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お出かけ前に何を着るのか、傘は必要なのかチェックするため天気予報は欠かせません。そんな天気予報ですが、ちょっとしたポイントを知っておくことで、大まかな天気を自分で予想できるのです。
テレビ静岡で10月15日に放送されたテレビ寺子屋では、“あまたつ”でお馴染みの気象予報士である天達武史さんが、自分でできる天気予測「観天望気(かんてんぼうき)」のコツについて語りました。
観天望気とは?
気象予報士・天達武史さん:
日ごろ「雨が降るのかな」、「晴れるのかな」、「テレビで言っているけれど本当に災害が起こるのだろうか」などと思いながら天気予報を見ていると思います。
最新の情報をしっかりと受け取ることもとても大事ですが、みなさんが実際に見て、聞いて、歩いてみて分かることも実はすごくたくさんあります。
「観天望気(かんてんぼうき)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。空や動物を見たりして天気を予想することを言います。例えば「夕焼けの翌日は晴れる」とか、「つばめが低く飛ぶと雨が降る」と昔から言われていますが、これも観天望気です。
雲から天気を予測できる
例えば、空に浮かぶ雲ひとつとっても様々な天気のサインがあります。
ハケでさっとはいたような薄い雲「巻雲(けんうん)」は、上空5000m以上のところに出る氷でできた雲です。この雲が出たときは、安定した天気が続きます。
また円盤のような横長の楕円形をした「レンズ雲」。これが出ると次第に風が強くなります。
富士山など高い山の近くで見られることが多いのが「吊るし雲」。一度出ると同じ場所にとどまることが多く、見つけやすい雲です。
山を越えてきた風と山の周りをまわってきた風がぶつかるところにできるため、風が強くなり、天気が荒れるサインと言われています。見つけたら、天気予報を確認してみてください。
チカチカした星や積乱雲には要注意
それから夜空にもサインがあります。「いつもよりも星がキラキラチカチカ瞬いているな」ということがありますね。こんなときは、上空で風が乱れています。その乱れた風が翌日地上に下りて来ることがあるので、星がチカチカ見えたら翌日風が強くなると予想し、洗濯物をしっかり止めて干すなどしてください。
さらに、最近は天気が急変し、場合によっては命にかかわるような、災害を起こすような雨の降り方をします。こういった「ゲリラ雷雨」にも前兆があるのです。
それは危険な雲「積乱雲」です。中でも雲の上が平らになっているものは「かなとこ雲」と呼ばれます。地上1万mから1万5000mまでは「対流圏」と言って上に行くほど気温は下がっていきます。
ただ、そこから上は気温が一定になるため、雲はそれ以上あがれなくなり、横に広がり上が平らになります。最後まで発達した雲ということです。こういう雲が出たときは、激しい雷雨、ゲリラ雷雨、竜巻なども起きる場合があります。
空に隠されたヒントを探してみて
雲は、太陽が当たることで白く見えます。積乱雲のように分厚い雲が真上にくると、光を通さず黒い雲に見えます。黒い雲がかかると雨が降ると言われるのはそのためです。
また雨粒は、雲の真下から地上に落ちて来るのに7分くらいかかります。その時空気も一緒に引きずりおろし、先に空気だけが下りてきます。雲の中にあった空気が風となったものなので、ヒヤッとして湿っているのです。ゲリラ雷雨など激しい雨になればなるほど、5分くらい前にビューッと、ヒヤッとした風が吹いてきます。
「真っ黒な雲」「ヒヤッとした風」を感じたら、雨だけでなく雷や雹(ひょう)の恐れもあるので、できたらすぐに建物の中に避難してください。
このように、空にはいろいろなヒントが隠されています。ぜひ最新の予報を確認しながら、空も見上げて、日々の生活に役立ててください。
天達武史:1975年、神奈川県生まれ。27歳で気象予報士試験に合格。「あまたつ」の愛称で親しまれる。2005年からフジテレビの朝の情報番組に出演。現在は、「めざまし8」の気象防災キャスターを担当。
※この記事は10月15日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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