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静岡市清水区の山あいにある巨大な石「河内の大石」や、JR静岡駅前にある東照宮の石碑など、「ナゾの石」を何度も調査してきましたが、今回また新たな気になる石を発見。それが世界遺産、三保松原にあるという「願いがかなう石」です。
“はちまき”のような白い線
静岡市清水区の三保松原にやってきました。海岸には石がゴロゴロありますが、ここに落ちているのでしょうか。
どんな石かわからないと、らちがあかないので、観光客に知っているのか聞いてみました。
「知りませんでしたが、ハート型の石とかでしょうか」「ピカピカ光っているようなイメージ」「初めて三保松原に来たので知らないのですが、想像すると丸い石。丸く収めてくれるから!」
みなさん興味はあっても、その存在自体は知らず。ということで次なる作戦へ。
長年この地で土産店を営む「お土産処 いちまる」で聞いてみました。店主の望月英昭さんは清水生まれ、清水育ちの80歳。この地のことはきっと詳しいはず。
(Q. ここに「願いがかなう石」はありますか)
いちまる 店主・望月英昭さん:
よく「はちまき石」と言いまして、白い線がある石があるんですね。パワーストーンとみんなおっしゃる
それはまるで「はちまき」を巻いているかのように白い線が入った、浜辺にある石とのことだそうです。
その昔は団体客が来る度に、三保の案内も含め一緒に探し回った時代もあったそうなので、望月さんにも同行してもらいました。
望月さんがこんな感じと見せてくれたのは、はちまきのような白い線が横一線に真っすぐに入っています。
ただ細くてはっきりしていないので、これははちまき石とは呼べないとのこと。
しばらく浜辺を探し続けていた小倉彩瑛アナウンサーが、はちまき石の名にふさわしい、ハッキリ線が入った大きめの石を見つけました。
見つけると願いが叶うというウワサが広まり、特に受験生に人気だったというはちまき石。
いちまる 店主・望月英昭さん:
小学生や学生さんはみんな受験の合格祈願、彼氏や彼女がいる人はいいことが続きますようにと願っていました
過去には、願をかけ家へと持ち帰り、願いが叶ったら三保松原にある羽車神社に返すという習わしもあったんだとか。
なぜ白い線が入るのか
羽衣伝説と並び、ロマンあふれる石を三保で発見しましたが、なぜこうした白い線が石に入るのでしょうか?
富士宮市の奇石博物館に電話で尋ねました。
奇石博物館・北垣俊明 副館長:
日本は地震が多く発生する環境にある国です。地盤がずれ動くということは地下の岩石には多く割れ目や隙間ができます。みなさんが好まれる温泉は、水が温められて岩石の隙間を上がってきたものです。温泉には例えば水晶やクリスタルを作るガラスの成分が含まれています。後に冷えて固まると白い塊になり、岩石の隙間が埋められるんです。それが風化や浸食されて、川によって海まで運ばれてきたのが三保松原に転がっている石です
奇石博物館の北垣副館長によると、これは地震で割れた岩石の間に温泉が通った証。温泉が有名な土地の海岸には、はちまき石が比較的多く見つかるそうです。
なお、海岸の石を持って帰ることはできません。ぜひその場で願い事をかけてきてください。
■スポット名 三保松原
■住所 静岡市清水区三保 1338-45(静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」目標)
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