際はそうではありません。効果的なのは「体を動かすこと」なんです。
私たちの脳は体から送られてきた信号や情報に合わせて自分の状態を整えます。

例えば、実際に走り出すことで脳が走っていることを認識し、もっと走りやすいようにアドレナリンを出したり、ドーパミンを出したりするといった具合です。
モチベーションを上げてから行動するのではなく、先に体を動かして“やる気のエンジン”をかけてしまうことが大切です。
次に「環境を変えること」。習慣化したい行動を仕組み化すると効果的です。
例えば「毎日同じ時間、同じ場所で学習する」、「本は開いた状態でソファの近くに置き、座ったらすぐに読めるようにしておく」など、行動するための環境を整えて繰り返していくことで自動的に行えるようになる、自動化が増すと言われています。
今日から使える!科学的に効果が証明された習慣
これらの原理を踏まえて、身につけておきたい習慣をいくつか紹介します。
【残り時間を知ると頑張れる】
作業に対して残り時間を表示すると疲労感が軽減し、脳の活性化が行われます。もともと人の集中力は30分程しか持たないので、時間を決めて休憩を取りながら作業に取り組むことで効率がアップします。
【マルチタスクは×】
複数の業務を同時並行で進めるマルチタスクは仕事の効率が上がると思われがちですが、実は人間はマルチタスクができない生き物で、シングルタスクをただ切り替えているだけなのです。
しかも、タスクを切り替える時に新しいことに最適化しなければならず、生産性が低下することが研究でわかっています。
一番いいのはひとつひとつ集中して取り組むこと。マルチタスクはしないに越したことはありません。
【カフェに移動してリカバリー】
カフェのようなほどよい雑音がある環境はアイデアが湧きやすく、集中力がアップします。
また、コーヒーの香りにはリラックス作用もあるので相乗効果が期待できます。
日本人は特に真面目で、1日やらないとつい罪悪感に苛まれがちですが、1日ぐらい途切れても大丈夫。習慣化で大事なことは、休んでもいいからもう一度やり直すことだと言われています。
自分に合う習慣を見つけて、取り組めそうなことから一歩ずつ実践していただければと思います。
堀田秀吾:熊本県生まれ。シカゴ大学言語学部博士課程修了。心理言語学、法言語学、コミュニケーション論を専門とする研究活動に加え、著書も多数。テレビ・ラジオなど多彩なメディアで専門家としての視点を発信している
※この記事は7月26日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています
【もっと見る!テレビ寺子屋の記事】
