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静岡の老舗とろろ店「丁子屋」は創業427年。いにしえの旅人たちも食べたとろろ汁をおいしく食べるコツは、マナーを気にせず“ザァザァ”かき込むこと。とろろの歌もありました。
静岡発のアイドルグループ、fishbowl(フィッシュボウル)の新間いずみが、予算1万円で行きたいところに旅をする「新間旅」。静岡市・西部編です。
タイムスリップします
旅の予算は残り7290円。
伝統工芸を体験した「駿府の工房 匠宿」から歩くこと10分。現代的な建物が並ぶなか、明らかに雰囲気が異なるかやぶき屋根の建物が見えてきました。
次の目的地「丁子屋(ちょうじや)」です。
なぜここに来たかったのかと言うと、なんと言ってもとろろが好きだから。
本格的なとろろを楽しみたいと思った時、静岡には丁子屋があることを知りました。
「とろろ汁」と書かれたのれんをくぐると、そこにはタイムスリップをしたかのような古民家の食卓がありました。
丁度お昼時の店内では、たくさんのお客さんが食事を楽しんでいます。
丁子屋十四代 柴山広行さん
丁子屋は歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」にも描かれるほどの、老舗のとろろ店です。
店内には丁子屋や、丁子屋がある丸子の歴史がわかる資料館もありました。
創業はなんと安土桃山時代の1596年。427年の歴史があります。
代々続く丁子屋は現在、十四代目の柴山広行さんが守っています。
現在の丁子屋の建物は、柴山さんの祖父が浮世絵に描かれた風景を再現しようと、取り壊される予定の古民家を譲ってもらい、1970年にこの場所に移築したそうです。
便利さよりも歴史を大切にした祖父の意志を、十四代目・広行さんも受け継いでいます。
早速、部屋に案内してもらいました。
丁子屋には部屋がいくつもあり、最大で180人を案内できるそうです。
どの席もとても雰囲気があり、家にいるような安心感がありました。
とろろ汁の食べ方は歌で!
今回はとろろ汁に麦飯、おかべ揚げとむかごの和え物などが付いた、「本陣 (2310円)」を注文しました。
とろろ汁を食べたことがない人も心配ありません。丁子屋には「とろろの唄」があるので、その通りに食べれば大丈夫です。
「麦めしを茶碗に 半分盛ったらば めしつぶ泳ぐよう とろろかけ お薬味上からふりかけて ザァザァ音たて 流しこみゃ いいじゃん いいじゃん うまいじゃん」
詞はありますが、曲はないという「とろろの唄」。ぜひ、みなさんの好きなメロディーで歌ってみてください。
麦めしをよそったお茶碗に、たっぷりのとろろ。普段できない、ぜいたくな食べ方です。
まずは薬味はつけずに、そのまま食べてみることにしました。
歌にあったようにザアザアかき込んで食べると、カツオの風味が口いっぱいに。ふわふわになったとろろが麦めしを包んで喉を通っていきました。
あなたの地域の“だし”はなんですか?
丁子屋では、とろろにカツオだしを使っています。
我が家の食卓にも時々とろろが出てきて嬉しくなる私ですが、だしまでは気にしたことがありませんでした。
柴山さんによると、とろろに加えるだしはボラやサバなど地域や家庭によっても違うそうです。
自然薯は静岡県内の契約農家から仕入れています。取引先は18軒あり、産地視察をして、品質を高め合う取り組みもしているそうです。
とろろ汁だけじゃない
とろろ汁以外の品もご紹介します。おかべ揚げは豆腐と自然薯、ひじきを揚げたものです。
私は初めてのおかべ揚げ。ワサビ塩を付けて食べます。もちもちとした食感がクセになる一品でした。
もう一品は、むかごの和え物。
むかごは自然薯の赤ちゃん。こちらも私は初めて食べました。
ほっくりとしたむかごは、ほんのりゆずの香りがして、もう一粒、もう一粒と箸が止まりませんでした。
これだけ堪能してもまだとろろ汁が残っています。次の1杯は薬味を加えて、2杯、3杯と、とろろを楽しむことができました。
丁子屋のおすすめは
定番メニューの「丸子(1630円)」はとろろ汁と麦めし+みそ汁などのシンプルなセットです。
柴山さんのおすすめは、丸子におかべ揚げや刺身、自然薯アイスまでついた「丁子屋(3498円)」だそうです。
ボリュームがあるので、たっぷりおなかをすかせてから食べてみてください。
[本陣 2310円] のこり 4980円
風情ある店内でいただくとろろ飯。ホッと一息つけて、日頃のちょっとした自分へのご褒美にもぴったりです。とろろの奥深さに触れ、私はより一層とろろが好きになりました。
次回は旅の移動に使ったレンタサイクル「パルクル」について、使い心地をリポートします。【画像】記事中に掲載していない画像もいっぱい! この記事のギャラリーページへ
■店名 東海道丸子宿 とろろ汁 元祖丁子屋
■住所 静岡市駿河区丸子7丁目ー10ー10
■営業時間 平日11:00〜14:00 土日祝11:00〜15:00(L.O) 16:30〜19:00(L.O)
■定休 木 ・毎月末の水
取材/新間いずみ
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