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もはやバイクライフの必需品「インカム」 メーカーに聞いた開発秘話【森町・デイトナ】

バイクをより快適に楽しんでもらおうと、ユーザー目線のモノづくりを続けている静岡・森町のアフターパーツメーカー「デイトナ」。人気の「インカム」は走行中に他のバイクと会話でき、グローブを着けていても使いやすい優れものです。

“単車”でも1人じゃない

静岡県の西部・森町にある「デイトナ」。国内でも有数のオートバイのアフターパーツメーカーです。

デイトナの開発したバイク用インカムがユーザーから高い評価を受けています。

テレビ静岡・小松建太アナウンサー:
バイク用インカムとは、どんなものなんですか

デイトナ 二輪事業部・一木将行さん:
インカムは複数人と同時に一斉に通信、会話ができる機械です

インカムはヘルメットに装着して使用する

イベントの会場や、フードコートなど飲食店でも使われるインカム、そのバイク専用版です。

デイトナ・一木さん:
バイクを運転するときにはグローブを着用していると思うのですが、グローブを着用しながらでも操作しやすい大きなパネルになっています。また、バイクで走っていると雨やホコリがあるので防水防塵仕様です

色はヘルメットやバイクの車体に合わせて、パネル部分を変えられるように全8色。

気になる音質を実際にテストコースでツーリングをして、試させてもらいました。

小松アナ:
想像していたよりも、かなりクリアな音ですね。ファッションに合わせて色を変えても良いですし、気分も上がりそうですね

デイトナ・一木さん:
この商品は最大で4人まで会話できるのでグループでのツーリングにもぴったりです。通信距離も約800mで、もし仮に距離が離れすぎて通信が切れてしまった場合にも800m圏内に戻ってくれば自動で通信が再開されるシステムになっています

「かっこいい」より「快適」

オートバイ用のインカムが一般的に流通するようになったのは、今から20年ほど前。デイトナも開発をスタートし製品を作ったものの、当時のユーザーはライダー全体の2割ほど。

今日に至るまで、インカムの裾野を広げるためのたゆまぬ努力がありました。

デイトナ・一木さん:
開発当時はインカムがまだ普及していない時期だったので難しいことが多くありました。そもそもよくわからないだとか、値段が高いとかネガティブな意見があったと聞いています。そのため、より親しみやすく使いやすい、リーズナブルな商品を改良・開発しました

昔は「より速く、より格好良く」といったコンセプトのアフターパーツがニーズがありましたが、最近は「より快適に、より楽しく」に変化。

快適性を上げる商品のニーズが高まっていることを感じました。

スマートフォン関連の商品や、オートバイ用のドライブレコーダーなど、快適や安全を追い求める商品のニーズも高まっています。

開発者がバイク乗りだから分かる

自身もオートバイに乗る一木さんのおすすめは、バイクのシートに付けるクッションです。

デイトナ・一木さん:
ツーリングサポートゲルというものなんですが、長時間走っていてもお尻が痛くならないクッションです。これがあると、お尻の表面的な痛みやしびれだけでなく、長距離走行した際の腰痛も軽減されます

小松アナ:
見た目は薄いので違いがあるのか半信半疑でしたが、座っただけで結構感触が違いますね

こうした商品は、一木さんをはじめ、実際にオートバイに乗るスタッフが使う立場で企画開発を行うことで、ユーザーに求められている製品を作ることにつながっています。

デイトナ・一木さん:
コロナ禍で中高年のリターンライダーや、そのお子さんなどバイクライダーの数が増えました。そういう方々に向けて商品開発やサービスを続けていかないといけないと思っています。SNSやYouTubeなどにあるユーザーのコメントからもヒントを得ているので、我々もお客様がより長く安全に、快適にバイクに乗っていただけるような商品づくりとサービスを追求していきたいです

以前、実際に使っていたウインドスクリーンやリアバッグといったデイトナのパーツは「かゆいところに手が届く」という印象でした。今回の取材を通し、ユーザー目線でモノづくりをするデイトナは、ユーザーと一緒に理想のバイクを作っている企業なのだと感じました。

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テレビ静岡アナウンサー。スポーツを主に、静岡県内の取材を幅広く担当。TVer配信番組『おかずクラブのただいま日和』ナレーション担当。愛猫は9歳のハチワレ"だいず"と3歳キジトラ"でで"。