いま、企業の悩みの種となっている人手不足。日本商工会議所などが行った調査では6割の企業が人手不足と回答するなか、獲得競争の激しさを増しているのが高校生です。
参加企業:
押し出しという技術を使ってアルミ製品を作る会社になります
参加企業:
貿易・物流の手伝いをしています
10月21日に静岡県静岡市で開かれた「高校生JOBフェア」。
主に2027年春卒業する高校生を対象とした、合同企業説明会です。
食鮮館タイヨー 管理部・瀧智紀マネージャー:
雰囲気の良い会社だと思うのでその部分を説明したり、商品に誇りを持っているので良い商品を提供して、来店客に喜んでもらえるというやりがいの部分をアピールしたりしている
参加者:
製造業をやってみたいと思っていた
参加者:
運送業で、運転したり運んだりというのが自分に合っているかなと思い、きょう見学した
参加者:
お客さんに寄り添えるような社会人になりたい
“超”売り手市場とも言われるなか、企業の獲得競争も激しさを増しています。
主に高校3年生を対象とした就職説明会。
この席で、企業側が事業内容や業務の説明とともに力を入れていたのが・・・。
参加企業:
昇給もあるし、ベースアップも毎年しています
参加企業:
福利厚生でいくと、年間の休日が120日あります。これと有給休暇は別です
給与体系や休暇制度、福利厚生、研修制度の紹介です。
巽企業・増田実宏 社長:
私たちの時代のように日曜日・土曜日なしというのは絶対あり得ないし、逆に土曜日・日曜日と休んでもらい、月曜日からリフレッシュした状態で仕事をしてもらう体制をとるのがこれからの時代だと感じている
永田部品製造 人事総務部・金丸和也さん:
あまり残業がなく休みがあって、自分のプライベートを確保したいという人は多い
参加者:
もちろん給与が高いというのも大切だし、仕事に合った休みの量も大切
参加者:
プライベートを大切にしたいので、仕事とプライベートを上手く両立できる会社に魅力を感じている
背景にあるのが、高校生をめぐる厳しい獲得競争です。
厚生労働省によると、1987年に1.53倍だった高校新卒者の求人倍率はいわゆるバブル崩壊前後には3倍前後に。
その後、就職氷河期やリーマンショック後に1.3倍前後まで落ち込みましたが、近年は急激な上昇を見せ、2026年3月には4.12倍となりました。
つまり、1人に対して4件以上の求人がある状態で、 “超”が付くほどの売り手市場。
かつての厳しい就職市場を知る世代からすると、今の高校生を取り巻く環境は大きく変わっています。
県立工科短期大学校・沼津キャンパスに通う和田蒼巧さん。
県立工科短期大学校・和田蒼巧さん:
2年生の後期から総合製作実習という卒業研究のようなものが始まり、まだ始まったばかりで、みんな計画を立てている段階
現在、機械・生産技術科に在籍していますが、実は富士市にある小林製作所の社員でもあります。
県立工科短期大学校(小林製作所 社員)・和田蒼巧さん:
もともと工科短大には高校1年生の時から進学したいと考えていたが、高校2年生の時に先輩から「事業主推薦」という制度があり会社に行きながら、短大にも通えるという話を聞いた
製紙用機械や産業用機械の開発から設計、製造、販売までのすべてを手掛ける小林製作所では、5年前に県立工科短期大学校への「事業主推薦制度」を導入。
授業料に加え、テキスト代や交通費などもすべて会社が全額負担しています。
小林製作所 総務課・水野究 課長代理:
もちろん採用難という問題も抱えつつ、新規の高卒者が会社に入ってすぐに仕事をするとなると、会社に入ってからしばらくは自分の仕事をこなすことで精一杯になってしまい、なかなか自分の能力・スキルを磨くことが難しい状況にあった
また、在学中も毎月給料を支給していて、実際に出社するのは学校の長期休暇などが中心。
このため学業に専念することができます。
県立工科短期大学校(小林製作所 社員)・和田蒼巧さん:
普通はこうした制度自体が少なく、学生として勉強しながら、社会はどうなっているのかという勉強も両立してできるので、すごく良い制度でありがたい
現在、事務管理部DX課に所属する榑沼隼也さんも制度を利用したひとり。
小林製作所 DX課・榑沼隼也さん:
内定の連絡をもらった際にIT部門への所属を打診された。専門的な技術を身に付けられることに魅力を感じ、チャレンジしてみようと思った
県立工科短期大学校ではプログラミングや情報リテラシーなどを学び、現在は社内のシステム開発やネットワーク管理を担当しています。
小林製作所 DX課・榑沼隼也さん:
実際に仕事をする中で学校で学んできた内容に触れることもあり、当時の知識を振り返りながら仕事に取り組んでいる
小林製作所では、在学中の社員も含めてこれまでに16人が制度を活用していて、社業への貢献という面だけでなく、人材確保の面でも意義のある取り組みという手ごたえを感じています。
小林製作所 総務課・水野究 課長代理:
今では事業主推薦制度があるからということで、小林製作所を選んで入社してくれる学生もいる
高校生を選ぶ時代から、高校生に選ばれる時代へ。
企業側の採用戦略も大きく変わり始めています。
