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秘密は“和風だし” 子連れも気軽なスパイスカレー店【富士・ダーテラー】

行く度に違うメニューがあるスパイスカレー専門店「ダーテラー」。スパイスの良い香りが店の外までただよって、自然と入りたくなる店です。店主の夫婦が温かく出迎えてくれました。

日本人の口に合うスパイスカレー

店の外まで香りがただよう

富士市役所のすぐ近くにあるダーテラーは、2020年4月にオープンしたスパイスカレー専門店です。

友人から「おいしすぎて泣いた!」と紹介され、取材前にも何度か足を運びました。

インドカレーや日本のカレー、欧風カレーとも異なるスパイスカレー。どんな特徴があるのでしょうか。

店主の寺田さん夫妻

ダーテラー寺田佳浩さん:
スパイスカレーは関西が発祥と言われて、もともと音楽関係の人がクラブのような場所で出したのが始まりと聞いています。自由な発想の中で生まれたもののようです。インドのマサラ(カレー)と同じようにスパイスを合わせて作りますが、水と塩を使って仕上げる工程で、“昆布だし”や“かつおだし”などを使っています。だから日本人の口に間違いなく合うんです

小麦粉を使うと欧風カレーのようになるので、小麦粉を使わないのもスパイスカレーの特徴だそうです。

選べる3種類のカレー

きょうはどんなカレーかな・・・メニューを見るのが楽しみに

ダーテラーのメニューは「本日のカレー」が3種類。その中から1種盛り、2種盛り、3種盛りを選ぶことができ、3種盛りにスパイス味玉が付いているのが「ダーテラースペシャル」です。

一番人気のメニューは、やはりダーテラースペシャル。

盛りつけは芸術品のよう

3、4日ごとにメニューが変わるため、行く度に違うメニューを楽しめます。取材に行った日は、ビーフカレーとコリアンダーチキン、黒胡麻坦々キーマの3種類でした。

深いブルーの器に3種類のスパイスカレー、ターメリックライス、野菜たっぷりの副菜と味玉が付いて、見た目にもあざやか。とってもきれいです。

お肉がホロホロ「ビーフカレー」

手前がビーフカレー

まずはビーフカレー。あまり作らないそうで、意外にも珍しいメニューです。

お肉がホロホロで柔らかい!赤ワインやマンゴーなどの果物をたっぷり入れて煮込んでいます。タマネギのとろみと甘味があって、とってもおいしいです。

パクチー好きには「コリアンダーチキン」

コリアンダーチキン

お次はスパイスをがつんと感じる、コリアンダーチキン

コリアンダー(パクチー)は、スパイスカレーに使う基本的なスパイスのひとつ。コリアンダーをしっかり効かせた、パクチー好きにはたまらないカレーです。

生のパクチーのような青臭さはなく、カレーと一体になり味わいを深めています。

かつお出汁がベース「黒胡麻坦々キーマ」

黒胡麻坦々キーマ

黒胡麻坦々キーマは、かつお節をメインにした“だし”を使用しています。坦々の名の通り少しピリ辛、でも和風な味付けのスパイスカレー。はじめての味わいです。

豪華なカレーの脇役たち

コリアンダーチキンと黒胡麻坦々キーマの上にトッピングされているのは、カスリメティというスパイス。紅茶のような、さわやかな香りがします。

ターメリックライスは、インドのバスマティライス ではなく、あえて青森県産の「まっしぐら」を使用。出汁を入れて作るスパイスカレーには日本のお米の方が合う、という寺田さんのこだわりです。

野菜たっぷりの副菜とスパイス味玉

レンコン、もやし、高菜、ジャガイモ、エノキからなる、いろどり豊かな副菜も、その時々に変わります。

箸休めにちょうどいい優しい味付けの副菜や、スパイスがしっかりきいたアチャール(インド風の漬物)など。なるべく地元の食材を使うようにしているそうです。

なかでもホールスパイスを一緒に漬けたスパイス味玉は、ぷるぷるで黄身がとろ~り。

ドリンクメニューも魅力的

ドリンクメニューも豊富で、ドリンクのみの利用もできます。

ハニースパイスレモンソーダとチャイは、寺田さんがスパイスを調合して作ります。スパイスカレーを食べた後の口がさっぱりします。

同じメニューは作らない いつ来ても違うから楽しめる

ダーテラーは毎回行く度に違うメニューを楽しめます。

笑顔がすてきな2人

ダーテラー・寺田佳浩さん:
基本的に同じメニューは作らないようにしています。レシピも残してないんです。 基本的なスパイスは決まっているので、プラスするかマイナスするか。素材に合わせて、どのスパイスが合うか考えて、イメージしてから作ります

スパイスが並ぶ店内

以前はサラリーマンで、ホテル関連の仕事をしていたという寺田さん。職場でスパイスについて学ぶ機会があり、趣味としてスパイスカレーを家で作ったり友人にふるまったりしたのが始まりでした。

もともと自分のお店を持ちたいという願いもあり、脱サラしてダーテラーを開店。当時はコロナ禍でテイクアウトのみでしたが、3年が経ち、市外からも客が訪れる人気店になっています。

誰でも気軽に入りやすいお店に

かわいい看板に引き寄せられる

スパイスカレー専門店と聞くと、こだわりの強い店主さんがいたり、女性や子供は入りにくいイメージがありましたが、 ダーテラーは女性ひとりでも入りやすい店です。

店主の寺田夫妻の温かい雰囲気が、お店の雰囲気そのままという感じがします。

こだわりのL字カウンター

ダーテラー寺田佳浩さん:
どんな人でも食べやすいスパイスカレーを意識しています。スパイスのイベントに出店する時は、がつんとスパイスをきかせたメニューを出すなど、お客様に合わせてメニューを考えています

子連れでも食べやすい店外の席

店内にはL字のカウンター席が約8席。外で食べられる席もあるので、子供連れでも入りやすいスパイスカレー屋さんです。

日々、新しいカレーが生まれているダーテラー。 自由な発想で作るスパイスカレーが、音楽の現場から始まった理由がなんとなく分かるような気がしました。ぜひ楽しんでみてください。

文/ 加藤香利 撮影/神野あゆみ

■店名 ダーテラー
■住所 富士市依田原新田103-6103-6 1F
■営業 11:00〜14:30
    金土は夜も営業(17:30〜20:00)
    ※完売次第終了
■定休 月(祝日の場合は営業)・不定休あり
■電話番号 0545-50-1906

静岡・富士市に移住してきた人と、もともと住んでいた人がつながり、助け合いながら仕事をシェアして働く同志の集まりです。
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