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【葵区・菜の花】“おかわり”だと340円! 「子供の涙」で誕生したそば屋のラーメン

住宅街にある美術館のような見た目の「菜の花」は、元画家の店主が営むそばの店。裏定番メニューのラーメンがとっても安くて、その誕生秘話とおいしさに驚きます。

表通りから一本裏へ入れば、そこはまるで別世界。静岡県民必見の裏スポットを巡る「しずおか裏表さんぽ」。静岡市の中央部から清水区までの約12kmを結ぶ県道67号線、通称「北街道」を散歩します。

東海道の北側にあるから北街道。江戸時代からその名で呼ばれていたそうです。

そばが好きすぎて画家をやめちゃった店主

“美術館のような外観のそば店”があると聞いて向かいました。

北街道のちょっと裏道に入った住宅街、沓谷(くつのや)で、レンガ造りの建物を発見。

手打ちそばや一品料理が楽しめる店「菜の花」です。

入ってみると壁には大きな絵画が飾られていて、中も美術館のようです。

全て店主の西村有史さんが描いた絵だとのこと。西村さんはもともと画家として生計をたてていたんだそうです。

菜の花・西村有史さん:
この絵は全部自分が描いたんです。先生にはちゃんとついて、絵描きとしてある程度は食べることができていたんです

それがなぜそば店を開くことになったかと言えば、そばが好きだったから!

菜の花・西村さん:
そばを始めたきっかけは僕ね、そばがすごい好きで。道具を全部そろえて毎日そば打ちを練習していたんです。女房が居酒屋をやってまして、居酒屋のランチでおそばを出したら思いのほか好評で、それでちょっと味をしめて

画家はやめて、そば店をひらいた西村さん。

そんな元画家が作る居酒屋で大好評のおそばは「天せいろ(1600円)」。店の一番人気です。

そばは、北海道産のそば粉を使った二八そば。小麦粉が2、そばが8の割合だから、歯ごたえがあってのど越しがいいんです。

つゆは自家製。だしはカツオベースが3種類、かえしは約25年継ぎ足しです。

そばは独学で学びました。いろんな本を読んで栄養学から学んだそうです。

菜の花・西村さん:
そばはルチンの配合が多いので、高血圧にいいんです

もう一つの主役である天ぷらはサクサク。実は西村さん、画家になる前は日本食の料理人だったそうです。

本格的で種類豊富な天ぷらと、こだわりのそばの味は間違いなしです。

裏定番のラーメンが衝撃340円

さらに、裏の定番メニューあるということで注文してみることに。

出てきたのは“そば屋のラーメン”。その名も「おかわりラーメン」です。

上品なしょうゆ味の中華そば。だしはあっさり、麺にスープがしみ込んで、かむほどにおいしいんです。

スープはカツオだしがベースです。そばつゆ用にとるカツオだしの二番だし使って、ラーメンのスープを毎日作っています。

このメニューがお客さんに好評。

「おかわりラーメン」という名前なのは、単品で注文したら680円ですが、1品頼んだ後に“おかわり”でもう一品注文してもらうと半額の340円で提供しているから。ちょっと安すぎますよ!

価格は340円と格安ですが、量はしっかり一人前。

そばを食べた後にラーメンをおかわりする人が多いそうで、お財布に優しい価格にしたそうです。

子供に泣かれてラーメン作りを決意

西村さんの優しさがにじみ出ているのは値段だけではありません。

ラーメンを作り始めたきっかけもまた、優しいエピソードがありました。

菜の花・西村さん:
秘話がありまして、常連さんのおじいちゃんとおばあちゃんが孫にそばを食べさせようと連れて来たんですが、どうしてもお孫さんがラーメンが食べたいと泣いちゃったんです。それで「マスターごめん、どうしてもラーメン食べたいと言うから」と、その日お帰りになっちゃったんですよ

そこで菜の花でもラーメンを出そうと、西村さんは半年程かけてラーメンを研究。こうしてできたのが、おかわりラーメンでした。

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あっさりとしたラーメンは、そばの後にペロッといけちゃいます! ぜひそばと一緒にお試しください。

■店名 菜の花
■住所 静岡市葵区沓谷6-10-1
■営業時間 11:00~14:00
■定休 月
■問合せ 054-264-7701

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