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ふくろい遠州の花火でお披露目 200機のドローンショーに込めたイベント会社代表の“情熱”

7月22日の安倍川の花火大会(静岡市)でも実施され、大きな反響があったドローンショー。29日に開催された花火大会「ふくろい遠州の花火」でもサプライズでドローンショーが実施された。このドローンショーに初めて挑戦した地元企業を取材した。

◆サプライズでドローンショーを企画

イベント会社「スクラムクリエイション」

7月26日、袋井市のある企業を訪ねると、そこには忙しそうに荷物を運ぶ男性の姿があった。

竹下昇輝 記者:
こちらでは何を?

スクラムクリエイション・山田年長 代表:
これですか?今ですね、ドローンのチェックをしています。今週29日ですか、袋井で花火大会があると思うんですけど、その時にサプライズでドローンショーを企画してまして。

◆ドローンショーに魅せられて

ドローンショーに魅了された山田さん

袋井市高尾のイベント会社・スクラムクリエイション。代表の山田年長さん(59)は、数年前にテレビで見たドローンショーの魅力に取りつかれ、その感動を地元の人たちにも感じてほしいと考えていた。

そして、ドローンショーを事業として取り組むことを決め、初めての舞台として選んだのが4年ぶりに開催された「ふくろい遠州の花火」だ。

スクラムクリエイション・山田年長 代表:
袋井は花火が有名なもんですからね、その袋井の花火の時にこれを絡められたら、すごい面白いだろうなっていうのが、最初に思ってたことだったんです。

借金をしてまでドローンを購入

移動水族館などを手掛けるこの企業は新型コロナの流行で売り上げが激減する打撃を受けた。それでも山田さんは「ドローンショーを地元で開催したい」という思いから、借金をして200機のドローンを購入。ドローンを動かす技術もない状態でイチから勉強して、国の補助金も利用しながら花火大会の主催者に自らドローンショーを売り込んだ。

ドローンショーを売り込む山田さん

スクラムクリエイション・山田年長 代表:
あんまり明るすぎちゃうとドローンが青空に隠れちゃって見えなくなっちゃうんですよ。

袋井商工会議所・豊田浩子 会頭
本当に山田さんのパワーですよね、もう一言で。それでもここまで作り上げてきたので、すごいなと思います。

スクラムクリエイション・山田年長 代表:
先なんてわかんないじゃないですか、どうなるかも。でも、わかんないから、わかんないからって言って逃げていたら、絶対、人間っていい方向にはいかないと思うんですね。こういう風にしたい、こうなりたいと思って行くからこそ、道も開けるし。

現場を下見する山田さん

本番まであと3日となったこの日も、山田さんは様々な調整に追われていた。ショーの撮影の打ち合わせや現場の下見、それに当日ドローンを飛ばす時間も、1分単位で主催者と話し合いを重ねていく。ここまでの準備をほぼ一人で行ってきた山田さんだが、そこには周りの人たちの協力があった。

スクラムクリエイション・山田年長 代表:
みんなが終わった後に「やってよかったよね」 って言えるドローンショーにして、見ている人も「良かったよね」って「また来年もやってもらいたいよね」って言えるぐらいのものにして、このドローンショーを終わりたい。

◆いざ花火大会当日へ

現場には長男・健太さんの姿も

そして迎えた花火大会当日。山田さんはドローンショーの最終調整に入っていた。離発着場には山田さんの友人や地域の人たちなどが集まり、ドローンを1機ずつ並べ、動作を確認していく。この日は、ドローンショーで流す音楽を編集した長男・健太さん(16)の姿もあった。

山田代表の長男・健太さん
(ドローンショーが)できるのかなと思っていて最初は、言葉だけの時が多かったりしたので(笑)でも実行できたのはすごいと思います、本当に。

スクラムクリエイション・山田年長 代表:
きちんと200機飛ばして、いい絵を皆さんに見てもらいたいですね、せっかくやるんで、ここまで苦労してきたので。

熱気に包まれる会場

ドローンショー開始30分前。会場はあふれんばかりの人で熱気に包まれていた。

夜空を彩るドローン

そして…天高く舞い上がった200機のドローン。

ドローンが描く“フェニックス”

崩れることなく、夜空に絵を描き、大勢の観客がドローンショーの美しさに酔いしれた。

ドローンショーの美しさに観客も酔いしれた

観客:
風鈴の揺れる部分が動いていて、忠実に再現していてすごいなと思いました。

観客:
色が変わったりとか、ドローンがすごい動いていて、すごいよかったです。

観客:
すごい統率がとれていて、色鮮やかですばらしかったです。

観客:
(ドローンショーが)ぜひ増えてもらえると、もっと盛り上げていってもらえると。

◆無事ショーを終え万感

ドローンを見守る山田さん

真下で見守っていた山田さんも、無事ショーを終えて降りてくるドローンを見て、安堵と喜びの表情を見せていた。

スクラムクリエイション・山田年長 代表:
本当に無事にやり切れてよかったです。これからもドローンショーというのは、いろんなところでやるようなことにはなると思うんですけど、独りよがりのショーにならないように、見る人が「こういった意味があるんだね」「こういったことでこのショーができてるんだね」というところくらいまで持っていって、そのうえですばらしいショーを、演出も含めてできたら最高かなと思っています。

大成功に終わった初めてのドローンショー。さらに工夫を重ね、大勢の人を楽しませたいと考えている山田さん。挑戦はこれからも続く。

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