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【駿河区・丁子屋】ずるずるっとウマッ! 浮世絵にも描かれた老舗で“とろろ汁”~新間いずみ1万円ひとり旅~

静岡の老舗とろろ店「丁子屋」は創業427年。いにしえの旅人たちも食べたとろろ汁をおいしく食べるコツは、マナーを気にせず“ザァザァ”かき込むこと。とろろの歌もありました。

アイドルグループ・fishbowl 新間いずみ

静岡発のアイドルグループ、fishbowl(フィッシュボウル)の新間いずみが、予算1万円で行きたいところに旅をする「新間旅」。静岡市・西部編です。

タイムスリップします

旅の予算は残り7290円。

伝統工芸を体験した「駿府の工房 匠宿」から歩くこと10分。現代的な建物が並ぶなか、明らかに雰囲気が異なるかやぶき屋根の建物が見えてきました。

立派なかやぶき屋根

次の目的地「丁子屋(ちょうじや)」です。

なぜここに来たかったのかと言うと、なんと言ってもとろろが好きだから。

本格的なとろろを楽しみたいと思った時、静岡には丁子屋があることを知りました。

築250年 2022年に文化庁登録有形文化財に

「とろろ汁」と書かれたのれんをくぐると、そこにはタイムスリップをしたかのような古民家の食卓がありました。

丁度お昼時の店内では、たくさんのお客さんが食事を楽しんでいます。

丁子屋十四代 柴山広行さん

歌川広重が描いた「丁子屋」 丁子屋のHPより
歌川広重が描いた「丁子屋」 丁子屋のHPより

丁子屋は歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」にも描かれるほどの、老舗のとろろ店です。

店内には丁子屋や、丁子屋がある丸子の歴史がわかる資料館もありました。

丁子屋の歴史を感じる資料館

創業はなんと安土桃山時代の1596年。427年の歴史があります。

代々続く丁子屋は現在、十四代目の柴山広行さんが守っています。

十四代目の柴山さんと十返舎一九の像の前で

現在の丁子屋の建物は、柴山さんの祖父が浮世絵に描かれた風景を再現しようと、取り壊される予定の古民家を譲ってもらい、1970年にこの場所に移築したそうです。

便利さよりも歴史を大切にした祖父の意志を、十四代目・広行さんも受け継いでいます。

早速、部屋に案内してもらいました。

お庭がきれいに見える個室に案内してもらいました

丁子屋には部屋がいくつもあり、最大で180人を案内できるそうです。

どの席もとても雰囲気があり、家にいるような安心感がありました。

とろろ汁の食べ方は歌で!

今回はとろろ汁に麦飯、おかべ揚げとむかごの和え物などが付いた、「本陣 (2310円)」を注文しました。

「本陣(2310円)」を注文!

とろろ汁を食べたことがない人も心配ありません。丁子屋には「とろろの唄」があるので、その通りに食べれば大丈夫です。

「麦めしを茶碗に 半分盛ったらば めしつぶ泳ぐよう とろろかけ お薬味上からふりかけて ザァザァ音たて 流しこみゃ いいじゃん いいじゃん うまいじゃん」

こんなにかけちゃっていいの!

詞はありますが、曲はないという「とろろの唄」。ぜひ、みなさんの好きなメロディーで歌ってみてください。

麦めしをよそったお茶碗に、たっぷりのとろろ。普段できない、ぜいたくな食べ方です。

まずは薬味はつけずに、そのまま食べてみることにしました。

豪快に!

歌にあったようにザアザアかき込んで食べると、カツオの風味が口いっぱいに。ふわふわになったとろろが麦めしを包んで喉を通っていきました。

あなたの地域の“だし”はなんですか?

丁子屋では、とろろにカツオだしを使っています。

我が家の食卓にも時々とろろが出てきて嬉しくなる私ですが、だしまでは気にしたことがありませんでした。

柴山さんによると、とろろに加えるだしはボラやサバなど地域や家庭によっても違うそうです。

画像提供:静岡県農林環境専門職大学ふじのくにとろろ汁調査・研究チーム
画像提供:静岡県立農林環境専門職大学ふじのくにとろろ汁調査・研究チーム

自然薯は静岡県内の契約農家から仕入れています。取引先は18軒あり、産地視察をして、品質を高め合う取り組みもしているそうです。

とろろ汁だけじゃない

とろろ汁以外の品もご紹介します。おかべ揚げは豆腐と自然薯、ひじきを揚げたものです。

私は初めてのおかべ揚げ。ワサビ塩を付けて食べます。もちもちとした食感がクセになる一品でした。

おかべ揚げ

もう一品は、むかごの和え物

むかごは自然薯の赤ちゃん。こちらも私は初めて食べました。

右側がむかごの和え物

ほっくりとしたむかごは、ほんのりゆずの香りがして、もう一粒、もう一粒と箸が止まりませんでした。

これだけ堪能してもまだとろろ汁が残っています。次の1杯は薬味を加えて、2杯、3杯と、とろろを楽しむことができました。

丁子屋のおすすめは

画像:丁子屋のHPより
画像:丁子屋のHPより

定番メニューの「丸子(1630円)」はとろろ汁と麦めし+みそ汁などのシンプルなセットです。

柴山さんのおすすめは、丸子におかべ揚げや刺身、自然薯アイスまでついた「丁子屋(3498円)」だそうです。

ボリュームがあるので、たっぷりおなかをすかせてから食べてみてください。

ごちそうさまでした

[本陣 2310円] のこり 4980円

風情ある店内でいただくとろろ飯。ホッと一息つけて、日頃のちょっとした自分へのご褒美にもぴったりです。とろろの奥深さに触れ、私はより一層とろろが好きになりました。

次回は旅の移動に使ったレンタサイクル「パルクル」について、使い心地をリポートします。

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■店名 東海道丸子宿 とろろ汁 元祖丁子屋
■住所 静岡市駿河区丸子7丁目ー10ー10
■営業時間 平日11:00〜14:00 土日祝11:00〜15:00(L.O) 16:30〜19:00(L.O)
■定休 木 ・毎月末の水

取材/新間いずみ

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静岡発のアイドルグループfishbowlのメンバー。静岡市出身。少林寺拳法初段。 ポッドキャスト「新間いずみの低めに今お話を」をSpotify、Apple Podcastなどで毎週金曜日配信中。 ソロ曲「アイラブユー」も好評配信中!  
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