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日本平動物園のオオアリクイの赤ちゃんの名前が「竹千代」に決まりました。お母さんの背中におんぶされて過ごしていて、かなり甘えん坊のようです。徳川家康の幼名をもらった赤ちゃん、大物になるでしょうか。
静岡市駿河区にある静岡市立日本平動物園に2022年11月オオアリクイの赤ちゃんが生まれました。オオアリクイは国内には16頭しかおらず、絶滅危惧種です。待望の赤ちゃん誕生でした。
命名式で発表 家康の幼名をもらう
それから4カ月が経ち、3月11日に赤ちゃんの名前が決まりました。徳川家康の幼名でもある「竹千代」です。
動物園は名前を募集し、応募総数469票中、竹千代は4票だったそうです。大河ドラマ「どうする家康」でも徳川家康が改めて注目される中、とてもいい名前をもらいました。きっと大物になるに違いありません。
飼育員の江林奏絵さんによると、オオアリクイの赤ちゃんの平均体重が1500ｇですが、竹千代は2100ｇで生まれたビッグな赤ちゃん。ただ母離れが遅くて、なかなかの甘えん坊だそうです。普通はもう大人と同じ食べ物を食べる時期ですが、まだおかあさんのミルクを飲んでいます。
目の前にミカン どうする竹千代
オオアリクイは自然界ではアリを食べますが、動物園では十分用意できないのでドッグフードや肉などをドロドロにして与えています。最近少しお母さんが食べているものにも興味を持ちだした竹千代。
取材中、江林さんがミカンを持って飼育スペースに入ってきました。すぐに気付いたお母さんは、江林さんの持つミカンにロックオン。急いで追っていきます。
一方その背中で竹千代はすやすや。食べ物への関心がまだ高くはない竹千代です。
しばらくして、ようやく気づいたのか、目をあけて江林さんが差し出したミカンをペロペロ。オオアリクイ特有の細長い舌を見ることができました。少しずつ大人の階段を上っています。
パパママは仲良し夫婦 でも悲しい過去が
竹千代とお母さんのヒナがいる飼育スペースの隣には、お父さんのフジオがいます。この日、撮影しているとヒナがフジオの方に近づいて口をペロペロ。
江林さんによると、仲が良いオオアリクイ同士は口をなめ合うそうです。人間で言えば「キス」のようなもの。
とても相性が良い2頭の間には、これまでに3頭の赤ちゃんが生まれました。しかし、1頭目は死んでしまい、3頭目もミルクが出ず生まれてすぐ死にました。育ったのは神戸市の王子動物園に行った1頭だけです。
だから江林さんたち飼育員は今回の出産に備えて、竹千代がお腹の中にいる時から、入念にエコーで体調を確認し、ヒナの乳首を絞ってはミルクがちゃんと出ているか確認しました。
江林さんのオオアリクイ愛は深く、竹千代の等身大ぬいぐるみを手作りするほど。生後1週間の時に腕の長さや重さをしっかり計測して、忠実に再現しました。ぬいぐるみは展示スペース前にあるので、来園者も抱いて、竹千代の重みを実感することができます。
オオアリクイの聖地でもあった
日本平動物園と言えば、「レッサーパンダの聖地」だと知られるようになってきましたが、実は「オオアリクイの聖地」でもあります。
国内のオオアリクイ全ての血統を管理し、繁殖計画を考える担当者がいるのです。竹千代も独り立ちしたら繁殖に一役買い、オオアリクイの太平の世を築くため、どこかの動物園に婿入りするこになるのでしょう。
オオアリクイの子供がお母さんの背中に乗っているのは、生後約8カ月から9カ月だということです。竹千代のおんぶ姿も、あとわずか。ぜひ早めに見にいってみてください。
