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プロ野球・2軍参戦のハヤテ223 選手は?監督は?ドラフトは?移籍は? 気になる疑問に回答 静岡

NPBオーナー会議

来シーズンからプロ野球の2軍リーグに新規参加することが内定した“ハヤテ223”。しかし、現時点で監督はおろか選手もおらず、静岡市の清水庵原球場を本拠地とすること以外、ほぼまっさらの状態だ。

ハヤテはウエスタン 新潟はイースタン

NPBオーナー会議・後藤高志 議長

日本野球機構(NPB)は9月29日、ハヤテ223と新潟アルビレックス・ベースボール・クラブの2チームについて、来シーズンから新たに2軍リーグへ参加することが内定したと発表した。しかし、ここで野球ファンにはある疑問が浮かぶのではないだろうか?それは、新潟はすでにチームを持っていて、15年以上前から独立リーグに参戦している一方、ハヤテは現時点で監督はおろか、選手すらいない、まったくの未知の状態だからだ。

首脳陣候補には大リーグ経験者も

ハヤテグループのホームページ

まず、ハヤテ223というのはチーム名ではなく運営会社の名前だ。例えば、パ・リーグ3連覇を達成したオリックス・バファローズの運営会社はオリックス野球クラブ、東北楽天ゴールデンイーグルスの運営会社は楽天野球団と、NPBの中にはチーム名と運営会社の名前が異なるケースも複数あり、ハヤテも参加内定を受け、今後チーム名やロゴ、ユニフォームデザインなどを発表したいとしている。ちなみにチーム名についてはすでに「市民・県民・スポーツ関係者からヒアリングしている」として公募の予定は現時点でないそうだ。

ハヤテ223の「ハヤテ」は、親会社であり、企業支援などを手掛けるハヤテグループに由来する。ホームページによれば同グループは杉原行洋 代表が東京大学卒業後、外資系証券会社、国内金融機関を経て2005年8月に立ち上げ、ハヤテという名前には「古き良き日本の伝統や価値観を大切にしつつ、日本の産業界全体に新しい風を吹き込みたい」との想いが込められているという。「223」は語呂合わせで“ふじさん”と読み、こちらは静岡を象徴する、言わずと知れた世界文化遺産・富士山から来ている。

ハヤテグループ・杉原行洋 代表

杉原氏によれば、監督やコーチは「いわゆるロングリスト、数十名の中から、だいたい5~10名のショートリストまで絞り込んでいる」とのことで、実際に面談した中には過去にNPBで最多セーブ王を獲得した投手、大リーグでのプレー経験者、通算安打数が1000本を超える打者が含まれ、10月中には首脳陣の大枠を決めたいとしている。

また、静岡県出身でダイヤモンドグラブ賞(現在の三井ゴールデン・グラブ賞)を8年連続で獲得するなど守備の名手として知られた山下大輔 氏がゼネラルマネージャーに就任する可能性を示唆した報道も一部であったが、杉原氏は「常設のGMは設置する予定はない」と前置きした上で「山下さんには本当にお世話になっている」としている。

ドラフトは?シーズン中の移籍は?

トライアウトが開催される本拠地の清水庵原球場

一方、選手は45人程度の獲得を想定していて、約8割をNPB未経験の若手選手、残る2割をNPB経験者や外国人選手とすることを描いている。ただ、ハヤテは2軍リーグのみの参加となり、1軍チームを持たないため、10月26日に開催されるプロ野球ドラフト会議には参加できない見通しだ。

このため11月3日・4日に独自のトライアウトを実施する予定だが、同日にはルートインBCリーグの合同トライアウトも予定されており、選手の立場からすると“1軍のないプロ野球チーム”を目指すのか、“独立リーグ”を目指すのか、選択を迫られることになる。

さらにハヤテは「NPBに人材を輩出すること」を1つの目標としているが、現状ではNPBに在籍経験のある選手のみシーズン中に他球団への移籍が可能で、NPB未経験の選手についてはシーズン終了後のドラフト会議で指名される必要があるという。とはいえ、杉原氏は「2軍リーグに参加するということは、当然そのレベルで試合を行うことになる。記録も同じ環境、同じ条件で揃う。NPB各球団やスカウトへの露出も違ってくる。選手にとって価値がある」と、新球団の意義を強調する。

思えば同じ静岡市を本拠地とし、現在サッカー・J2に所属する清水エスパルスも、1993年のJリーグ発足時の加盟10クラブ、いわゆる“オリジナル10”の中で唯一、母体が実業団チームではなく、Jリーグの基礎となった日本サッカーリーグ(JSL)にも加盟していなかった。だが、クラブの努力はもとより、市民やサポーターの熱意に支えられ、30年経った今なおJリーグを舞台に熱い戦いを繰り広げている。だからこそ、杉原氏は「エスパルスが30年かけてあそこまで行ったように、我々もこの地に根差して必死にやっていきたい」と意気込んでいる。

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