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日本を訪れる外国人は、意外な場所に日本の魅力を感じます。静岡を訪れた旅行会社のスタッフやインフルエンサーなど、旅行のプロになぜ静岡を選んだのか聞いてみました。
一番エキサイティングなのは「手水舎でのお清め」
9月8日、富士宮市にある富士山本宮浅間大社を参拝したのは、アメリカ、カナダ、フランスなど欧米各国から来日したインフルエンサーや観光ガイド10人です。
翌週に北海道で開催される旅行商談会「アドベンチャートラベルワールドサミット」に参加する人たちに、静岡を知ってもらおうというツアーです。
ガイドの案内で狛犬や絵馬の説明を聞いたり、「二礼二拍手一拝」の参拝作法にもチャレンジ。
一行が一番エキサイティングだと感じたのは「手水舎でのお清め」です。
まずは左手から洗い右手へ、口をすすぎ最後はひしゃくの柄を洗う。神前に進む前にけがれを祓い身を清める厳格な作法があることに、静かな感動を覚えました。
アドベンチャートラベルは、単に観光地を見学するだけでなく、「自然とのふれあい」や「文化交流」「アクティビティ」などの要素を持つ旅行スタイルです。
アドベンチャートラベルワールドサミットには世界約60カ国から旅行会社、メディア、ツアーオペレーターなど約 800 人が来日。全国 22カ所でこうしたツアーが開催される中、中部地域では唯一、静岡県のコースが開催されます。
静岡コースは5泊6日の日程で、伊豆の国市でサイクリングをしたり、西伊豆町でシーカヤックをしたり、富士登山をしたりします。
静岡大好きニュージーランド人ガイド
静岡コースを企画したのは、日本に住むニュージーランド人のシャノン・ウォーカーさんです。
シャノンさんは1990年代に交換留学生として初めて日本を訪れたのをきっかけに、日本が大好きになりました。
大学卒業後は東アジアを旅行したあと日本に戻って、ニュージーランド政府観光局の日本スタッフとして働きました。
2019年には外国人向けのツアー運営会社「KODO(コドー)」を設立して、欧米豪を中心に観光客の受け入れを行っています。
シャノンさんが販売するツアーのほとんどは現在、静岡県内のアドベンチャートラベルです。
観光ガイド シャノン・ウォーカーさん:
大型バスで回って、写真を撮ったりお土産買ったりするこれまでの旅行とは違って、地元の人と交流して、地元ならではの食材を食べたり、体を使ってアクティビティを楽しむタイプの旅行が欧米豪の観光客に人気です。今回のテーマは富士登山と、伊豆半島のジオ地形の見学です
静岡なら、伊豆半島でシーカヤックやサイクリングを楽しんだあと、翌日にはすぐ富士登山を体験することができます。狭いエリアに、多くの大自然アドベンチャーが凝縮していることが、シャノンさんが静岡を好む理由です。
また初めて日本に来た人は、まず東京に行き、京都へと移動します。これがゴールデンルートです。その移動の間、2泊3泊の余裕があれば伊豆半島も富士山も楽しめる静岡県を訪れることができます。
なぜ静岡を選んだ?「ここは全てが最高」
富士宮浅間大社での参拝を終えた一行は、富士山の湧水「湧玉池」を見学したり、水汲み場でご霊水をくんだりしたあと、富士山世界遺産センターへと移動しました。
旅のプロたちは、なぜ静岡を選んだのでしょうか。その理由を聞いてみました。
カナダから参加したインフルエンサー:
来日は2度目ですが静岡県は初めてです。いろんな料理、出会った人がとてもすてきで、自然環境も美しく、ここはすべてが最高です。ここで体験したことは私のウェブサイトで紹介します
フランスの旅行会社のスタッフ:
日本がヨーロッパで宣伝するのは東京や京都や寺院仏閣ですが、旅行者があまりいない違った場所に行きたかったんです。マウンテンバイクで小さな村をまわったり、地元の食にふれたり。だから静岡に来たんです
旅行の目的は時代とともに変化します。旅のプロたちが絶賛する静岡の「アドベンチャーツアー」は国内の数ある観光地に対抗できる強みに育つかもしれません。