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子供助け力尽きた母 “私が走り始めたきっかけ”は被災地の悲しいエピソード

全ての女性の幸せを願って走る「ホワイトリボンラン」。この全国イベントのきっかけを作った女性が静岡・三島市にいます。これまで7年間走り続けてきた理由は、津波で命を失った母親の悲しいエピソードがあったからでした。

白い公式Tシャツで走る参加者たち

「ホワイトリボン」は女性の命のための活動

3月、国際女性デーを前に、チャリティランニングイベント「ホワイトリボンラン2023」が全国各地で開催されました。主催は女性の命と健康を守るため、国際的に活動しているNGO「ジョイセフ」(東京都)です。

「ホワイトリボン」とは、世界中の女性がより健康的で自分らしく生きることを支援する運動の国際的なシンボルマークです。

「走ろう。自分のために。誰かのために」がキャッチコピー
収益の全てがホワイトリボン活動に寄付される

静岡県三島市では3月4日にホワイトリボンランが開催されました。コースは最長5km、大人も子供も楽しく参加できるイベントです。ジョイセフの職員でもあり、三島市に住む小野美智子さん(HiPs代表)も、1kmのコースを駆け抜けました。

小野さんがホワイトリボンランを走るのは今年が7年目。実はホワイトリボンランの生みの親でもあります。

きっかけは被災地で聞いた悲しいエピソード

参加者にホワイトリボン活動の意義と、自分らしく健康でいることの重要性を語る小野さん

もともとは「走る」習慣が全くなかった小野さん。きっかけとなったのが、2011年の東日本大震災でした。

普段はアフリカなど途上国の女性たちのための活動をしている小野さんですが、東日本大震災の時には現地の母子を支援するため、被災地に向かいました。

小野美智代さん:
60代の女性から聞いた話があまりに衝撃的だったんです。その方には娘さんがいて、娘さんには3人の子供がいました。娘さんは3人の子供を連れて、津波から必死で逃げましたが、子供を塀の上に持ち上げて安全を確保したあと、自分だけは体力的に限界がきて塀に上がって逃げきることができずに、そのまま津波にのまれて亡くなってしまったそうです

女性は涙ながらに小野さんに「あなたは自分と子供の命を守れるくらい健康で強くならなくてはダメ」と訴えたそうです。それが小野さんの胸に刺さりました。

小野美智代さん

小野美智代さん:
当時の私は今よりも10kg以上体重があり、決して健康的とは言えない生活をおくっていました。とてもじゃないけど、いざという時に3歳になる娘を守れない。自分が先に死んでしまうかもしれない。自分を変えるために、強くなるために、走り始めたんです

共感をよび仲間が増え 気付けば10年

「この大切な気づきを、みんなにも伝えなくては」。

そんな思いで2013年から始めたのが「健幸美コミュニティーHiPs(ヒップス Healthy, inspiring & Pretty smile)」です。今年で発足10周年となりました。

当初は、ランニングやヨガなどを開催し、参加費100円を集めて、東日本大震災の被災地を支援する資金としていたそうです。

活動3年目の国際女性デーには、小野さんが中心となってジョイセフで「ホワイトリボンラン」を開始しました。共感が共感を呼び、いまや全国47カ所で開催されるまでになりました。

ホワイトリボンランの運営メンバー

運営メンバー:
小野さんと関わることで被災地や、世界の女性たちの課題を知ることができました。なかなかアクションを起こせないと思うけど、仲間と一緒に楽しくムリなくだったからこそ、私にもできました

小野美智代さん:
全国、世界にまで広がるこのチャリティイベントが、三島の小さなコミュニティーから生まれたことを心底、誇りに思っています

あなたも私も「世界中の女性」の1人

ホワイトリボン活動の理念「世界中の女性の健康と自分らしさ」は、なにも貧困にあえぐアフリカ諸国の女性や、被災地の母親に限った話ではありません。「私」や「あなた」も含まれるのです。もちろん「子供」たちも。

「散歩コース」や「5kmコース」などを選べる 誰もが参加しやすい

小野美智代さん:
いま目の前にある景色は決して当たり前ではないんです。誰だって被災者になる可能性はあるし、誰だって支援者にもなれます。報道されない深刻な事態が、世界各地で今も起き続けています。小さなことで構わないので、現実を知ってアクションを起こしてほしいです。自分のために、誰かのために

もっと詳しく知る】ホワイトリボン公式ウェブサイト /HiPs(代表・小野美智代)のfacebook

子育て防災アドバイザー/ふじのくに防災士。小学生の子を持つ現役ママの視点で、防災をもっと身近に親しみやすくお伝えします。ほかにも子育て世代にお役立ちの楽しい情報や、キラリと光る地元の魅力的な「ヒト」にフォーカスします。食育指導士。
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