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静岡市の中心地から車で約50分。清水区の山間部、河内(こうち)に見上げるほど大きい「河内の大石」があります。実は一風変わった由来を持つ巨石だということで、調べてきました。
案内板に書かれていた怖い由来
河内はキャンプ施設があったり、温泉施設があったりするのどかなエリアです。
そんな河内の林道を歩いていると、民家の後ろに突如現れる巨石。想像してる以上の大きさでした。
にむらあつとリポーター:
伝わりますでしょうかこの大きさ。なんかもう巨大隕石みたいな感じです
高さ19m、周囲は60mという圧巻の巨石です。 周囲を歩けるようなので一周してみます。
にむらリポーター:
植物が岩肌に生えています。なんだか神秘的な感じ。パワースポット感ありますよ
巨石の前には鳥居があって、岩が祀られていました。名前は「大石神社」。ここに巨石の由来がかかれた案内板がありました。
「巨石は安政元年、真富士山(まふじやま)より流出した。ここより1.6km登ったところに発祥の地があります。」
そう、ここが巨石発祥の地ではなく、もっと遠くからやってきたと言うのです。
ぜひ発祥の地に行ってみたいものですが、最近はクマの出没が増えているので、対策をしていない取材班は真富士山に分け入るのは止めておき、さらに他の案内板を調査することにしました。
2つ目の案内板に書かれていた、驚きの歴史はこうです。
「1854年12月に起こった安政の大地震で、真富士山の中腹から崩れ落ち、さらに翌年8月の豪雨によってこの場所まで流れ着いたと言われている」
とっても怖いエピソード! 静岡市指定の天然記念物でもある河内の大石は、自然の驚異を伝える石でした。
なぜ「安産岩」なんだ?
さらに案内板にはこうも書かれています。
「地域では安産岩として信仰されています」
安産岩、いったいなぜ?
実は地元・河内では古くから、安産石とも呼ばれ信仰されているそうですが、案内板や石碑に詳細は一切書かれていません。
これは調査せねば、ということで困ったときは、神社かお寺へ。
調べたところ、河内地区にはここ大石神社を含めた4つの神社があるようです。まず一番近い神社を目指すことにしました。
最初にやって来た二ノ宮神社は、日本武尊(ヤマトタケル)が休んだとされる場所。神社の入口にあったいわれを読んでみますが、安産石の手がかりはありません。
他の神社にも手がかりはなく、巨石に一旦戻ることにしました。
隣の家の人に聞いてみた
河内の巨石に戻ると、さっそく地元住民を発見。巨石の横に住んでいる方でした。
巨石の隣に住む岩崎妙子さん:
(Q.なぜ安産石と呼ばれるようになったのか)奥の方まで行くと川幅が狭いので、この石がつっかかっていたらしいだよ。大水が出て、狭いところから押流されてきたもんで、安産石と名付けたみたい
神社に行く前に聞けばよかった!
河内の大石は、真富士山周辺から細い沢を転がり現在の場所に出てきたとき、その様子がお産に似ているということから、安産石として信仰が始まったそうです。
現在でも多くの人が安産祈願に訪れているんだそうです。
巨石の隣に住む岩崎さん:
わりと授かるだよ。7年も8年も子供ができず、ここをお参りしたらできたと
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大自然の大きな力にあやかりたい。そんな人間の思いから、河内の大石は安産石となったと言えるかもしれません。
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