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「相談される人」になる方法 元ラグビー日本代表主将が伝授【テレビ寺子屋】

気軽に相談できる人がいれば問題解決も早いもの。ではあなたは“相談しやすい人”ですか。元ラグビー日本代表キャプテンが、「相談される力」の極意について語りました。

8月27日に放送されたテレビ寺子屋

8月27日にテレビ静岡で放送されたテレビ寺子屋では、元ラグビー日本代表主将の廣瀬俊朗さんが、相談される人になる秘訣を伝授しました。

相談される人になるには

元ラグビー日本代表主将・廣瀬俊朗さん
私は中学から日本代表まですべての所属チームでキャプテンを務め、相談されるという機会が多くありました。みなさんは「相談される人」、「相談される力」というと、どんなことを想像しますか。もしくは「相談したいな」というのはどんな時でしょうか。

お互いのコミュニケーションが取れて、相談が世の中にいっぱいあふれた時に、いろんな問題が解決したり、次に進もうという気持ちの人が増えたりするのではないかと思います。

「伝えたけれど伝わっていない」というのは、よくあることです。どうしたら防げるのか。大事なことの一つは「普段の関係性」です。仕事でも学校でもそうですが、何かあった時だけ話そうとなると、お互いに構えてしまいます。普段から何気ない会話を繰り返していると、「きょう相談できそうだな」とか、「何かあったのかな」ということがわかります。

企業の「雑談ミーティング」のようなものも一見効率的ではないかもしれませんが、そこで良い関係性を築いていくと意思決定の場の質もより上がっていくのではないでしょうか。その土壌となる「何気ない一言」が大事です。

「何点取ったの?」と聞く前に

親も子供が帰ってきた時に、「何点取ったの?」などと成果を聞きすぎていませんか。子供は「100点取ることがこの人の喜びなんだ」と感じると思います。

「どんな気持ちだったの?」とか「面白かった?」「ワクワクしたことなに?」とか、子供の内側に問いかけるようなこと、しかもあっているとか間違っているではないようなことを声かけしていく。内面に触れるようなことをして関係性を作っていくことが大事だと思います。

それから自分が「伝えたいこと」をきちんと理解しているかどうか。何を伝えたいのか、本質は何かと、日ごろから書いて俯瞰視していく。自分で整理したうえで、相手方がどのくらい聞き入れてくれるかなと見ながら話をしていくのが良いと思います。

さらに「自分らしさ」。完璧にならなくてもいいと思っています。僕はキャプテンを務めてきて、人前で話す機会はたくさんあったので得意になりました。一方で、すごく細かいことは苦手です。そういうところは仲間の中で面倒見がいい人が補い、デコボコで完璧でなくてもお互いの良さを磨いていけばいいのです。

前キャプテンの真似をして失敗

あとは、「心の奥底の言葉」が大事です。だいたい失敗するのは、前のキャプテンの真似をしたりした時です。僕も失敗しました。「キャプテンってこういう人を求めているのでは」と思い話していたら、みんな「ウソをついてるのでは?」「本当のこと言ってないよね」など、すごく繊細に察知しました。

やはり「自分の言葉」で、「自分が思っていること」を「あっているか間違っているか分からないけれど伝えに行く」というのが大事なスタンスだと思います。

「フラットに話が聞けるかどうか」も大切です。「この話に違いないから、こうやって答えよう」と当てはめて考えない。上手な回答ができないかもしれませんが「真摯に聞く」、あまり余計なことを考えないで「傾聴する」ということが大事です。

そして「その人を変えよう」というのはちょっとおこがましい。変えるきっかけ、ボールをお互いの間に置いていくくらいのスタンスが建設的です。自分が解決しようと思わないことです。

みんなが相談できる世の中に

そんなことを大事にしてやってきたら、相談されやすくなったのかもしれません。その先には、みんながハッピーな世界がちょっとでも作れたら良いと思います。「こんなはずじゃなかった」という問題が世の中で起きていますが、これをどんどんなくしていきたい。相談が増えることでよりみんなが楽しい人生を送ることにつながっていったらいいなと考えています。

廣瀬俊朗:1981年大阪府生まれ。5歳でラグビーを始め、北野高校を経て慶應義塾大学に進学。 2004年、東芝入社。中学から日本代表に至るまで全てのチームでキャプテンを務める。

※この記事は8月27日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

フジテレビ系列で放送中の番組。「子育てってなんだろう」。その答えは1つではありません。テレビ寺子屋では子育てや家庭のあり方について様々なテーマを元に毎回第一線で活躍する講師を招いてお話を聞きます。