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ほめることよりも効果的に子供の力を伸ばす方法があると語るのは、児童の自主性を引き出す授業が話題となった小学校教師の沼田晶弘さんです。親が喜ぶ姿を見せたり、ポジティブな言葉で注意したりすることで、子供のやる気を引き出すことができるといいます。
テレビ静岡で1月12日に放送されたテレビ寺子屋では、東京学芸大学附属世田谷小学校の教諭・沼田晶弘さんが、子供のやる気を引き出す方法を教えてくれました。
“ほめ疲れ”していませんか
東京学芸大学附属世田谷小学校 教諭・沼田晶弘さん:
「ほめて自己肯定感を高めよう」という言葉がSNSに踊っています。ほめるところを探して何とかほめよう、失敗しても良いところを見つけようとほめ疲れしていませんか?「ほめるより子供がのびる良い方法」があれば、みなさん実践しますよね。
例えば子供が漢字テストで満点をとってきたとき、「すごい」とほめるよりもさらに効果的なのは、お母さんが「やった!嬉しい!」と喜ぶことです。
親が喜んでいるのが一番です。喜んでるお母さんを子供はもっと喜ばせたくなるのです。
大人も子供も「ほめられ方を伸ばす」
ほめられたらいい顔をする、おいしいときはおいしい顔をする。我が子が「息子さん、足が速いですね!」とほめられても、「でも、漢字が全然できなくて」などと答えていませんか?
ほめられたら「ありがとう」でいいんです。そして嬉しい顔をする。
「ほめられ方」を伸ばしていると、相手はほめたくなります。「この人のことをほめたら笑顔になってくれる」とわかっていたら言いたいでしょう?
手助けしないで子供に全部任せる
ほめるよりすごい方法、次は「覚悟を決めて全部やらせる」。子供が「お手伝いする」と言っても、親は心配でずっと見ていて、手助けしたりしますよね。
僕の友人の1年生の子が、「皿洗いする」と言ったんです。ここで普通は横で親がフォローしながらやりますよね。僕は友人に、「とにかく全部任せてごらん」と言いました。
母である友人は、濡れていく床を歯ぎしりしながら、でも何も言わないでじっと見ていました。洗い終わった娘に「床がびちょびちょだよ」と言うと、娘さんは驚くほど大量のキッチンペーパーで床を拭き始めました。
友人はここでも何とか耐えて全部きれいに片付いたところで、「明日もまたやってあげるね」と言った娘に、笑顔で「よろしくね」と言ったそうです。
すると、翌日奇跡が起きました。娘さんは床にキッチンペーパーを敷いてから洗い物を始め、皿洗いが終わった後、なんとキッチンペーパーは濡れていなかったそうです。
最後まできっちり自分で拭いたことによって、気をつけるようになったんですよね。途中で失敗しないように親が手や口をだすと、本人はなぜここに水がこぼれているのか分からない。こぼれたらどうしたらいいかも分からないのです。
やってあげるから、できなくなってしまう。だから、覚悟を決めて全部やらせる。覚悟を決めてやらせられないことは、まだやらせなくていいのです。
注意はポジティブな言葉に変換
さらに、もうひとつの方法は「ポジティブワードで注意する」。
「○○しないと××しないよ」という言い方はやめましょう。「ご飯を食べないとアイスなしだよ」ではなく、「ご飯を食べてアイス食べよう!」とできるだけポジティブワードに変えたいのです。学校の廊下でもよく「走るな!」と言いますが、言葉はとにかくポジティブにしたいので、僕は「歩け!」と言っています。
「ほめるよりすごい方法」で、ぜひみなさんも楽しく子供のやる気を引き出してください。
沼田晶弘:東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカの大学院へ。スポーツ経営学の修士課程を修了。
児童の自主性、それを引き出す斬新でユニークな授業が数多くのメディアで話題となる。著書多数。
※この記事は1月12日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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