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意外と知られていませんが、あなたも自分の家系図が作れます。しかも江戸時代までさかのぼって。浜松市東区にある会社に、提供している家系図サービスについて聞きました。
家系図作りのスペシャリスト
話を聞いたのは、家系図作成を請け負う会社「株式会社みそら」の代表、塩崎明子さんです。塩崎さんが家系図事業を立ち上げてから10年、これまでに1000件以上の家系図を調査・作成しています。
みそら・塩崎明子代表：
ある方の家系図を見たことがきっかけで自分自身のルーツが気になるようになり、家系図を作ってみたのですが、そこで様々な気づきや感動がありました
家系図が教えてくれたこと
家系図作りを通して、どんな感動があったのでしょうか。
塩崎さんは幼少の頃に祖父を亡くしています。両親からは「おじいさんは2人兄弟」と教えられていたそうですが、家系図を作成していく中で驚きの事実と出会いました。
みそら・塩崎代表：
2人ではなく6人だったのです。祖父が6人兄弟だなんてとても驚きました。そのうち2人は「25歳で第2次世界大戦で戦死」と戸籍に記載されていました。生きている親族は誰もそのことを知りません。戦争で家族がバラバラになり歴史もわからなくなっていました
塩崎さんは、戦争で命を落とした先祖の存在をこれまで知らなかったことに、非常に申し訳ない気持ちになったそうです。
家系図を作らなければ出会えなかった家族の物語。この体験がきっかけで、家系図の大切さを広めたいと、事業を立ち上げました。
家系図ができるまで
みそらは、塩崎代表の夫が経営する行政書士事務所の監修をうけながら、家系図作りをすすめます。
みそら・塩崎代表：
依頼者に委任状を書いてもらい、何度も何カ所も役所へ戸籍の請求をしていき、ご先祖様をたどっていきます
調査期間はプランにもよりますが2カ月～半年。1年程度かかることもあります。
名前だけのシンプルな家系図や、生没年月日や婚姻日まで記載する家系図もあります。
費用は戸籍調査で3万3000円から、生没年や家督相続等の情報を盛り込んだ詳細な家系図は26万4000円からです。
完成した家系図は、贈り物にしたり大切にしてもらえるよう、桐箱に入れるオプションもあります。また遠州綿紬やご先祖から受け継いだ着物の生地をリメイクして表紙に張ることもできます。
(Q. どんな人が依頼しますか)
みそら・塩崎代表：
先祖の供養のため、先祖を知るためという方。墓じまいを検討しているので墓じまい後のお墓の代わりにしたいという方。あるいはご自身の「死」を間近に感じて依頼される方も多いです
“命の大切さ”に気付く
古い戸籍は一定期間が経過すると、自治体の判断で処分することができるそうです。いま調査しなければ自分のルーツがわからなくなってしまうかもしれません。
みそら・塩崎代表：
私は父が生きているうちに、家系図を見ながらご先祖様の話を聞いておけばよかったと、心底後悔しました。家系図を作ると不思議とご先祖様への感謝の気持ちがあふれてきます。自尊心が湧いてきて、自己肯定感を感じられる方が多いです。ぜひ皆さんにも家族のつながり、命のつながりの大切さを改めて知ってほしいです
家系図を作り、先祖の姿が見えてくると、いま自分が生きていることのありがたさを感じるかもしれません。あなたのルーツも確かめてみてはいかがでしょうか。
