テレビ寺子屋で講演をする教育評論家の親野智可等さん
健やか

「ケンカは犬語でワンワンワン!」子供が傷つかず自己肯定感を高めるヒント【テレビ寺子屋】

「犬語でケンカを」。どういう効果があるのか不思議になりますが、これは「自己肯定感」を高める方法の一つだと教育評論家の親野智可等さんは話します。子供が豊かな人生を送るために大切な自己肯定感、親はどのように育めばよいのでしょうか。

左)北村花絵アナウンサー 右)親野智可等さん

テレビ静岡で2025年8月24日に放送されたテレビ寺子屋では、教育評論家の親野智可等さんが、子供の自己肯定感を高める方法について語りました。

脳天気なほど楽しく幸せに

教育評論家・親野智可等さん:
「自己肯定感」とは、「自分の存在そのものを丸ごと肯定する感覚」で、長所だけでなく短所も含めて「自分は今のままでいい」「自分のことが大好き」とありのままの自分を肯定する感情のことです。自分らしく豊かな人生を送るために大切なものですが、どうすれば子供の自己肯定感を育むことができるのでしょうか。

テレビ寺子屋で講演をする教育評論家の親野智可等さん

最初のポイントは「子供は毎日、脳天気なほど楽しくていい」です。

毎日楽しく笑って過ごしていると、子供はこう思います。「楽しいな、幸せだな、自分はここにいていいんだ」つまり、自己肯定感が上がるんです。

最近注目されているのが「ハピネスアドバンテージ」=「幸せな状態は有利」という概念で、「子供が学校で楽しく過ごせていると、勉強への集中力が上がって、学力も上がる」という研究結果もあります。

これをぜひ、しつけの面でも活用してほしいと思います。例えば、子供が朝起きてこないときや、片付けをさせたいとき、親はついつい叱りがちですが、歌・踊り・ゲーム的要素などを取り入れたりして、ぜひ楽しくて笑えるような、叱らなくてもすむ工夫を心がけてみてください。

イメージ画像 歌をしつけに取り入れる

子供を嫌な気持ちにさせない

次のポイントは「子供へのいじりをやめる」。

子供がかわいくて笑わそうと思って、いじったり、からかったりしてしまうことがあるかもしれません。たとえ親に悪気がなくても、子供はそれによって深く傷つき、親に対する不信感が募ったり、自己肯定感が下がったりします。

イメージ画像 子供を気遣う親

大人になっても、子供の頃に言われたことを引きずっているケースも多いので、これは本当にやめていただきたいと思います。

ケンカは犬語でワンワンワン!

そして、もうひとつ気を付けたいのが「感情のコントロール」です。

子供の自己肯定感を上げようと努力しても、親がストレスを我慢できず、子供にぶつけてしまっては全てを台無しにしかねません。相手を嫌な気持ちにさせない方法でストレスを発散できるといいですよね。

イメージ画像 感情のコントロール

例えば、私が小学校の教員時代に子供たちとやっていたのが「犬語でケンカ」。これは、相手に触らない約束で、隣の人と「ワンワンワン! ウー! 」といった犬語でケンカするというものです。

意味を持たない鳴き声だから相手を傷つけず、すごくストレス発散になって、お互いに笑ってしまうほど盛り上がりますよ。ぜひ親子で実践してみてください。

イメージ画像 犬語でケンカ

親子で目指そう「幸せ体質」

最後に「親子ともども、幸せ体質になろう」。

笑って楽しく毎日を過ごしていると、自己肯定感がどんどん上がり、幸せホルモンが出やすい「幸せ体質」になります。

「将来」というのは形あるものではなくて、今この時まさに現在進行で「将来」を作っています。

ですから、今この時を親子で楽しく幸せに過ごしていたら「幸せ体質」になって、その延長線上にある将来も、子供は自然と「自己肯定感」を持ち、楽しく幸せに生きていけると思います。

テレビ寺子屋で講演をする教育評論家の親野智可等さん

親野智可等:1958年静岡県生まれ。公立小学校で23年間教師を務める。教育現場で親が子供に与える影響の大きさを痛感。教師としての経験と知識を子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発刊し、評判となる。

※この記事は2025年8月24日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

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